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歪んだ世界  作者: 在原 剛
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『心配するな』

まだ完成度は低いですけど、頑張らせていただきます

「それで、何があったの?」


風呂から上がり、夕食を済ませた俺たちは椅子に座って向き合っていた


「……別に大したことじゃない」


「そんなわけない。兄さんが普段しない表情を見たときから私は絶対何かあったって確信してるんだから」


奈々の目が、何も隠さずに話して、と言い掛けていた。正直今日のことを奈々に話してよいのか迷う。しかしこのまま黙っていても胸のうちにある違和感が拭いきれずに残ってしまう。ならいっそのこと話したほうがスッキリするのではないかと。でも奈々にいらない心配させるのも気が引ける


どうしたらいいか迷っていると、テーブルに置いてある俺のケータイが着メロと共に震えた


「兄さん、ケータイが鳴ってるけど……?」


「あ、あぁ」


考え事をしている俺に置いてあるケータイを手渡してくれる奈々。受け取り、受信メールを確認する


「なんだよ、これ……!?」


開いてみると、あいつから送られてきた一通のメールは文章も何もなくただ添付された写真だけが表示され、その写真には水瀬由穂と男が抱き合いながらキスしているものだった。しかもベッドで裸になりながらだ


それを見た瞬間、俺は怒りで頭がいっぱいになった。写っている男がおそらく北川か、だがそんなことはどうでもいい。俺は幸せそうにキスしている由穂を見て、こいつは俺の彼女でも友人でもない、赤の他人になることを決意した


「に、兄さん?この写真は……?」


「っ!?」


後ろから声が聞こえ振り返ると、そこには向き合って座っていたはずの奈々が立っていた。メールに集中していたためか奈々の行動に気づく事ができずに、しかも写真まで見られてしまった


「ど、どうしたんだ?この写真は友達のいたずらで送られてきたやつだ。別にお前と関係があるわけじゃ……」


「それって、兄さんが付き合っていた人だよね?なんで知らない人と抱き合ってキスまでしてるの?ねぇ、なんで?もしかして、兄さんをこんな風にしたのこの人が原因なの?」


どうやら察しがいい奈々には誤魔化すことができないみたいだ。俺はもう諦めることにしてため息をして立ち上がる


「まぁ、別にお前が心配するほどじゃない。高校生で将来約束して結婚するまで付き合うカップルなんてそんないるわけじゃないし。俺もその一人だったって話だ。だからお前は心配するな」


彼女の頭を撫でながらそう言う。奈々にはあまり心配をさせたくなかった。俺の唯一の家族である奈々にはこんなことで心配させるわけにはいかない


「兄さん……」


すると奈々は俺からケータイを奪いとって何やら弄り始める


「お、おい!何やろうとしてるんだ!?」


「兄さんのケータイからあいつに関する物を削除してるんです。兄さんがあいつにかかわる理由はもうないから。兄さんを簡単に捨てるようやつは私にも必要ない」


作業をしながら奈々は冷たくそう言った。奈々と由穂は一応面識はあって、彼女が家に遊びに来たとき奈々は由穂のことをどこか冷たい眼で見ていた記憶が少しある


「はい、終わった。連絡先も受信メール送信メール、写真データも全部削除しておいたよ」


ケータイを渡されて中身を見てみると本当に由穂に関することが全部なくなっていた。あいつと繋がりがあったものが全てだ


「それとまた送られてきても兄さんが迷惑すると思って、勝手にメアド変更させてもらったよ?ついでに番号も着信拒否しておいたから♪」


「お、おう……。ありがとな、奈々」


少々やり過ぎな気がしなくもないがお礼を言って彼女の頭を撫でる。素直に受け入れてくれる奈々に思わず安心感というかとても暖かい何かを感じる


「……兄さんは私からいなくならないよね?ずっと一緒にいてくれるよね?捨てたりなんかしないよね?」


「そんなことするわけないだろ。やられた経験がある俺が他のやつにましてや大切な家族を捨てたりするか。心配するなって」


そうだ、こんなに俺のことを大切に想ってくれる家族がいるんだ。前に進まないといけないよな


「うん!いつまでも一緒にいよう兄さん♪」


だが、このままだと妹の人生がちょっと不安になるのは仕方がないことなのかもしれない


奈々の発言に俺は苦笑いしながら頷くことしかできなかった。まぁ、こいつの笑顔が見れるなら俺は頑張れるような気がする


その後、俺たちは雑談などをして今日を終わらせるのであった













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