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作者: 梅霖




ぱちん。

と泡が弾けたような心地であった。


「うむ.........うむ?」



泡が弾けたというのは水面へ昇ったからであり、つまりそれまでは水中を揺蕩っていたわけで。

このような忘我は、吾輩には幾久しいものであった。

知らず織り込まれていたらしい、やがて一つのエンディングに終止する茫漠な流れに、うむうむと頷く。


稀有な経験であったぞ、『アイテムショップのお兄さん』




「うむ、...うん。飽きた」



であったが、まあ、うん。

つまらん。



「飽きたぞ」










醒めてしまえば泡沫は儚いもの。

今までは漲るやる気と迸るハイテンションでなんとなく楽しくやってきたが、今の吾輩にそんなものはない。


趣味ではないピンクエプロンを外し、髪ゴムをスルリと外せば両脇に落ちる黒髪。漆黒のローブを引っ張り出せばいつもどおり。


「うむ。やっぱりこっちが落ち着く。吾輩って気がするのであるぞ」


ばちこんと鏡に向かってウインクすれば、瞳が深淵の蒼になる。

あっ、久々だから調整ミスった。






忘我のうちに抱えていた不良債権に気づいた吾輩は、さっそく取り立てに行くことにした。



恋愛遊興の一助となったことに異存はないが、それはそれ、これはこれ。

こっちだってボランティアではないのである。


慕う相手の耳に美しい声にするための、あの泉の滴。見るもの魅了する瞳にするための、あの宝玉。

秘境巡り土産をじゃんじゃか使った数々の『アイテム』。


これまでは謎に湧き起こるボランティア精神でタダ働きしてきたが、もうその神秘は絶えた。もう飽きた。

アイテム『ショップ』だというのに、一度も真面にお代を払われた試しがないとはこれ如何に。少なくとも見合う対価ではない。


まあ作って、売っちゃったものは仕方がない。

買っちゃったのも仕方がない。

吾輩は悪徳高利貸しではない。利子もいらないし後払いでいいから、とりあえず対価は払って欲しい。



子供が借金をしたなら、まずはバックの親に申し立てるのは当然である。


吾輩は教会にいた。






***






「神の遊戯も難儀なものよ。盤上を整えるのに苦慮するのはわかるが、駒くらい自分で用意するのである」


気持ちに寄り添う素振りを見せる吾輩だが、相手は無反応。

もうしょうがないからズバッと言った。


「世界一の大魔導師たる吾輩を、手っ取り早くご都合解決要員にするとはどういうことだ」


応答はない。そんなに支払いが嫌か。

流石にイラッとして()()みたら、野郎まったく取り合う気がない。

とんだモンスターペアレントである。これには吾輩も怒った。


「いい年して夢見る乙女向け遊戯にハマるなどなんて神だ! 下世話なやつめ! もういい! 貴様の大事なヒロインに直接取り立ててくれる!」




ローブを被り直して大聖堂を出たところで、回廊を走ってくる一団と出くわした。


「うむ? なんぞあったか」

「侵入したのです、あ、悪魔が、大聖堂にも平然と入り込む強大な悪魔が...!! おお神よ我らをお救いください...奴は一体どこへ...」

「たぶんあっち」


ふーん。大変であるな。


吾輩が指した方向へ、神官と教会騎士たちは駆けて行った。

いや、良いことをした。たぶんあっちで合ってると思う。

だってあそこ、吾輩が売った、この教会のイケメン青年神官を魅了するアイテムあるし。




「............あれ? 今話したのは一体...」


神官は遅れて、さあっと顔を青ざめさせた。






大聖堂でああは言ったが、払えない相手に取り立てるのは、うーむ。吾輩は悪徳請求者ではない。

ヒロインは主演であるが、エンターテイメントはこの国全体。

この国家を盤上とした遊戯であるから、国に取り立てるのが筋であろうと、エンターテイナー吾輩は王宮へ向かった。



「たのもーう!」






***






────ごうッ、と風が吹き込んだ。


嵌め殺しの、締め切られたステンドグラスからである。

しかし確かに一陣の風が空間を洗い流し、重厚なカーテンを大きく翻した。



遥か高くの天井装飾に靴をつけて、彼の()()は立っていた。

荘厳なステンドグラスの光を背に、長い黒髪が揺らめいている。顔は逆光で見えない。

だというのに、不思議と、陰に煌々と照る底知れない蒼の瞳はよくわかった。




謁見の間にいた全員が息を止めて、この明らかに人ならざる男を見ていた。




ズル、と滑る音がして、王子が床に落ちる。腰が抜けたのだ。

王笏を握る王の手が、ぶるぶる震えている。権力者であるからこそ、この悪魔じみた超常の存在、あるいは神の裁きが、自分に罰を与えに来たのではと思うと恐ろしくてたまらないのだ。

もはや誰も、アストレイアの断罪など意識にない。


アストレイアも、かつて慕ったはずの王子の醜態も頭になく、倒れ伏していた床から身を起こしてじっと男を見ていた。



唯一、さっきまで王子の腕にいた少女だけが、フラリと踏み出した。

声も出せず血相を変える人々の前で、少女は無神経に、フラフラとステンドグラスに近づく。

口をあんぐり開けて、震える指で男を指して、何かを知っている様子に人々の視線が集中する中で。

少女は言った。


「あ、アイテムショップの人......!」



誰?







