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【おまけ】《スライムとメイドの小休止②》

夜、ギルドの宿舎。

焚き火を囲む部屋の片隅で、今日もスライム・マサキはぷるぷるしていた。

いや、どちらかといえば――震えていた。


彼の両脇では、二人のメイドが、目に見えぬ火花を散らしている。


 


レナ「……で、ござんすけどね。イリシャ、さっきからスライム様にベッタリ過ぎやしませんかい?」


イリシャ「あらあら、何をおっしゃるんどす? マスターが“あてのひざ枕が落ち着く”って、じっとしてはったんやおすえ?」


レナ「ふぅん……その場のノリで寄っかかっただけでござんしょ。スライム様、ちょっと離れんしゃい!」


イリシャ「こらこら、無理に引き剥がすんはよろしくないわぁ。マスターは今、癒されたいんやどすえ?」


レナ「癒すのは、わっちでじゅうぶんでござんすッ!!」


 


ぶちっ、と音が聞こえた気がした。

レナがハンマーを取り出しかけ、イリシャは笑顔のまま銃の安全装置を外しかけた。


スライム:ぷるぷるぷるぷるぷるぷる(←全力の拒否表現)


 


そのとき、ガチャッと部屋の扉が開いた。


 


ゼル「あっ、やっぱりいた~! ブラックフォージの人たち!」


……例の変態が、笑顔で現れた。


 


ゼル「今日のお礼にさ~、俺んとこ空きベッドあるんだけど、君たち泊まってかない? 暖かいよ?」


 


レナ「……ちょっとイリシャ、そこの焼却対象、片付けといてもらえやせん?」


イリシャ「あらあら、焼くより吊るしたほうが長う楽しめますえ?」


ゼル「なんで!? 好意じゃん!? 俺、優しさのカタマリだよ⁉」


レナ「あんたは腐った干物のカタマリでござんすよ。さっさと塩にでも浸かって寝てなせぇ」


イリシャ「ふふ……あてら、マスター以外の男に用はおまへんのどすえ?」


 


ゼル:「……ぐはぁ……ッ!!」

うずくまる。

だが、口元は笑っていた。


「サイコーだ……ッ! やっぱ俺、このパーティ推すわ……!」


 


扉がバタンと閉まる。


しばしの沈黙のあと、再び、レナとイリシャの視線が交差した。


 


レナ「……で、続きは?」


イリシャ「ええ、おあいこどすえ?」


ぷるぷるぷるぷるぷる(←泣いてる)


こうしてスライム様の安息は、また今日も訪れなかった。

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