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終焉の呪い子たち(さいごののろいごたち)  作者: 藤宮空音
第3章 生徒会編

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【第41話】アフタースクール・ティーパーティー②

皆がスイーツをお皿に取り分け終わると、やっと味わえる時間がやってきた。


レミアはアンバー側を見ずに、少しだけ体をクラリス側に傾けながら、スイーツを頬張る。

今食べたのは、ブルーベリーやラズベリー、ストロベリーなど、たくさんのベリーが乗ったベリータルトだ。


一切れ口に入れれば、優しいカスタードの味わいと、絶妙なベリーの酸味が口いっぱいに広がった。しっとりとしたタルト生地がほろりと口の中で崩れると、内側に隠されていた甘いベリーソースが現れ、さらに舌を楽しませる。本当に美味しくて上品なベリータルトだ。


「美味しい……!」


(本当に! 美味しい……!!)


レミアは感動した。寮の食堂で出てくる食事もとても美味しいのだが、そのさらに上を行く美味しさだった。


「美味しいわね」


ふと、クラリスがレミアにぎこちなく話しかけた。レミアは嬉しくなって、はしゃぎ気味で答える。


「はい! このベリータルト! すごく美味しいのでおすすめです! クラリス先輩も食べてください!」

「……ふふ、そうなの? じゃあ、この後いただこうかしら。こっちのチョコレートケーキもとても美味しくておすすめよ」


レミアがクラリスに興奮した様子でおすすめすると、それを見たクラリスが一瞬驚いた(のち)、穏やかに笑っておすすめを返してくれた。


「……そうなんですか! ありがとうございます!」


クラリスのそんな顔を見るのは初めてで、なんだか胸がじんわりと温まる。


(本当に心を許してくれたんだな……)


そんな年下女子2人の様子を、3年男子2人がにこやかに見守る。


「微笑ましいッスねぇ〜」

「僕らもあんな感じでやってみる?」

「えっ?」


ルクスの突然の提案に、ロイリーはぽかんとする。そんなのお構いなしに、ルクスはウキウキと女子たちの真似をし始めた。


「ロイリー、このサンドウィッチ、美味しいよ。ほら、お食べ。フフ、ウフフ」

「えっ、あっ、えっ? わぁ……! ありがとッス……! ホントに美味しそ〜! じ、自分で食べるッス! フフ! ウフフ!!」


ルクスの会話に乗るしか選択肢がないロイリーは、無理やり合わせて会話する。なんだかおかしな感じだ。


「……何をやっているのかしら」


そんな2人を見たクラリスが、怪訝そうな顔で、ぽつりとそう呟く。

呆れている、というよりも、本当に不可解に思っているのが口から出てしまった、みたいな感じで少しおもしろい。

そして驚いたことに、左側から「……フッ」と、(こら)えきれずに漏れ出たような笑い声が聞こえてきた。


(ま、まさかアンバーが笑って……!?)


レミアがそろ〜……っとアンバーの方に目をやると、すでに真顔に戻っているアンバーとバチリと目が合った。何か()()()()()を付けられる前に、レミアは爆速で視線を逸らす。


「…………」

「…………」

「…………」


ふいに会話が途切れて、皆黙りこくってしまう。楽しいティーパーティーのはずだったが、なんだか気まずい空気が流れた。


「みっ、みんなは休みの日とか何してるッスか? しゅ、趣味とか知りたいな〜なんて……」


ハハ……、と気まずそうに笑いながら、ロイリーが話題を提供してくれた。すると、それをクラリスが繋ぐ。


「私は、料理とかスケッチとか、あとは読書とかかしら」


料理やスケッチは、自分では全然やらない(たぐい)のものだったので、そういう趣味もあるのか、とレミアは感心する。それに、なんともクラリスらしい上品な趣味だなと感じた。


「へー! 料理とスケッチ!? いいッスね! 俺なんか授業でしかやったことないッス!」

「料理は化学みたいで楽しいんです。時々寮のキッチンを借りたりして楽しんでいます。スケッチは、天気の良い日に湖のそばのベンチに行ったりしてやると、無心になれるし気持ちいいので、よくやっていますよ」

「へーっ! めちゃくちゃ優雅でゆったりした感じの素敵な休日ッスね!」

「ふふ、ありがとうございます。ロイリー先輩は?」


クラリスは嬉しそうにお礼を言うと、ロイリーに質問を返した。


「あ、俺ッスか? 俺は、ん〜……、音楽聴いたりとか、演奏したりとか、あとはコンサートとか演劇見に行ったりとかも好きッスよ!」


ロイリーの意外な趣味に、レミアは「え」と驚きの声が出かけた口を慌てて閉じる。


(普段軽そうな感じだから、なんていうか、重厚そう……?な趣味なの意外すぎる……)


「演奏というのは?」

「あ、ピアノっス! 小さい頃からやってて」

「そうなんですね、素敵」

「……へへ、ありがとうッス!」


少し照れながらそう言ったロイリーは、照れを隠すかのようにルクスの方に話を振る。


「か、会長はどうッスか? 趣味とか……」

「僕はあまり趣味とかはないんだけど、強いて言えば鍛錬(たんれん)かな」

「た、たんれん……」


少し考え込みながらそう言うルクスに、ロイリーが言葉を失う。


「着実に強くなっていってる感じが楽しくて」

「た、たのしい……」


(こ、この人やっぱり戦闘狂なんじゃ……)


レミアは前にアモが言っていた言葉を思い出して、そう考える。ロイリーは、もう同じ言葉を繰り返すしかなくなっていた。


「まぁ、僕の話は置いておいて。レミアは? 休日は何をして過ごす?」

「へっ? 私ですか!? えっと、私は……」


急に話が回ってきて驚いたレミアは、頭をフル回転させて、返答を探した。


アモ=演習場αの管理を任されていた研究者の女性。第31話(助けて!ルクス先輩②)にて、「もう! 君は見かけによらず、戦闘狂なんだかから!」と言っている。


閲覧ありがとうございます!

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今日も読んでくれたみんな、ありがとう…BIG LOVE …

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