「うむ。いかにも。吾輩はアイテムショップのお兄さんである」


いい感じに荘厳な声が出せたことに満足し、吾輩はふわりと降り立った。


「えーッ!? アイテムショップの店員とか、モブキャラじゃないの? こんなイケメンだったんだ!?」

「メガネ外したら美形はてんぷれであるぞ」

「は? なんでキャラがそんなメタいこと言うわけ? てかこんなシナリオあった?」


正確には元店員、と訂正しようとしたところで、この遊戯の主役たる我が上客が、近くにいた衛兵に取り押さえられる。

何やら口を塞がれながら話しかけてくるが、さっぱりわからん。



とりあえず吾輩は当初の目的を果たすことにした。

気を取り直してもう一回。


「吾輩は、貴様らの遊興に恩恵を与えた、アイテムショップのお兄さんである。対価を貰うときが来た」



...しん、とあたりは静まり返った。


そこに、バァン!! と扉を開け放つ音がして、緊迫した沈黙が崩れる。

口から泡を吹かんばかりの大神官が、入り口で息を切らして叫ぶ。


「あ、悪魔が、大聖堂に侵入した悪魔が、王宮に向かったと...! 警告...を......」


やがて言葉は力を失い、血の気の失せた顔で、大神官もまた男を見た。




むむ? なんだこの反応の悪さは。

もうちょっとレスポンスが欲しいのであるぞ。ちょっと困る。


しかしまあゆっくり待てばよかろうと、吾輩は再度請求した。



「さあ。対価を」




......立ち上がったのは、アストレイアだけだった。

この場の呆然自失の隙に、一度は地に押し付けられた体を持ち上げる。

背後から制そうと手が伸びるが、アストレイアを取り押さえていた衛兵たちは腰が抜けて、追い縋れない。



「僭越ながら、わたくしがお話を伺いたく存じます」


冷ややかな謁見の間でたった一人、アストレイアは優雅にカーテシーする。


「アイテムショップ、なるものに属されるお方が、どのような権能を持つのか知らぬ我らの浅学をおゆるしください」



こちらを向いた男、少なくとも男の姿をしたものの、見えざるものを見るような蒼眼。

自分を目にした途端発せられた得体の知れぬ輝きは、気にしないふりで、震える背筋を叱咤して、アストレイアは優美に微笑んだ。

怯え、縮こまる者たちの中で、罪人であるはずのアストレイアだけが、唯一。



この男は超常の存在であり、この男が口にしているのは人の計り知れない事象であると、既にアストレイアは気づいていたからだ。

己の罪も、裁きも、その真偽も、こうなれば何の意味も無かった。もう自分の先行きなど、とっくにアストレイアの中では矮小化されていた。


この強大な存在の前で、如何に賢く振る舞うか。


今、重要なのはただそれだけであり、それを果たし抜くのがこの場に居る者の務めであるはずだ。



────そういう、美しい女なのだ、どのように生きようともあまりにもその生き様は




「────────ハッ!!!」



というところで吾輩は正気に戻った。


「あー、えー、ゴホン。すまぬな。ちょっと別の時空に意識を飛ばしていた。無視したわけじゃないのであるぞ。それで......」


なんだったっけ。

あっ、うむ。アイテムショップ。


「良いぞ。かなりマイナーな身分であるしな。それにアイテムショップはもう閉店した」

「左様でございますか。では、あなた様をどうお呼びすればよろしいでしょう」


どう...どうお呼び...。渾名...。


「うーん、うーむ...あ、そうだ。一番最近では深淵に潜む者と呼ばれていた」



洞窟に引きこもって研究三昧していた時分の渾名である。




大神官は、ヒュゥッと奇妙な息を喉から漏らした。


「し、深淵に潜む者......!?」


声音はひっくり返り、パニックに顔を歪め、視線がアストレイアを囲む一団の一人に飛び付く。

銀髪の、年若い青年神官だ。


「お、お前のせいだろう!!!」

「なっ、どういうことですか!」

「今しがた、お前の心を歪める呪具が教会から見つかった。お前を誘惑するものだ! 神に仕える者でありながら、誘惑に従っただろう! お前が、お前の心の弱さが、城にこ、このような、このような者を呼び込んだのだ......!」


