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4. 本の間に行く



「カラン、今日の授業はこれで終わりですよね?」

「はい」


今日の予定はこれで終わりなようですね。


「では、シルバ先生から出された課題をしましょうか。カラン、何か知っていますか?」


カランは確か28歳でしたよね。

25年前となると、3歳ですが親などから何か聞いてはいないでしょうか。


「申し訳ありません。私は隣国のパーチェリーベルタから来た身で、あまりここの歴史は…」


そういえば、カランはお母様の嫁入りの際にここに来たと前に言っていましたね。


「では、本の間にいきましょう」

「はい、では筆記用具をお持ちしますね」


−−−−−


本の間の重そうな扉をカランに開けてもらいます。


本の間には稀にしか行きませんが、たくさんの本がところ狭しと並んでいる光景はやっぱりわくわくしますね。


「カラン、どの本が良いでしょうか」

「そうですね…、歴史…政治…」


カランは頬に手を当てて、少し考えました。


「うーん。分かりません、司書さんに聞きましょう!」


ですが、直ぐに諦めたようです。

これだけ本がありますものね。

屋敷の司書をしているのは穏やかな老婦人です。


「少し聞いてもいいですか?」

「もちろんでございます」

「25年前の大雨についての本を探しているのですが…」

「そうですね。でしたら、姫様にはここの3冊とここのこの本が良いと思いますよ」


分厚い本ばかりのところで不安でしたが、比較的薄い本を選んでいただけて良かったです。


「ありがとうございます」


司書に進められた4冊の本をカランが取り出しているのを横目に見て、奥の机のブースに移動します。


「まずはどれから読みましょう?」

「そうですね、この比較的挿絵の多いものはどうですか」

「ではこれで」

「はい、では他は側に置いておきますね。私もなにか本をとってきます」

「カランも手伝ってくださいよ」

「ダメですよ姫様。ご自分の課題はご自分でやらなければ」


そうでした。カランに頼ってばかりではダメなんでしたよね。ですが、比較的薄いとはいえいつもより厚くて難しそうな本、独りで読めるでしょうか…

えっ―と、

『ラカルトの大雨について』

ラカルトの中心部で100年に1度の大雨が降りそそいだ。領主(ラカルト家当主)は被害にあった領民を保護したのち、その地の復興に努めた。この本ではその内容を綴る。


とにかく、書いてあることを紙に写していきます。

溢れた川の整備・食料の提供・一時避難など本当にいろんなことをしたのですね。

シルバ先生の言っていた領民を守るが最大限なされているのが分かります。


カランも本を見つけたようで向かいで読んでいます。

ですが、時々私の様子を伺ってくれているのが分かってります。

なんだか嬉しいですね。



2冊目を写し終わり、ふと顔を上げるとお姉さまがいらっしゃいました。

本を持ったエルムと共に、こちらに向かっています。


「お姉さまもいらしていたんですね」

「えぇ、ルメリアもいたのですね。課題ですか?」

「はい」

「私もです」


本の間は静かなのでお姉様と小さな声でお話します。

お姉様は私の隣の机に座って紙を広げ始めました。

一緒にお勉強しているみたいで嬉しいです。



−−−−−


4冊目も写し終わりました。だいたいこんなものでしょう。

カランに目配せし席を立ちます。

お姉様は集中していらっしゃるようですし、おじゃましてはいけませんね。

本を本棚に返し、次いでに面白そうな物語を借て自室に戻ります。


「カラン、今日はこれで自由時間ですよね!」

「はい、18時のお夕食まで大丈夫です」

「では、パズルをしていますね」


パズルは4歳の誕生日にカランからもらった大切なものです。凄く大きくて難しいですがその分、一部分でも繋げられると達成感があって嬉しいです。

これはここでしょうか…


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