表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/25

1-1【三条スズ】

なぜ、私たちはこんな場所にいるのでしょうか?さっきまで真面目に授業を受けていたのに…。辺りは、木、草、土、青と白い雲の比が1:8の空。呆然と辺りを見渡していると...


「えっ、はっ?どういうこと!?」


と叫びだしたのは、リンさん。


「え?ここどこ?」とカズトくん。

「俺、寝たからわかんねーよ」とソラくん。

「あっ!僕も寝てた!」とハルくん。

「私も...寝てましたぁ...」とイチゴさん。

「マジで!?私も寝てたわ」とカオルさん。

「なになに?どういうこと?」とミカさん。

「嘘でしょ!?全員寝てたのかよ。」と最後に言ったのはまた、カズトくん。


クラスの中心にいる7人組以外はみんな黙って動揺していた。あとは不思議そうな顔をしている人。怯えている人ばかり。さっきまでの眠そうなみんなの顔はどこにもない。


ドンドンドンドン 何か聞こえた?地面が少し揺れる。


マキ・サキちゃんは手を握り合っている。

ホシネは、おどおどしている。

コウも珍しく、目を見開き、動揺している。

ハナちゃんは辺りをキョロキョロしている。

あれ?一番端の席にいるのは.....


ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン


揺れと音は大きくなってくる。ゾワゾワと鳥肌がする。


ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン



私は何が起こったのか分からなかった。何人かは仲の良い友達のところに移動し、私を含む一部は机の下に潜り込み...


その時だった。何か黒いものが私の斜め後ろのユキちゃんに飛びかかった。バッと何かが私に降りかかる。ゆっくりと自分の背中を見ると、私の制服には真っ赤な液体が付着している。これは...血。大量の鮮血。後にあったのは肉と化したユキちゃんと黒い毛並み、二つの頭、赤く染まった鋭いキバの猛獣。


「キャアアアアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」


その声が自分なんて気づかなかった。私は慌てて机のしたから脱出する。みんなも森の奥に逃げていく。私はそれについて行く。運動不足の体に無理矢理、言うことを聞かせ、全力で走る。どこまでも。私の前を走る人が何人かが転ぶ。しかし、それにかまっいる暇はない。後からは転んだ人の叫び声と獣声が聞こえてくる。死にたくない。怖い。分からない。嫌だ。生き残りたい。食べられたくない。怖い。怖い。怖い。怖い。恐怖。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「あそこに洞穴(ほらあな)があるぞ!」

そうやってカズトくんが叫んだのは走ってからどのくらいの時だっただろうか。もう後から追いかけてくる猛獣は、いなかったが私たちは無我夢中でその洞穴に入った。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