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《人間になりたいだけなのに、俺のメイドが強すぎる》  作者: やはぎ・エリンギ
登場人物

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ラストリンク

レナが叫びながら突撃した瞬間――

ユエルの背に浮かぶ魔導珠が淡く脈動し、霧の中に微かな歪みが走る。

空間を叩くように透明な衝撃波が解き放たれ、レナを直撃。

咄嗟にハンマーを盾に構えたが、その衝撃は凄まじく、彼女の身体は橋の床を転がるように吹き飛ばされた。

「レナはん!」

イリシャが叫び、即座に伏せて狙撃態勢へ。

マサキの光糸がスコープとリンクし、魔導珠の動きを正確にトレースする。

「一発だけや。外したら──終いや……」

イリシャは息を殺し、指先に力を込めた。

引き金が引かれ、閃光と共に銃声が鳴り響く。

弾丸は正確に、魔導珠を貫いた。

青白い閃光が瞬き、結界が粉々に砕け散る。

その刹那――

レナが跳ね起きて橋を蹴った。

「いまだ! イリシャはん、いくでありんす!」

「任されたどす!」

二人は同時に飛び出した。

結界を失ったユエルは即座に薙刀を構え、竜の尻尾を振って迎撃姿勢を取る。

レナのハンマーが唸りを上げ、真正面からユエルに叩き込まれる。

互いの力がぶつかり、重厚な衝撃音が橋を揺らす。

イリシャはその隙を突き、ユエルの死角に回り込むと──

「──麻痺、入りましたえ!」

ナックル付きカランビットがユエルの腕を切り裂き、青いスパークが走る。

ユエルの身体が一瞬、硬直した。

そこを見逃さず、レナのハンマーが二撃目を叩き込もうとしたが──

ユエルは尻尾をしならせて軌道を逸らし、難を逃れる。

だが、イリシャの猛攻は止まらない。

背後から両腕を掴み、交差させて密着。

そのまま体重を乗せ、一本背負いのように豪快に投げた!

橋の床にユエルが叩きつけられ、体勢が大きく崩れる。

「いまだッ!」

レナがハンマーを振りかぶったその瞬間、ユエルは尻尾で受け止め、体勢を立て直す──が。

イリシャがすかさず、相手の片足を両脚で挟み込み、体をひねるようにして腰を落とす。

相手の上半身を反らせ、肩と首を自分の腕で抱き込み――

「──STF“ステップオーバー・トーホールド・ウィズ・フェイスロック”、マスター仕込みのいかせてもらいますえ……!」

フェイスロックと足関節を同時に極める、複合絞殺技!

ユエルの呻きが漏れる。

レナが、すかさず追撃に備えてハンマーを構える。

「レナはん、今や! あてごとやりなはれ!」

イリシャがSTFのまま押し込み、すかさず身体を捻って横に転がる。拘束を維持したまま、逆側から極めるように移行――

リバース・ステップオーバー・トーホールド・ウィズ・フェイスロック(RSTF)!

仰向けになったユエルが、イリシャに言う。

「ばかな! お前も私の道連れになるぞ!」

だがイリシャは微笑を浮かべ、あざけるように答えた。

「ユエルはんには、わからんやろなぁ……。

 レナはん! マスターを信じるんや!」

レナが一瞬たじろぐが、イリシャの声にハッと顔を上げる。

「イリシャはん!歯ぁくいしばれ〜〜〜!」

構えるレナの腕に力が込められる。

「これがワッチの!」

「これがあての!」

「――絆の力やぁぁぁ~~~っ!!」

「や……やめろおおおおお〜〜〜っ!!」

ハンマーが天を突き、雷鳴のように振り下ろされる。

どごおぉぉぉん!!

直撃の衝撃で橋がきしみ、砕け、崩壊していく!

三人の姿が瓦礫とともに宙を舞い、やがて──

奈落へと、落ちていった。



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