大神官の顔は、もはや狂相だった。

目の前の事態から目を逸らし、誰かのせいにしたくて堪らないのだ。誰かを生け贄にして、それだけで脅威は収まるのだと安心したい。

たった今瑕疵が見つかった、しかも自分の下にいる青年神官は、ちょうどいいターゲットだった。



しかしこれに声を上げたのは、青年神官よりも王子が早かった。


「なんだと! 大神官、お前までアストレイアのようなことを言うのか!!」


狼狽えながらもよく通る声で、王子は一喝した。

これは現状の深刻さを認識しているというよりも、直前の怒りが吹き返しただけだ。思考停止しているからこそ、理解範疇の話題に反射的に飛びついた。



一方王は、神官たちも、息子とそれを取り巻く貴族令息たちも、誰も見ていなかった。

ただ心臓をバクバクいわせて、己の怯弱な脈動にだけ耳を傾け、男の姿をとるものに目を釘付けにしている。

唇の上に汗を滲ませ、震わせる。


「む、...息子を差し出す。過ちを犯したのは息子だろう、私は...私はこの国の王だぞ!!」

「ッ父上!!!」




神に背く理の探求者。得体の知れぬ、古き経典の異教徒。

焚き火の傍の寝物語で語られる、お伽噺の大魔法使い。


今では不敬虔者の代名詞にもされる呼称が飛び出て、怯え惑い醜く足掻く人々────というのを、当の本人はボンヤリ眺めている。


はやく終わらんかなぁ。




「殿下たちが邪な術で惑わされていると、わたくしは申し上げ続けました」


この不毛な争いにピシャリと終止符を打ったのも、アストレイアだった。


「......今はもうせん無きこと。わたくしたち皆が過ちを犯しました。その結果、この方をお招きした」


なんとか本題に持っていけそうな雰囲気に、吾輩はグッと拳を握りしめて応援する。

そうだそうだ!


アストレイアは、フッ、と短く息を吐いた。

それだけで、震えも、惑いも消して、深い紫の瞳が凛と見据える。


「ご要望をお聞きしましょう」



吾輩はこっそりガッツポーズした。



「この国の至宝が欲しい」


というのもこれを欲していた。



良心的借金取りたる吾輩は、まずはローンかなぁ、くらいの腹積もりでのお礼参りであったが。一括返済手段があるなら話は別。


良いもの持ってるではないか、この国!!!


ビビッときた。一目惚れフォーリンラブである。

パケ買い、衝動買い、大いに結構。真に手に入れる財と力有する者の、大人買いを笑うでない。一発落札であるぞ。

ましてや吾輩、目利きには多少の心得がある。改めて眺めようにも......



良いもの持ってるではないか、この国!!!



二回目だ。

それほどまでの感嘆であった。


このようなものが国に在ってなぜ、どうしてこれを隠し通せた??

なんで誰も吾輩に教えてくれなかった......?


客との心理的距離を感じた。要反省である。

と思ったところでもはや、吾輩はアイテムショップのお兄さんではない。恐ろしきかな職業病...。




「先に述べた通り。吾輩は貴様らに恋の魔法をかけてやった、アイテムショップのお兄さんである。国中がコンテンツとして消費したこの青い春、学園はっぴーらいふの功は、吾輩の商い上手にかかっていたとしても過言ではない。ご愛顧ありがとうございました」


未だ取り押さえられている上得意を見つめ、吾輩はニコッと笑う。

そして言う。


「しかし、少々負債が溜まっている」


その後、やっと本題を言ってやれたことにニコニコして、王を見た。


「だが、吾輩は払えぬ者に無理を通しはしない。そこで、責任者へお伺いに参った次第である」




見つめられた王は、じっとり脂汗を滲ませ、縮こまっていた。

狼狽え、しきりに王と男に視線を行き交わし、口をパクパク開閉するのは大神官の方だ。


というのも、男は、何やらこの小娘が支払えぬものを王に要求するという。

ということは、仮にそれを王が支払えなかった場合、この場で第二の権力者である自分に対価を求められる可能性もある。

王に注意が向いている今はまだいい。それだけは、何としてでも避けねばならなかった。



「───王よ、魔の者の言葉を聞いてはなりません!」

「むっ。えっ」


そんなやついた? 見回してみても魔の者何某は見当たらぬ。

えっ。吾輩の話か?


