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第三話


 遅刻しそうになって女の子二人と走ってきた結果、ギリギリで間に合った。

 女の子二人とは急いで教室にむかったため、二、三言葉を交わして分かれた。



俺の住んでいる街の名前は正しくは水雫市(みだし)という。

 水雫学園都市(みだがくえんとし)は全国四つの国策学園都市の中でも最も歴史が長いうえ、知名度も最も高い。

 歴史・知名度と比例し、文化、施設、土地、人気あらゆる面もトップクラスである。

 俺が今日から通う学校――私立神宮学園。

 もとは女子高だったらしいが何年も前に共学になって、今ではかなりの伝統を持つ学校。

 設備や教師の質が非常に高く水雫学園都市の中でもかなりの人気がある。


 俺がこの学校に転校した理由は学費が安いからだ。それ以外に理由などは無い!


 まぁ、学校等の説明が終わったところで……現状説明。

 俺は今、職員室の前に立っている。


 転校して、今日から俺はこの学校に通うわけだ。

だが、始業したのは数日前らしく俺は朝のHRで担任の先生からクラスの皆に紹介される手筈になっていたので、職員室の前で先生を待っていた。

 前に転校の手続きやら確認をしに来たときには担任の先生に会えなかったので今日初めて会うことになる。

 少なくても一年間は付き合う先生なので、静かな学園生活を送りたい俺にとっては理解ある先生が担任になることをを望みたい。

 そんなことを考えていると職員室の扉が開いた。


「ごめん、待った?」

 中から出てきたのは、スタイルの良い女性。すごい美人だ。

「私の名前は長谷川。教育指導兼あなたのクラス2年B組の副担任よ」

 副?

「副担任?話だと担任の先生が紹介するって話じゃ…」

「あ~、あのバカね。なんか、いないのよね~」

 ケロッと言う長谷川先生。

「え!? いないって!?」

「気にしないで、いつものことだから」

 いつものことって……

「………………あのバカ、後で殺す」

「先生、なにか言いましたか?」

「なにもいってないわよ」

「そうですか…」

 一瞬、先生から、殺気を感じた。


「君が転校生でいいのよね?」

「はい」

「え~と…名前は……」

 言いながら、先生は手元のファイルに目を落とす

「たつやです」

 先生が探し終える前に自分で名前を言う。フルネームを知られたら絶対に面倒なことになる。

 まぁ、いつかはばれるだろうから問題の先送りにしかならないのだが……

「はい、たつや君。それじゃあ、これ渡しとくわね」

 長谷川先生のだしたのは学生手帳だった。

「あれ、学生証は前に貰っているんですが……」

 今朝、女の子に見せた物をだす。

「あぁ、言ってなかったのね。それはあなたの入学が正式に決まるまでの仮の学生証なの」

 

 長谷川先生は俺の学生証を浮けとると、学生手帳を俺に渡す。

 顔写真に名前や生年月日が書いているのは変わらない。

 カバーには神宮学園の校章、中心にあるガラスの様な物が光っていた。


「校則でその学生手帳は常に持ち歩くことになってるわ、サービスや学生割りの時に使うから持ち歩かないことなんてないわよね」

 たつやは先生の説明を聞きながら受け取った学生手帳をしっかりと胸ポケットにしまう。

「身分証の代わりにもなるし、クレジットカードの代わりにもできるわ、失くしちゃダメよ、失くしたらすぐに学校で再発行の手続きをしないといけないから」


 そんなことをしてると、予鈴が鳴った。

「そろそろ、教室に行きませんか?」

 いつまでも職員室の前で長話をしてるわけにはいかないだろう。

ただでさえ、遅刻ギリギリできたんだ。このままじゃ、朝のHRが始まってしまう。

「それもそうね、じゃあ行きましょうか」



~~~~~


 俺は教室の前、中央まで歩き「たつやです」と挨拶をした。


 このまま「皆さん、これからよろしくお願いします」とかなんとか言えばミッションコンプリート、任務達成、万事解決だ。

 俺は口を開く前に、今日から一緒に学園生活を送るであろうクラスメイトを見渡して――――

 驚愕に染まった琥珀色の瞳で俺を見つめるポニーテールの女の子と、不思議な瞳で俺を見つめる小豆色の髪の天使……じゃなく女の子を見つけた。


 嫌な予感がした。

 さっさと自己紹介を終わらせればいいのに、たつやは動きが止まってる。


 小豆色の髪の女の子と目が合った。

 すると、女の子は天使の様な無垢な笑顔を浮かべ、口を開いた。


「あ、ゴルディアス君。また会ったね、一緒のクラスなんだ。よろしくね!」


 教室の時が止まった。


『…ざわ……』

「ゴルディアス?」

『…ざわ…ざわ……』

「ゴル……ディアス?」

『ざわ…ざわざわ……』

「…ゴルディ……アス?」


 あの女の子は悪気があってやったわけじゃないのは分かる。

 だって、教室がざわめいている理由が分からずにキョトンってしてるもの。


『ざわざわ…ざわざわ・・・』


 たつやは、騒然をとおりこして混沌と化している教室の中で今朝見た夢の続き、母さんの言葉を思い出していた。


~~~~~

「たつや、これからはもう……金城(かねしろ)の姓は使えないわ。名前が変わるの……新しい名前、つまり、私の元の名前は――――」


「私の旧姓はゴルディアスよ」

~~~~~


『ゴルディアス!?』

 クラスメイトの声が教室に響いた。


 そう、俺の名前はゴルディアス…………『ゴルディアス・たつや』だ!


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