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終焉の呪い子たち(さいごののろいごたち)  作者: 藤宮空音
第2章 魔力発現編

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【第17話】英雄伝説

※第9話(本当の始まり)内の「歴史」を→「魔法史」に改稿しました。

クレディは、続いて英雄伝説について話し始めた。


「建国神話と並んで有名なのが、英雄伝説です。建国神話以上におとぎ話性が強いものになりますが、現行の統治制度に大きく影響を与えているため、その辺とも絡めてしっかりと覚えましょう」



――――――――――


昔々──、ですが、メリー・ルンノベの時代ではありません。

あまりにも強すぎる魔力を(ゆう)している男がいました。


「きゃあああ! 彼の風魔法が竜巻を起こしたわ!」

「おい! ろうそくに火を灯してくれと言ったんだ! 俺を丸焦げにするつもりなのか!?」

「奴の魔法で川が増水した! 氾濫(はんらん)に飲み込まれないように逃げろ!」


その力は成長とともに大きくなってゆき、その強大な魔力をコントロールすることが出来なくなってしまいました。


「たっ、たすけてぇー!! あの子の魔法が人を襲った!!」

「逃げろ!!!」

「きゃぁあああ!!!」

「うわぁぁーーん!!!」


男は暴走するその力で多くの人を(ほふ)り、やがて街を壊滅させてしまいます。


そこで力を尽くしたのが3人の英雄、ジャック・ウォーレー、オリバー・グレゴー、エリーゼ・シェンメリー。


3人とも優れた魔力を持ち、ジャックはその身体能力で、オリバーはその頭脳で、エリーゼはその治癒の能力で、当時の王とともに彼を封印し、街の復興に貢献しました。


「オイオイオイ! 派手にやってんなぁ!? 俺の力で全てをねじ伏せてやるぜ!」

「いけません、脳筋。その方法では上空からの攻撃を防げないでしょう。攻めるなら、こちらからです!」

「いいわよいいわよ!! 怪我をしたらすぐに私のところに来なさい! 腕の1本2本3本!! 治癒魔法で何本でもすぐ生やしてあげるわ!」


王はその3人の功績を(たた)え、それぞれに王の補佐官としての立場を与えました。


それ以降、ウォーレー家は武大臣、グレゴー家は文大臣、シェンメリー家は医大臣として、今に至るまで、王の補佐官を務めています。


――――――――――



クレディは先ほどよりもやや淡々と話し終える。


(お、おもしろい……。

でも「彼」はどういう人だったんだろう……? 全然出てこなかったな。それに、封印されたってどういうことなんだろう?)


レミアがそんな風に疑問に思っているうちにも、クレディの授業は進む。


「この英雄伝説を元に、様々に脚色された多くの文学作品や演劇作品がありますので、ぜひ自分の気に入った作品を見つけてみてください」


(……なるほど、色んな作品がある分、あまり先入観を持たせないように、なるべくフラットに話してくれたのか)


レミアはそう勝手に解釈し、納得した。


「余談ですが、ウォーレー家は代々男児しか生まれず、シェンメリー家は代々女児しか生まれない不思議な家系となっています。テストに出すかもしれないので頭の片隅にいれておいてください」


「じゃあ余談じゃねぇじゃん」


どこか近くの席の男子がそうポツリと呟く。

幸い、クレディには聞こえていなかったらしい。特に何の反応も見せず、話し続けている。


それを聞いたレミアはと言えば、ノートにメモを取るべきかで迷っていた。テスト関係なら……と思いつつ、すでに知っていたことだったからだ。


「ちなみに。”彼”については一切調べてはいけません。十数年前から、彼の研究などは全て禁忌(きんき)となりました」


え、どうして?

クラスの大半がそんな反応をしていたが、授業中ということもあってか誰も口には出さなかった。


「ではここからは教科書を使った授業に入ります。では、魔法史Bの教科書25ページを開いて──」


(どうして彼のことが禁忌になってしまったんだろう……)


レミアはそればかりが気になり、モヤモヤを抱えたまま、授業は右から左に流れていった。



***


授業が終わり、クレディが教室から出て行った途端、みんなが一斉にざわざわとし出す。


「彼って何?」

「なんで調べちゃいけないの?」

「お前知ってる?」

「知らない」

「あたし小説何個か読んだことあるよ。でも彼の名前と性格だけ全部違ったんだよね」


ざわめきは大きくなっていく。教室のあちこちで会話が交わされていたが、その全てが”彼”に関する話題だった。


「なぁ、アンバー、お前なんか知らない?」


やがて、とある男子がそう問うと、クラス中がシン、と静まり返る。

皆が彼の返答に注目しているようだった。


アンバーと呼ばれたその男子は、教科書に落としていた視線をゆっくりと上げると、質問をした男子を見つめる。


(あれ? なんか見たことある……!? っていうか名前も聞いたことあるような……)


レミアは、その癖毛の黒髪と黒縁メガネを見て、うーん、う~~ん……と頭を(ひね)るが、悲しきかな、思い出すことが出来なかった。


彼はたっぷりと間を置くと、やっと口を開く。


(のろ)()。僕が知ってるのはそれだけ」


それだけ言うと、また教科書へと目線を移してしまった。


「のろいご……?」


レミアは口の中で小さく呟く。ドクンと心臓が鳴る。


初めて聞くのに、なんだか、胸がザワザワとした。


教室はまたざわめきだしていた。


「呪い子って知ってる?」

「知らない」


そんな会話がたくさん耳に入ってくる中で、レミアは唐突に思い出していた。

この前学校に来る間に、見かけた彼らを。


(あのアンバーって人、生徒会の人だ……)

エリーゼ、個人的に結構好きです。


閲覧ありがとうございます!

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