「た...確かに、殿下やこの若者たちは、甘言に誑かされもしたでしょう。しか、しかしその咎を我らにまで押しつけるのは、詭弁だ! さ、策を弄されているのです!!」



と突き付けられた震える指を見下ろし、三秒。

ぽく。ぽく。ぽく。


「...ん?」


チーン。

......あっ、これ吾輩待ちか。


「甘言、であるかぁ。そんなもの弄するまでもなく」


特に吾輩に、貴様らのようなご年配の同性に甘言を弄する趣味は無いため、そこのところの認識はきちんと改めたい。

しかしてこの場のいろんな人々を眺め、なんとも生温い心地になり口を開いた。如何せん、


「美しい女を国を挙げて責め立てて、楽しかったであろう?」


これに尽きる。


「下賎な民草の足元へ高貴な女をつくばらせて、楽しかったであろう? うん?」


吾輩は優しく促した。

イメージは『先生に正直に話してみなさい』の顔。

何も言わぬ者どもに頷く。うむうむ。

言わなくとも視ればだいたいわかる。



「抗おうと思えば、抗うこともできたのだぞ。一人抗った末、そこで罪人とされている女のように」


蒼が深々とアストレイアを覗く。


「吾輩が求めるのはこの国の至宝」


それから視線は王に戻った。


「この国の何よりも換え難い宝だ。失われれば千々に瓦解し、国として成り立たなくなってしまう程の」




視線に縫い止められた王は、瞬きもせず、雷に撃たれたように動かない。

ただ、どうにか、ガクガク揺れる手で王の指輪を引き抜きかけ──あ、まさかこれ吾輩に渡そうとしてる? と気づく。


「いらぬ」

「お、王笏を...」

「いらぬ」

「で、ではなにをッ」

「──この国の子供たちは差し上げません」


声が発せられる一瞬前に、蒼眼はそちらを向いていた。

アストレイアは憶さず、それを真正面から見返していた。


「この国の未来に生まれる命も差し上げません」


アストレイアは揺るがない。

──つまり、この女にとっては間違いなく、それらが至宝に違いないのだ。


「この国の教育権は差し上げません。交戦権は差し上げません。信仰は差し上げません」



アストレイアが次々と話す間、自分たちから注意が逸れている隙に、王と大神官は震えながら目を見交わし合う。

王が俯き、大神官がその頭から王冠を取った。

この国の王位交代の際の、継承の作法だった。


しかし手汗に濡れた手では、それを目的通りに運ぶ前にズルリと滑り、王冠は床を

────転がる前に、アストレイアがそれを蹴り飛ばした。

男の手に届く前に、遠くへ。



「この国は差し上げません」


謁見の間の隅々にまで澄み渡るような、腹の底からの声だった。


「な、王でもなく、何を勝手なことを...!」

「お黙りなさい」


アストレイアは、人生に一度も出したことのないような、冷徹で断定的な声を出した。

しかし一切の後悔は無かった。驚きも無かった。


「この国は、差し上げません」


もはや他に一瞥も惜しまず、アストレイアははっきりと、自分に注がれる蒼だけを見ている────ああなんと、嬉しい。



「...吾輩が求めるのは国ではない。国の至宝だ」

「ではどうぞ至宝などと曖昧にはせず、お望みの対価に、名前を付けてください」


さもなくばアストレイアは頷かない。




「アストレイア」

「はい、」


なんでしょう、とまで口にしかけたところで、アストレアははたと言葉を止めた。

なぜ名乗ってもいない名を知られているのだろう、と疑問に思ったためだ。


「吾輩は⬛️⬛️⬛️⬛️だ」

「⬛️⬛️⬛️⬛️様ですね」

「よろしくおねがいします」

「......はい、よろしくお願いいたします。⬛️⬛️⬛️⬛️様」


アストレイアは怪訝そうにしつつも、ひとまず挨拶を返す。


「アストレイア」

「はい」

「それはお前の名であるな?」

「ええ、」



吾輩は、用心深く周囲を見回した。



押すなよ絶対押すなよ、のアレだったりするのではと危ぶんだのだ。後で盛大なフリでしたとかならんのであるか? ちょっと怖くなってきた。

良いな? 良いのだな?


などと疑わしく、王やらなんやら見てみたところ。

確かに音でありながら捉えられぬ()()()の音韻を、さも当然に口にしたアストレイアを、蒼白になって見つめる顔しかない。


己に降りかかる災をアストレイア一人が被ることを期待して、女の陰に縮こまっている顔。顔。顔。



「アストレイア」

「はい。アストレイアにございます」


試みとして、人差し指を立てる。ビクッてされた。

それをそーっと伸ばし、つん、とアストレイアの頬を突いてみる。

若干の戸惑いの後、迷惑そうにされる。しかしその他の野郎連中、うんともすんとも言わぬ。むしろ己に向かなかったことに安堵している。

え? いいの?


「よろしくおねがいします」

「...よろしくおねがいします?」

「大事にします」

「至宝を大事にしていただけるのは結構なことですが、一体なにを」


そのまま下ろした指を、アストレイアの髪の毛先に引っかけてみた。反応なし。

にしてもツヤッツヤであるな。ツヤッツヤである。

ビックリして少々毛先を指で弄った後、そのまま、軽.........ぅく引いてみる。いいのか。これはいいのか。

アストレイアは抗わず寄ってきてくれた。


お、おおお!

