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厄介者
何をしているのだろう。
携帯にダウンロードされたゲームをやりながら、自分を振り返る。せめて小説を読むようにしたい。しかし、本がない。図書館は住民票を移していないから借りられない。お金がないがゆえに、移すと不都合が多いのだ。どうにかして、自分の好みに合った本を手に入れられないのか。手はゲームをしながら、頭は本のことを考え、心は自分の行いと思考回路を叱責する。心が一番厄介者だ。こいつが延々と息を吸って吐いている限りつきまとう。誰かにこいつを何とかしてもらえれば、自分は自分がすべきことをやるのだろうか、できるのだろうか。息を吐くのが苦しくなりながら、眉が顔の中央に寄ろう動いた。自分が自分を動かせなくなってから、心と決別して、背中を向けた時から心は私の背中を住処として取り戻すべく張り付いて手を離さない。何をするにも少し頭を働かせると悉く後ろに待ち構えて、辛く気分が悪い。
私は、どうにもできないのだろうか。背中からの攻撃で気持ち悪い私の手は素知らぬ顔で、相変わらずゲームを続けていた。