短編小説「サツマイモの家族」
はじめに
この話は、畑仕事「サツマイモ」を育てているときに思いついた。
私の完全なるフィクションである。
誰かに聞いたこととかでなく「サツマイモ」になって人間として考え生まれた文章を綴っていきます。
1 サツマイモの種
わたしは、去年採れた立派のサツマイモよ。
食べるのもよし。
煮るのもよし。
石焼にするのもよし。
家族たちは、みるみる人間の一体になっていく。
ああ、私はどうやら取り残されてしまったサツマイモ。
土がやってきた。
新芽の準備に入るわ。
痩せていてもいいけど、湿度は多めがいいわ。
温かいことは、忘れないでね。
2 土に埋まる
あら、私は種イモお役御免。
苗となり私の分身たちよ生きてね。
土の中でイモムシもうねうね。
ミミズちゃんも水分を吸っては糞にし私の栄養になってくれる。
すくすく育ち、一番目の枝分けれの子ができたわ。
なんとも可愛らしい形。
栄養を共有していきましょう。
みるみる根を張って二番目、三番目の子ができたわ。
立派なものとちょっぴり太っちょもの。
すくすく伸びては育っていく。
なんてたくましいのかしら。
私が何もしなくても次々生まれていく。
小さな苗から生まれた一つの家族。
わたしたちは、種をあまり残さない。地上で育つのが大半。
寒くなると、耐えれないから種イモとして保存される。
家族は、別れ別れ。
その時がいつか来る、けどその時まで栄養を分け与えている家族同士。
ガツガツ、硬い地層にはあまり強くないわ。
蔓の下には、アリさんやダンゴムシ。
多くの関係がわたしたちとともにある。
私をガリガリ「コガネムシの幼虫」
甘くて美味しいことを知っている。
まだまだ循環しきっていない土壌。
栄養があったら、コガネムシの幼虫も違うものをたらふく食べる。
この土の成長には、もう少しかかるわね。
うわぁあああ、引き抜かれていく。
何が私たちの家族に起きたの。
こうして、またサツマイモの家族は生き別れ、スーパーに運ばれていく。
なかには、翌年の種イモ、人間の腹の中で循環するもの。腐ってしまい土に返っていくもの。燃やされてしまうもの。
多くの循環を通すサツマイモなのでした。