何やら、仔猫に初めてちゅーるを手ずから与えた瞬間のような。言い知れぬ感動を覚えたのである。

吾輩はこっそり周囲を窺い見る。


......いいのであるか~~~!!



むっ? あれ、もしや本気でこの国の至宝がなにものかわかってない。



「アストレイア」

「...はい、先ほどからどうしてわたくしの名を──」

「お前が名付けよと言ったのだぞ」


吾輩は髪の毛を手放した。

代わりに本体を掴んだ。


「っえ、」







男ははるか高くの天井装飾から見下ろしていた。天井の薄暗がりに、深々と底知れぬ蒼眼の輝きが滲んでいた。

最初と違うのは、その腕でうろたえ困惑するアストレイア。


「この国の至宝、吾輩はしかと受け取った、ありがとう! 返品拒否!! 後は貴様らの自己責任!! ではさらば───」




ふはははははははっ



────ごうッ、と神秘の風が吹く。



閉め切られたはずのカーテンが大きく煽られ、射し込まぬはずの陽光に満ちた空気が高笑いを木霊させた後には、幻のように何も残らなかった。




至宝を寄越せと言ったくせに、一つとして、国庫に大事に仕舞われる煌びやかな宝は奪われていない。

あの埒外の魔導師が、たかだか罪人の女一人に満足して去ったことに、謁見の間の王侯貴族たちは深く安堵した。






***






「────はははははははは」



気づけばアストレイアは大笑いする男に抱かれて、空を突き抜けていた。

突き抜けるとは文字通りの意味で、白い雲の海原さえ、目眩がするほど下にある。



「っ、これは! 一体これは、どういうことですか!」


こう言うのもやっとだった。強風が吹き付け、大きく髪を掻き乱す。

というようなアストレイアを、一人だけ無事な男は驚いた顔で見下ろす。


「あっ、すまん」


ピタリと空が停滞した。



猛スピードで空を駆けているのは変わらないはずなのに、風が消えた。

突如時を止めたような空を、アストレイアはビクリとして見回した。雲さえ揺らがない。ただ抜けるような空の情景が、静かに青を描き続けている。


そんな絵画じみた世界で、急にスンとテンションを落とした男が、突然言う。


「わかっている」

「......。」


アストレイアは口を噤み、男の真剣な表情を窺った。

男が何を指して『わかっている』と言ったのか、推し量ろうとしている。


先ほどの交渉は、これでけりがついたのだろうか。結局至宝については曖昧のままにされたけれど、アストレイアの身一つで、国から手を引いてくれたのだろうか。

そのような自分の煩悶が全てわかっていて、何らかの気紛れを起こし、応えてくれるのならば。そうだったらいい。


全てはこの存在の出方次第。

そんな思いで、アストレイアも真剣に、続く言葉を待って。


「略奪婚が世の流行りでないのはわかっている。ば、挽回の余地を...」

「あ......」

「あ?」


噤んでいた口が唖然と空いた。



「...なたとは会ったばかりで......」


会ったというか遭ったというか。




りゃくだつこん。略奪婚?


りゃく、りゃくだつ...略奪婚。



または誘拐婚。求婚者が求婚相手を誘拐することで結ばれる婚姻関係。

または......先んじて恋愛関係、またそれに準ずる契約関係にある者に、後から手を出して、結ばれる...婚姻関係。


国の至宝とはどういう意味で、なんの意図があって自分を連れてきてと、いろいろと思い巡らせていたけど、それはつまりそういう意味で。




アストレイアはいろんな現実を受け止められず、グルグル目を回しながら、なんとか言った。


「わたくしを、あ、愛してもいないでしょう」


フッ、と男は黙り込む。



ゴウッと局地的に風が渦を巻き、静止していた空で男の髪を逆立てた。


「確かに......!!」



黒い火柱のようなその様を、アストレイアはやや引き気味で見上げる。


「吾輩がお前を愛していないことを忘れていた!」

「忘れられることでも、ないと思いますけれど...」


ふわりと浮力を失った黒髪がアストレイアを囲むように落ち、目まぐるしく色を変える蒼眼が覗き込んだ。


「現在時間の自己を見失うほど誰かを愛する未来に魅了されるのは、それは現在の愛とも呼べぬか? 吾輩的にはこれは未来視・過去視・平行世界の透視も交えた一目惚れの一種と考えているのであるが、どう思う。一目惚れはいつから愛に変わる? 時間が恋を愛に深めるとして、時の流れを越えて得た智はどう判断される? 恋と愛との境界はどこだ?」


