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自由男(フリーター)と襲撃事件  作者: 美由羽 裕
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007 アーレス邸にて(7月5日エレナ)

 薄暗いランプの火に照らされて、水面の波がキラキラと輝いていた。エレナは、口までお湯につけながら、光の加減を楽しんでいた。

「ふぅー」

 口を水面から出し、大きく息を吐くと、この二日間に起きたことが自然と思い浮かんできた。

 こっそり屋敷を抜け出し、襲われ、助けられた。まるで昔読んでもらった物語の様である。なぜ、自分が襲われたのかはわからないが、お披露目の儀で爆発が起きたともアーレスが言っていたので、自分の命が狙われているのではないかと誰でも考える。

 レティス姉様たちは無事であろうか?

 アーレスは、どちらかというと観客がいる方で爆発したから大丈夫だと思うと言っていたが、その後、何度も爆発したそうだから、他の爆発に巻き込まれているかもしれない。

 無事なら無事で、自分が居なくなって心配しているのではないかとも思う。今更ながら軽い気持ちで屋敷を勝手に抜け出してしまった事に、罪悪感を覚える。きっと、レティス姉様は怒っているだろう。

 ただ、一方で、屋敷を抜け出したからこそ、自分の足で歩いて旅をできたり恋人ができたりした事を喜んでいる自分もいたりして、色々複雑である。

 それにしても、ここのお風呂には感動である。

 城には、ここより広い石造りのお風呂があるが、基本的に水を取り込んでいるので、湯船につかるのではなく、お水で体を流す程度である。

 レティス姉様が、修学旅行でオイシュルの街に行ったとき、温かい水が出るお風呂に入って気持ちよかったと言っていたが、その気分がわかった。

 エレナは大きく背伸びをして足をのばした。結構歩いたせいか足が少し痛かった。

 トントン

 その時、ドアを叩く音がして、ドアが開いた。

「着れるかわからないけど、ここに服を置いとくよ」

 入ってきたのは、マリアであった。

「は、はい。ありがとうございます」

 エレナが、体を起こしながらそう言うと、彼女は、そのまま浴室に入ってきて「あんまり長く入ってるとのぼせるからね。あと出るときはちゃんとこのタオルで体を拭いてから出るんだよ」と、言って、濡れていない台の上に布を置いた。

「はい!」

 のぼせるの意味が良くわからなかったが、エレナはそう答える。

「あと服の着かたがわからなかったらアーレスを呼ぶんだよ」

 マリアは、いたずらっぽくそう言って浴室を出て行った。

「はい!」

 と、エレナは笑って答えた。「服ぐらい自分で着られます!」と、心の中で呟くのであった。


 ただ、10分後には、裸のままで顔を真っ赤にして脱衣所のドアを開けてアーレスを呼んだのであった。

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