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《人間になりたいだけなのに、俺のメイドが強すぎる》  作者: やはぎ・エリンギ
メイド設定集

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街に響く新たな戦いの序章

賑やかな街の通りを歩く一行。

レナは武具や装飾品の店へ足早に向かい、好みの煌びやかなアクセサリーを次々と手に取る。

「ここの金細工はやっぱり粋でありんすなぁ」と目を輝かせている。


レナは興味深そうにショーケースを眺め、やがて小ぶりな銀のピアスを手に取った。

その細かな細工は、まるで小さな羽根が風に揺れるかのような繊細さだった。


レナは繊細なピアスを手に取り、ユエルの腕に抱かれたマサキに目を向けた。


マサキは淡く光る魔力糸を発して宙に文字が浮かび上がる


「買っていいよ」


レナ

「ありがとさんでありんす、スライム様♡」


マサキはそれを光の糸で即座にアイテムボックスに収納する。

すると身体がほのかに光りだし、


ピコン!


システム通知《創造錬金:新素材検出》

《念話通信機能付きピアス》の設計図データを検出。

「創造錬金」リソース登録に成功。


新規クラフトオプションが開放される。


特級アイテム《念話ピアス(3個セット)》


必要素材をアイテムボックス内から消費し、オートクラフトを実行しますか?


マサキは光の糸で「はい」と記し、瞬く間に3つの銀のピアスが完成した。


レナは嬉しそうに自分の耳に一つをさし込み、

「これでスライム様と直接お話できるようになりんすね」


イリシャ、ユエルもそれぞれの耳に装着し、3人は言葉を交わすことなく、心で繋がったような安心感を共有した。


ピアスからほのかに温かい光が漏れ、

まるで目に見えない糸が3人の心を結んでいるかのようだった。


マサキはユエルに抱かれたまま、イリシャと魔法具の専門店へ。

そこでは珍しい鉱石を用いた硬質な武器や装飾品がずらりと並び、彼女は熟練の眼差しで品定めをしている。

「この星屑鋼は硬度が抜群や。これを使うと、剛性と軽さを両立できるどす」

やがてイリシャは幾つかの鉱石と結晶を手に取り、「これらをまとめて購入するどす」


店主は微笑みながら応じ、金貨が静かにカウンターに置かれた。


その素材を即座にマサキはアイテムボックスに収納した。

すると、彼の身体がほのかに光りだす。


ピコン!


システム通知《創造錬金:新素材検出》


《マサキの戦闘知識マスター流戦闘術 禁断書》のデータを検出。

「創造錬金」リソース登録に成功。


新規クラフトオプションが開放された:


特級戦闘術データ《マサキの戦闘知識が詰まったマスター流戦闘術・基本形態》


必要素材をアイテムボックス内から消費し、オートクラフトを実行しますか?


「え!? 俺の戦闘知識……確かに、前からイリシャとは格闘技や古武術の話をしながら、文字や図を描いて教えてたな……」


マサキは光の糸で「はい」と書いた。


繊細な光の糸がほとばしり出し、空間に複雑な符号と動きの波動が描かれていく。

その術式がイリシャの身体を包み込み、まるで力が染み渡るかのように流れ込んだ。


イリシャは息を呑み、身体の奥底から新たな力が覚醒していくのを感じていた。


「……これが、マスター流戦闘術どすか……」


「……マスターが伝えたこの技術、みんなで身に付ければ、これからの冒険に大きな力になるどすな」


マサキは光の糸で「うん」と答えた。


ユエルは静かに佇む布地屋の前で立ち止まり、珍しい「霧纏織ヴェールクロス」の布を手に取る。

手触りは軽くてしなやか、まるで霧が指先を包み込むような不思議な感覚だった。


その脇で、小さなブラックスライムのマサキは、ユエルの腕に抱かれてゆらゆら揺れている。


店の店主にイリシャが代金を払う。


マサキはふいに、ユエルの手元にある《霧纏織》をそっとアイテムボックスに収納した。

すると身体がほのかに光りだし、


ピコン!


システム通知《創造錬金:新素材検出》

《霧纏織》を検出。

「創造錬金」リソース登録に成功。


新規クラフトオプションが開放される。


特級装備《ユエル専用・霧纏うメイド服》


必要素材をアイテムボックス内から消費し、オートクラフトを実行しますか?


ユエルはそっと頷き、マサキは光の糸で「はい」と書いた。


繊細な光の糸がほとばしり、空間に幾重にも交差する波動が描かれてゆく。

布地はふわりと宙に浮かび、淡い霧のような輝きをまといながら、ゆっくりと美しいメイド服の姿へと変わっていった。


やがて、完成した《霧纏うメイド服》がユエルの前に現れる。

静かな佇まいのユエルは、その服に手を伸ばし、指先でそっと触れる。


ユエル

「殿……これなら、わたしも……少しは……メイドらしく……なれるでしょうか」


微かに頬を染める彼女の瞳に、静かな喜びが宿っていた。



その頃、マサキたちのいる街には、次々と冒険者パーティーが集結し始めていた。

この街のギルドが誇る最高戦力、Sランクパーティーの姿も確認される。

続いてBランクパーティーも続々と集まり、緊迫した空気が漂う。

そして最後に、王都護衛任務から戻ったAランクの《漆黒の剣》が姿を現した


ギルドマスターのリュドーは、地図を前に厳しい表情で来訪者を迎え入れている。


マサキたちはまだ知らない――未踏のダンジョン攻略という新たな戦いの幕が、静かに、しかし確実に切って落とされようとしていることを。



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