こんなふうに一気に捲し立てられた言葉を、アストレイアはもちろん聞いてなんかいなかった。

おまけに男はこんなことを言う。


「愛とは何だ?」



伝承上の人物が母国を相手に駆け引きを仕掛けてきて突然自分を拐ったと思ったら、哲学的な問いかけをしてくる。

アストレイアはまじまじと目の前の男を見つめた。

よく見れば美しい顔をしていた。


アストレイアがそう思った瞬間、なぜか目の前の男は照れた顔をした。


それから、まだ質問に答えられていないのも気にせず沈黙し、深遠な表情でしげしげとアストレイアを見てくる。


「吾輩もアストレイアの容姿を非常に好ましく思っている。それは確たる事実」


と思ったらまったく深遠でないことを考えていたらしい。

しかしそれで男は納得がいったらしく、満足げに笑んで指先を上げた。


パチン、と指を鳴らす。


「エクストリーム一目惚れ」

「えくすとりーむひとめぼれ」


星が降った。


「これを恋としよう」


気づけばあたりは星の海だった。男の瞳のように曖昧で解き明かせない夜が、指音一つで広がっている。

なぜなら、恋をするには夜がロマンチックだからだ。


あと単純についうっかり成層圏を越えていた。テンションが爆上がり過ぎた。危ない危ない......




「......よし。大気圏に戻ってこれたぞ。戻ってきたぞアストレイア! 新居はどの大陸がいい? ここからよく見える。それで......あっ。うむ。吾輩はまだお前を愛してはおらぬが」


男は空中でゴソゴソ動いて、片手にアストレイアを抱き込み、もう片手を空けた。先ほど、指を鳴らすために一瞬離したのとは違う。

そしてその手で、アストレイアの手を掴み、自分の左胸に当てさせた。



「いずれ愛になる」


ドク。ドク。ドク。

アストレイアの左手の下で、大きな鼓動がある。


「......な、」

「12回家庭内で冷戦が起き、2回吾輩が土下座して謝ることになり、37回凄まじい大喧嘩をする。あっ、今38回に増えた。まあ誤差である」

「なにを、言って、」

「つまり、幾つもの苦難を乗り越えて結ばれる、素晴らしい夫婦となるのだ」



手首を掴んだ手の、男の長い指がさ迷って、小指がそっとアストレイアの薬指を擽った。



「吾輩と幸せになろう」




言葉を失くしたアストレイアを見て、どういう訳だか、そこにアストレイア自身には見えないものを見て。

誰にもされたことがないくらい、男は優しく笑った。



「吾輩には()()()いる。これは予知だ」




最初に調整ミスっちゃったからなぁ、今日は特にキレッキレであるぞ。あっちこっち覗いてしまう。実はコレ、全編通して吾輩の一人称小説なのである───



などという言葉は遠く、アストレイアの耳にも入らなかった。聞こえたとして、理解もできなかっただろう。

今の状況を飲み込むのでいっぱいいっぱいだ。



腰に回る腕の強さと、空で風に溶け合う自分と男の黒髪、自分を見つめる瞳の奇妙な──本当に奇妙な──深さと熱っぽさばかりが、この非現実的状況で、妙に現実的だった。


人は誰かをここまで力強く、抉るように、魂までひっくり返して検分するように見れるのかと。そんな、見返すだけでアストレイアを天まで昇る心地にするような、本当に奇妙な目だ。

