0-2 【三条スズ】
数学の授業。みんなは、寝てたり、ウトウトしていたり...《起きている人もいるけれど》
寝ている人を見るのは結構面白い。目の前に流れる数式は簡単に解けた。暇だなぁ。あらゆる人に目をつけられるのはゴメンだから、誰にも言っていない(いや、コウとホシネは知ってる)けれど、私は学年のトップを取るくらいの学力はある。この学校は新学校だ。しかし私が入学する年から裏口入学の制度ができたとかなんだとか...。つまりこの学校は頭の良い人とお金持ち、そして何人かのスポーツ推薦で形成されている。クラスの中心人物の人達はお金持ちの部類だと思われる..。結局、みんなは、その中心人物たちに頭が上がらない。いや、頭が上がらないのは寄付金を貰っている大人達なのかもしれない。とは言っても私の高校生活は結構楽しい。ホシネとコウは、いつも優しいし近くの席のハナちゃんは、いい子でかわいい妹みたいだし、双子の方藤谷サキ・マキちゃんは明るくて元気を貰うし、ユキちゃんの漫画は面白いし...。なんだかんだで、目立つこともなくひっそりと楽しく生活している。ふと、を見渡してみる。あ、コウ体調悪そう大丈夫かな?あと15分で今日の授業は終わる。そしたら声をかけてあげよう。そしたらそのまま保健室の手伝いをいつも通りしよう。
私の一日は、ここまでもいつも通りった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
しかし私のいつも通りはここで壊れた。
あれ?
目の前が霞む。白くなっていく。さっきまでちっとも眠くなんてなかったのに。さっきまではなんてこと無かったのに。数字の列はふにゃふにゃに曲がってまえるし、怒っていた数学教師はぼやけて見えるし...。意識が遠のいていく...