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マナの天啓者  作者: 一 弓爾
メモリーオブマナ
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二十七話 レッツ 半殺し稽古!

 空乃との稽古五日目。


 洋平はいつものように腹を抑え悶絶していた。


「ヨウ、だいぶ良くなってきたね。悶絶する回数も十二回くらいに減ったし。それに、マナの知覚ってのもかなり精度上がったんじゃない? 私からするとマナっていう呼び方より『氣』の方がしっくりくるけどね」空乃は洋平を見下ろしながら話す。


「…………空乃にも……マナ……氣の知覚ができるのか……?」洋平は息を整えながら尋ねる。


「うん。マナと氣が全く同じものかは分かんないけど、聞いてる限り概念はほぼ同じな気がするんだよね。ヨウは攻撃する瞬間とか、逆に敵から攻撃が来る瞬間に、『体内を廻るエネルギー』の存在を感じたりはしない?」空乃はしゃがんで、地面に伏す洋平に目を合わせる。


「あァ~。何となくは感じてるかも。でも、意識的にはできてないかもな……」


「そこを意識的に行えれば、マナの知覚も上げれるんじゃないかな? 専門外だから分かんないけどね。暗殺一族で習ったのは『体内を廻るエネルギーの氣』を自在に操ることだったからさ。重なる部分があるなら、参考になるかも」


「なるほどな……。やってみよう! 氣を読めれば敵の攻撃もある程度予測できそうだしな」


「そうそう、特にヨウに必要な能力なんじゃない?」空乃は笑いながら話す。


「ハッ。たしかにな。コレ以上悶絶するのは嫌だからな」洋平も軽く口角を上げる。


「あはは、だね! あとついでに言っとくと、攻撃でも氣は大事なんだ。氣を操る上で重要なのが『丹田』。場所で言うとおへその少し下辺り。そこで氣は練り上げられる。丹田を意識して力を出すことで、自分の筋力に氣の力を乗せて放つことができる」

 空乃は丹田の場所を指さす。


「ほゥ……。つまり、氣の存在を知覚するように意識することが重要。攻撃への応用では丹田を意識して、氣を練り上げるイメージを持つことも必要ってことか」

 洋平は聞いた内容を簡単にまとめる。


「そんな感じだね。ちゃんと話聞いてるじゃん。授業中は寝てばかりなのにね」空乃は楽しげに笑う。


「まあな。必要なことはちゃんと聞くぞ俺ァ。まあ、授業も大事だけどな……」


「何か、あんまり変わらないよね、ヨウって。最近ボッコボコにしてるから、もうちょっと接し方とかも変わるかと思ってたよ」空乃は少し不安な表情を覗かせる。


「いや、んなことで変わんねェよ。あァ~、いや流石にちょっと怖い時もあるけどな。でも、空乃は俺のことを思って、ボッコボコにしてるだけだと思ってるから、それを理由に態度は変えない。ま、もうちょっと手加減くらいしてほしいとは思うけどな」笑いながら答える。


「そっか。ヨウは不思議な人だよね。何かこだわりがないというか、『心に波が立たない』というかさ。だから、居心地が良くて高校の時から一緒にいるんだけどね~」

 空乃は昔を思い出したように、クスクスと笑う。


「晴夏も似たようなこと言ってたな。俺ァ懐が深ェからな……。なんてな、俺も空乃と晴夏と一緒にいるのが居心地良いから一緒にいたってだけだけどな。……昔話はこの辺にして、稽古再開すっか」洋平は立ち上がる。


「オーケー。じゃあ、氣と丹田を意識しながら稽古しよっか。いつも通り、私はヨウを半殺しにする気で戦う。武器はその辺に落ちてるモノは使う。ヨウは私を殺す気で全能力を使ってきてね。じゃないと、張り合いないからさ」

 空乃は単純に思っていることを言ったような口調だ。


「ハハ、天才の空乃さんがそう言ってくれると、俺もヤリやすいわ。じゃあ、遠慮なくいくぜ。いつもとは違う俺を見せてやる……!」――。


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