実際に天まで昇ったし。


その目はヒリヒリと熱く感じた。抱かれる腕も熱かった。

手を着いた胸も熱く、ドクドク脈打っていて、アストレイアの速さと同期していた。


もしかしたら本当に、これは人の枠を外れた眼差しなのかもしれない。

人の枠を外れた求められ方なのかもしれない。


このおかしな魔法使いは、これで精一杯、愛を囁いているつもりらしい。


そしてまた、おかしな魔法使いはおかしなことを言う。




「確かに今愛しているとは言えんが、やはり吾輩を信じられぬお前が出て行こうとするときには、泣いて縋るくらい愛するようになるぞ。三日後だ」



まったくその通りになった。






***






「結局、本当に、あの国の至宝とはわたくしのことだったのですか」

「違う」


ふと思い出して問いかけたアストレイアに、夫は目も上げずに答えた。


「正確には、もはや違う。あの国にとっての至宝とは、国母となったお前であり、お前が産み育てた子だった」


手元で作業をしている。


「あの場で断罪が下ろうが、下るまいが、いずれお前を国母として祭り上げねばならぬ日が訪れた。あのバカの集まりでは国が回らん」


今は、思うような塗料の色が出せないことに悪戦している。


「そして、お前は子を産む。お前は献身的に国を統治する傍ら、愛情深く子を育て上げる。彼、また彼女は、お前に似て強く、賢く、愛を解する人間になる」


次に、なんだか細かな彫刻刀で、緻密な模様のようなものを掘り出す。

何かまじないを呟いている。

アストレイアは飽きずにそれを眺めた。


「とても美しいぞ。どれだけ国が黄昏に沈もうとも、お前は決して手折られぬ一輪の花であるのだ。どれだけの汚濁を被ろうとも、固く殻に守られた一粒の真珠なのだ。

で、吾輩はお前に惚れた」

「はい.........はい?」


ここで初めて、⬛️⬛️⬛️⬛️はヒタリと目を上げてアストレイアを見据えた。

これまでうんうん相槌を打っていたアストレイアも、ここで動きを止めて首を傾げた。


心当たりがない経緯で惚れられたなどと言われたら、首を傾げるしかない。




ついに満足のいく色を作り上げた⬛️⬛️⬛️⬛️は、塗料を塗ったそれを陽当たりの良いテーブルにコトリと置いて、立ち上がり────


「かわけ!!!」


唐突に棒立ちになると、テーブルに置いた木片を指差し、そう宣言した。


「うむ。良し」


乾いたらしい。


⬛️⬛️⬛️⬛️は満足げに頷いて、いそいそとこちらに寄ってくる。楽しそうでよろしいわね。




「そして、子供は王になる」


⬛️⬛️⬛️⬛️は背後からアストレイアを抱き込んだ。

話の続き。あら、忘れていなかった。


「そして国を救う」


慎重に後ろから回ってきた大きな手が、鳩尾のあたりで、それより一回りは小さなアストレイアの手を包む。

話しながら、⬛️⬛️⬛️⬛️はアストレイアの手の甲を柔らかく撫でた。


「今国で四苦八苦している愚か者と、お前の子が同じなわけなかろー? パパッと賢政を敷いて問題解決であるぞ。有能なのだ、それに統治の才もあった」



まるで見てきたように語るが、⬛️⬛️⬛️⬛️が見ていないはずのものを見たように振る舞うのはままあることで、わざわざアストレイアは疑問に思わなかった。

それよりも。遠く見透かすような眼差しで、存在しなかった世界の、それも自分が父親ですらなかったはずの子供を、誇らしげに語る⬛️⬛️⬛️⬛️に、胸がじんわり温かくなるように感じる。

ただ、お前の子であるならば、と。



「どうにもならず苦しみ喘ぐばかりの状況で、魔法のごとく民を救い上げるお前の子は、まさしく国の至宝であったろう。慈悲深き統治者、民の救い手。百の言葉で称えてもまだ足りぬ。彼の君こそ、国の最も価値ある宝」


