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花と氷  作者: わたあめ
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穂高の気持ち

「あれ?穂高君」

剣道場に来ると穂高が素振りをしている。

「早田、どうした?」

「なんか素振りしないと落ち着かなくて」

「分かる」

テスト期間中で部活はないが、二人は自主練をしに来ていた。

「この前はありがとな」

「ううん、こちらこそ」

「あのあと柊とゆっくりできた?」

穂高が意地悪っぽく言う。

「うん、たくさん喋れてうれしかった」

そうか、と穂高は笑った。

「穂高君はさ、瞳子のこと好きなの?」

直球の質問に穂高は驚いてバランスを崩す。

「おっと・・・」

花菜はきょとんとしている。さすが感覚派だな、と穂高は思う。

ごまかす必要もないか、と思い、

「うん、好きだよ」と認める。

そういうと花菜はすごくうれしそうな顔をする。

「見込みあるかな?」

「分かんないけど」

花菜の即答に分からないんかい、と心で突っ込みを入れる。

「穂高君は瞳子を幸せにしてくれる気がする」

「じゃ、頑張ってみるか」

そういって二人で笑い合った。


教室への帰り道、

「なんかアドバイスない?」

と穂高が聞くと花菜は難しそうな顔をする。

「穂高君、私に恋愛相談は人選ミスだよ…」

穂高は吹き出してしまう。

「たしかに!早田はさ、どうやって柊と付き合ったの?」

「うーん、深山君って毎週金曜日の放課後は裏庭のベンチにいるでしょ?だからそこまでいって、好きですって告白した」

へへへ、と花菜は笑う。

あの深山によくそんなことできたな、と穂高は感心する。


「それで即OKだったの?」

「うーん、どこが好きなのって聞かれて答えたら、いいよって」

「なんて答えたの?」

穂高は興味津々だ。


「えっと、瞳子に似てて話してるとフワフワして居心地がいいって感じのこと言った」


なるほど、と思う。

穂高の理解の範疇を超えていてよくわからないところも多いが、おそらく西園寺さんと似てるところが好き、と言われてほかの女の子たちとは何か違うと興味を持ったのだろう、と穂高は思った。


「しかしすごい行動力だな」

「いやあ、深山君が好きすぎて勉強が手につかなかったから、玉砕してしまおうと思って」

花菜は照れながら言う。

「玉砕すると思ってたならびっくりしただろうな」

「うん、焦ってよく分かんないこと言った記憶がある」

花菜と穂高は二人で笑い合う。


「今日さ、お昼4人でどう?」

穂高が言うと、花菜は嬉しそうに行く、と答えた。

「じゃあ柊に声かけとくから、西園寺さん誘っておいて」

花菜は快諾した。


教室への帰り道、穂高は深山を見つける。

「柊!」

深山は穂高の方を振り返る。

「穂高」

「なんか体がムズムズするから剣道場で自主練しようと思ったらさ、早田も自主練してた」

穂高が笑いながら言うと

「剣道バカだよな、二人とも」

やれやれといった顔で深山は言う。

「それだけたのしいんだよ、剣道は」

穂高はニヤッと笑う。


「今日、4人で昼行こう」

深山は「分かった」と返事をする。


放課後


「花菜、帰ろ」

深山が花菜をクラスまで迎えに来る。テスト前1週間から部活がないのはさみしいが、深山といつも一緒に帰れるのは嬉しかった。

深山と花菜が付き合っていることは皆知っているが、今でも深山が来るとクラスがざわつく。

「うん、帰ろ」

「勉強してく?」

「して帰りたいけど席あいてるかなぁ」

テストが近いということもあって、どこも席は埋まっていた。

花菜はもう少し深山と一緒にいたかったが、勉強もしないといけないしとあきらめる。


「深山君、この前わがまま言ってもいいって言ってくれたよね」

「うん」

「じゃあわがまま言っていい?」

「なに?」

花菜は手を差し出して、手をつなぎたい、といった。

「わがままにしてはささいだな」

と深山は差し出された花菜の手を握る。

駅までの10分が、幸せな時間になる。

「今日も勉強頑張れそうな気がする」

花菜が嬉しそうに言うと、深山は優しく微笑んだ。


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