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短編小説「サツマイモの家族」

作者: アシカ
掲載日:2023/04/22

はじめに


この話は、畑仕事「サツマイモ」を育てているときに思いついた。


私の完全なるフィクションである。


誰かに聞いたこととかでなく「サツマイモ」になって人間として考え生まれた文章を綴っていきます。


1 サツマイモの種


わたしは、去年採れた立派のサツマイモよ。


食べるのもよし。


煮るのもよし。


石焼にするのもよし。


家族たちは、みるみる人間の一体になっていく。


ああ、私はどうやら取り残されてしまったサツマイモ。


土がやってきた。


新芽の準備に入るわ。


痩せていてもいいけど、湿度は多めがいいわ。


温かいことは、忘れないでね。


2 土に埋まる


あら、私は種イモお役御免。


苗となり私の分身たちよ生きてね。


土の中でイモムシもうねうね。


ミミズちゃんも水分を吸っては糞にし私の栄養になってくれる。


すくすく育ち、一番目の枝分けれの子ができたわ。


なんとも可愛らしい形。


栄養を共有していきましょう。


みるみる根を張って二番目、三番目の子ができたわ。


立派なものとちょっぴり太っちょもの。


すくすく伸びては育っていく。


なんてたくましいのかしら。


私が何もしなくても次々生まれていく。


小さな苗から生まれた一つの家族。


わたしたちは、種をあまり残さない。地上で育つのが大半。


寒くなると、耐えれないから種イモとして保存される。


家族は、別れ別れ。


その時がいつか来る、けどその時まで栄養を分け与えている家族同士。


ガツガツ、硬い地層にはあまり強くないわ。


蔓の下には、アリさんやダンゴムシ。


多くの関係がわたしたちとともにある。


私をガリガリ「コガネムシの幼虫」


甘くて美味しいことを知っている。


まだまだ循環しきっていない土壌。


栄養があったら、コガネムシの幼虫も違うものをたらふく食べる。


この土の成長には、もう少しかかるわね。


うわぁあああ、引き抜かれていく。


何が私たちの家族に起きたの。


こうして、またサツマイモの家族は生き別れ、スーパーに運ばれていく。


なかには、翌年の種イモ、人間の腹の中で循環するもの。腐ってしまい土に返っていくもの。燃やされてしまうもの。


多くの循環を通すサツマイモなのでした。

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