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?-? 【東條タケル】
目の前にいる彼女は、いつもの彼女と全く違っている。とても長く髪の毛は真っ白になっている。目は真っ赤に染まっている。
「今、すべてを思い出したんだ。私のもうひとつのスキル、裏スキルは【輪廻転生】このゲームのすべてを0からやり直せる。タケルくん、全部やり直そうか?」
彼女は優しく微笑みながら俺に語りかけてくる。
「は?そしたら、今までのスキルも何もかも消えるんだぞ?」
「タケルくん、周り見てみなよ」
俺は周りを見渡す。周りにいるのは、さっきまで一緒に話していたクラスメイト。目を見開いたまま動かなくなったやつ、
大量の血を流しているやつ、肉の塊と化したやつ…。溢れかえった鉄分の匂いや、死体独特の匂いで目眩がする。
「次のゲームでは全員が生きているようにしてね。頼んだよタケルくん」
意識が朦朧とする俺の前で彼女は一度大きく息を吸ってからこういった。
『【輪廻転生】!!』