この世には無い、何かの詩歌の引用のようだった。

遠くへ馳せた眼差しで朗々と言う。

しかしすぐに、かちりと眼差しの色を現実に定めて、ニヤ、と⬛️⬛️⬛️⬛️はアストレイアに笑った。



「だがもはやそうはならん」

「ふふ...」


髪の毛を指に救われ、くすぐったくて身動ぐと、さらに深く腕に引き込まれた。

何度も、丁寧に、指先で髪をすかれる。『ツヤッツヤであるな...』という呟きがする。

とん、とこめかみに人差し指を当てられた。


「お前から受け継いだ賢い頭は、吾輩の魔導を受け継ぐために費やされるのであるからな」




それから手は下へおりてきて、また、アストレイアの手の甲を覆った。

そのまま、熱を分け与えるように擦られる。

直接触れられもしない、アストレイアの掌越しの、臆病で優しい手。


「好奇のまま神秘を探究し、神の思惑に左右されぬだけの力を身に付ける。空を飛ぶ鳥よりも、海を泳ぐ魚よりも、この世の何より自由な子だ」




それから時を失ったように、しん、と⬛️⬛️⬛️⬛️は言葉を忘れた。

実際、この規格外な夫にとって、時間というものがあまり意味を成さないことは、今のアストレイアにはもうよくわかっていた。このような瞬間はたくさんある。


感じるのは、庭の木々がさやぐ音と、背中に伝わる鼓動。


眠たくなるような沈黙に浸って、自分のお腹を撫で続ける夫を、白い花の咲く木の下で眺めていた。

木漏れ日が頬に当たり、黒髪の毛先がそよそよと風に揺れている。白く小さな花弁がほろりと散って、緑の地に落ちる。

枝下で音もなく揺れるのは、真新しい木材の、小さなブランコ。


このまま声をかけなければ、この人は本当に、いつまでも、このままの体勢で満足してしまえるのだろう。

それも、アストレイアはよくわかっていた。当たり前のように、そう信じている。


こんな時間を、自分が過ごす日がくるなんて、思ってもみなかった。




ゆったりと撫でながら伏せる⬛️⬛️⬛️⬛️の瞳は、目まぐるしく色を変え、さまざまな濃淡の青に次々移り変わっている。


あるときから、⬛️⬛️⬛️⬛️はこのような目をするようになった。

アストレイアの腹が膨らみ始めたのは、そのすぐ後だ。


『吾輩はバージンロードを歩きたくない』と号泣しながら二度とないと宣言したこともあったのに、数日後にはもう堪らなくなって、いつしかこの目で遠く思いを馳せている。

あれもこれもと視るのを欲張るから、こんな忙しい色になるんでしょう。

まだ生まれてもいないのに、気の早いお父様だこと。



「玩具の完成は、あと少しですか?」


これでハッと気を取られた顔になって、⬛️⬛️⬛️⬛️は机に置いてきた、アストレイアには木彫りの人形にしか見えない玩具に視線をやる。

アストレイアが声をかければ、我には返るのだ。


「いや。この後第四形態から最終進化まで組み込ませ、八足歩行で地を走らせ、眼から虹色の光線を出させねばならん」

「......なぜ? どのように?」

「わからん」


⬛️⬛️⬛️⬛️はキッパリ無知を認めた。

それでも視線は、人形に注がれて外れない。本人もわからない物の構成を真剣に考えている。


「だが、これを喜ぶのだ」

「喜ぶのですか?」

「ああ...」


瞳にじわりと明るい碧が滲むと同時、ほんの一瞬、⬛️⬛️⬛️⬛️の口元は綻んだ。


「...笑っている...」




そうですか、という言葉はなんだか声にならなくて、きっと⬛️⬛️⬛️⬛️には届かなかった。

溜め息のように小さく笑って、後ろへ身を捻って、アストレイアは目の前の肩に手を添える。

爪先立って。


踵を落として、呆然と頬を押さえる夫を見た。

青い閃光が走ってから消え、アストレイアと見つめ合う蒼は、確かに今の時間を視ている。



「今のは、予知で視えましたか」

「............いや」


至近距離で見下ろす目は、ビックリして丸く見開いている。


「では、次に起こることは?」



またチカッと深淵の蒼に光が走ったと思ったら、⬛️⬛️⬛️⬛️は一瞬沈黙する。


「いや。わからん。まだ起こっていないことであるからな」


堂々と言った。下手くそな嘘だった。




「うふふ。じゃあ、教えて差し上げますわ。あなた」


ドキドキした顔で待っているのがかわいくって、こちらに屈んでくる肩に触れて。アストレイアはもう一度、夫へ背伸びをする。

今度はちゃんと、唇に向かって。




⬛️旦那

魔術たのし~~! ってしてるうちに人間やめてて、魔導サイコ~~!! ってしてるうちに寿命という概念に飽きたので捨て、神秘の探究おもしろ~~い!!! ってしてるうちにカミサマに目をつけられた。

でも最近、いつ老いて死ぬかは妻の好みに合わせようかなと思っている。

いろいろとヤベー魔導師。



⬛️アストレイア

作中で旦那がいろいろ惚気てるのがだいたいソレ。泥中の蓮、掃き溜めの鶴。

政治手腕に優れた女傑であり、愛情深い賢母であり、時代の陰に隠れた不遇の女君主。不幸にまみれながらも強く華々しく生涯を閉じ、数百年後とかに肖像画が爆売れする絶世の美女。

にはならない。

今後は虐げられながらの国の舵取りよりも、元気いっぱいな夫のリードを握ることになる。



⬛️子

母を不幸に追いやった父を恨み、国を恨み、それでも歯を喰い縛って民のために立ち上がった孤独な天才。母を真似て計算された慈悲深き賢君。

にはならない。

他いろんな世界線の父親はほぼほぼ役に立たず、わりと不遇な幼少期が多いのだが、そんな分岐ルートは全部ブッ潰されハイテンションな父と魔術ウェーイ!!! ってして過ごすことになる。



⬛️国

ロマンス大流行な王侯貴族。

と、無知の盲目に追いやられ、耐えて救いを待つだけだった民たち。

にはならない。

今頃どったんばったん大騒ぎ。革命いえーい!

アストレイアはめちゃくちゃ美談になってる。




⬛️いい歳して恋愛遊戯にハマったゴッド


コレめっちゃ神ゲーや!!ウチの世界で再現したる!!!

やっぱ原作知ってるヤツ主役に据えたら再現度高くなるやろな。おっ!やりこんでるプレイヤーおるやんけ。

コイツの魂引っ張ってきてヒロインちゃんに突っ込も!

つか細かい調整めんどいわ、ゴッドパワーにミクロの世界はキツいで。

せや!なんか生意気に人間の枠飛び越えてきやがったあそこのチート魔導師、修正力にリクルートしたろ!

ええ?エンディング入った瞬間あのご都合解決魔導師、ウチのゴッドパワーブッチしたんやけど......コワ......。

でもまあ断罪まで見たしもうええわ。




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― 新着の感想 ―
[一言] 飽きっぽい神様だなぁ
[一言] すごくメタっぽくかつSFじみてて良き良きでした!神様ブッチして債権回収してくるの、ただしいわ~。悪魔でもないが神でもない、世の理から外れてるけどたぶんヒト、な案配がいいですね!ツッコミがいな…
[良い点] アストレイアが空へさらわれてからの描写にすごく迫力があって、すごい魔法使いのすごい魔法使い感がひしひしと伝わってきて本当に面白かったです!
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