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1-2 【三条スズ】

スキルなんて見つけられない。私は普段、何をしてきたんだろうか。これだけなら誰にも劣らないなんてところどこにもない。私はクラスで俗に言うモブキャラなんだから。別に私がいなくたって世界は回る。そんなふうに思うことがこの17年間で何回あったんだろう。


「あっ!スキルできた!」


少し声が高い耳ざわりでうるさい声の音源は

鈴風リン。その時みんなのスマホからピコんっと聞き慣れた音が聞こえた。


【鈴風リンがスキルを手に入れたよ!

スキル:菓子回復(スイートヒーリング)

効果:回復 (小)

属性:職人

本人の菓子を食べると回復できる。本人が想像することで菓子は手に入る。】


そして彼女の方を見ると彼女は光に包まれていた。そしてその光がなくなると、鈴風リンは黒で膝上20センチほどのワンピースに、白のフリフリとしたエプロン、頭には白のブリム。黒いハイソックスに、白のパンプス。彼女はメイド服を着ていた。


「えぇ!すごぉい。」


イチゴさんがそういうのと同時に、ピコンッピコンッピコンッ...。連続で、スキル獲得者が液晶画面に表示される。


【木下カズトがスキルを手に入れたよ!

スキル:炎騎士(ファイヤーナイト)

属性:騎士

効果:攻撃 (大)

本人の持つ剣で敵を攻撃できる。】


【氷宮ソラがスキルを手に入れたよ!

スキル:氷騎士(フローズンナイト)

属性:騎士

効果:攻撃(中)

本人の持つ剣で敵に攻撃できる。】


【上条ハルがスキルを手に入れたよ!

スキル:光魔導師(シャイニングメイジ)

属性:魔導師

効果:攻撃 (小) 、呪い解除

本人の持つ杖で敵に攻撃、呪いの解除ができる。


【滝沢カオルがスキルを手に入れたよ!

スキル:女王(クイーン)

属性:職人

効果:防御(大)

本人自身の身のみ攻撃から防御できる。】



この男子3人組も、一瞬光に包まれたあと服装が変わっていた。属性が騎士であるカズトくんとソラくんは色違いでほぼ同じような服装だった。2人とも中世ヨーロッパの騎士みたいだ。鎧は金属のような光沢があり、木下カズトくんは赤は氷宮ソラくんは青。カズトくんの剣は炎を身にまといソラくんの剣は氷でできていいるようでまるで宝石のようだ。2人とも高身長で整った顔立ちのため本当にゲームの世界からで出てきたみたいだ。いや、出てきたではなく私たちは本当に今、ゲームの世界にいるのだった。ハルくんは、魔導師のため

白のトンガリ帽子に白いローブを身にまとっていた。白魔導士なのだろうか。その小さな顔に大きな帽子がアンバランスであるがそこが可愛く思えてしまう。


違う方を目で見るとカオルさんも服装が変わっていた。膝上5センチの薄ピンクのドレスと、ドレスと同じ色の高さ15センチくらいのハイヒールとティアラを身につけていた。しかし、その格好は少し安っぽく見え、女王のようには見えない。



「これからずうっとこの表示くるのめんどくさくなぁい?」


甘く、おっとりとした声で言ってきたイチゴさんの発言にスキルを手に入れたメンバーたちとミカさんが賛同する。そりゃ賛同したほとんどのメンバーはこの変な生き物がいる世界で少しでも長生きできる(すべ)を手にしたのだから他の人のスキルなんてどうでもいいのだろう。かといって誰もこのメンバーの意見に反対する人もいない。それもあるし、あまり公開したくないのだろう。スキルを手に入れるということは自身で自分の特徴、特技を自負していることを指すのだから。


そんなこんなでみんなは【RPG2-7】のこちゃの選択欄にあったスキル非表示を選択した。


「それじゃあ、さっきのモンスター早く倒しに行こ。」


カオルさんが人事のように言う。


「確かに。この洞穴に来ないとは限らないしな。よし!行こう!!」


カズトくんがそう答える。


「でも、みんながスキルをできたわけじゃないよ?」


ハルくんがそう言った。同感である。多分、みんながそう思っていた。確かにここにモンスターがくれば逃げ場はないけれど今の状態でとても倒せるとは思えない。


「大丈夫じゃない?ほら、ここに一人一人の装備が置いてあるじゃん。」


そこに置いてあったのは、剣道みたいな形の木製の防具と木の棒である。


「あっ!ホントだ!」


ハルくんが少し明るい声でそう言った。しかし、その声のトーンから本当にこんな簡素な装備で大丈夫だと思っているんだろう。


渋々私たちはその防具を付けることにした。少し大きい気がするが仕方がない。みんな同じサイズなのだろう。そして重い。しかし何も付けないよりはマシだ。


そして、私たちはカズトくん、ソラくん、ハルくん、カオルさん、リンさんを先頭に洞穴を抜け出した。





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