百二話 入門
洋平と晴夏は宮宇治家本邸の門前にいた。
「晴夏、ついにこの時がきたな……」
「だね……。宮宇治家に入るのは決めてたことだけど、いざ本当に入るとなると緊張するね」
「だよな……。俺達って陰陽師になるんだよな。それとも、所属するだけなのか?」
「う~ん、どうだろ? そこまで詳しい話なかったもんね。でも、宮宇治家に入るってことはそのまま陰陽師になるんじゃない? 陰陽師洋平……とか呼ばれる日がきたり……?」
「お、何かかっけェなそれ! じゃあ、晴夏は陰陽師晴夏だな! 二人で最強の陰陽師目指したりしてな!」
「ふふふ。ヨウ君となら楽しそうだね。最強の陰陽師目指すのも」
「だろ? さてっと、そろそろ行くか。門の前でずっとしゃべってても仕方ないしな」
「だね! 行こう!」
洋平と晴夏は二人で宮宇治家の門を開く。
すると、目の前には狐調が穏やかな顔をして佇んでいた。
「ようこそ、宮宇治家へ。和泉さん、小岩井さんお待ちしておりました」
「お久しぶりです。狐調先輩。これからよろしくお願いします」
「僕もこれからよろしくお願いします!」
「ええ。よろしくお願い致します。あと、お二人をはじめ皆様を宮宇治家の戦いに巻き込んでしまい、大変申し訳ございませんでした。迎え入れる場面で言うのはおかしな話ですが、わたくしの気が済まないので、ご容赦ください……」
「はい。狐調先輩の気が済むなら、今のうちに言ってください! 俺達はこれから宮宇治家のお世話になる身なので!」
「はい。ありがとうございます。それと、宮宇治家に来てくださったこと大変嬉しく思います。では、屋敷の案内や皆への挨拶をしましょうか」
「分かりました!」
洋平と晴夏は同時に返答し、狐調についていく。
これから先どのような生活になるのか、修行はどういったことをするのか、天啓者としてまたユウカに頼まれることがあるのか、など気になることはたくさんある。
それでも、この踏み出した一歩がこの街を、地球を良くすることに繋がればいい、そう思う。
陰陽師となりこれから何かを守っていく。
その期待と希望が満ちてくるのを感じながら、歩み続けた――。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
マナの天啓者はここで完結となります。
実は続きも考えているのですが、他に作りたい作品があるので、状況を見つつどうするか決めたいと思います。
再開する際は、必ずお知らせします。
それでは、ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました!