最後のオオカミ(エピローグ)③
このオオカミは 赤ちゃんのころ 川で流されていた
拾って ミルクをあげて 元気になった
お父さんは オオカミと気付いて かくまう決意をする
そして 山奥の この家に 家族で引っ越した
共に過ごし オオカミは成長して 1人前の大人になる
私たちは 家族として バレることなく 暮らしてきた
そして 最期の日
私たちは決断した
この子を
最後のオオカミを
未来へ連れて行く と
オオカミは この島にいた
オオカミは 生きていた
未来で オオカミの存在を 消させたり しない
私たちの 大事な家族を その仲間を
もう これ以上 理不尽な目に 合わせない
だから 残すんだ
証明するんだ
オオカミは 確かに 生きていた と
…教授…
…なんだ…
…なに ないてるんですか…?
はあ? 俺が泣くだと?
そんな ばかな… あれ なみだが…
いや お前も 泣いてるだろ…
ぐすん
わたしは いいんですー
おんなのこは 泣く 生き物なんですー
はぁ 何言ってるんだか…
ぐす
それよりも ですよ!
これで ミッション クリアですよね!
生き残りは いません でしたけど
この剥製を 持ち帰れば 証明できますよ!
そうだな…
いやー
ここまで 歩いた かいが ありましたよー
ホント 疲れましたもん
じゃあ 持ち帰りましょー
重いのかな〜
まて
なんですー? 急に
腕 引っ張んないで くださいよー
持ち帰るのは ヤメだ
えー 何で ですか?
あの うるさい奴 黙らすんでしょ?
それと これとは 別の話だ
このオオカミの家はな ここなんだ
本当の親と 引き離されて
ここで 人間の家族が できた
もう 別れるのは 嫌だよな
もう 人間に 振り回されるのは 嫌だよな
静かに 暮らして いたいよな
そうだろ?
教授…
それにな
この日記が あれば 証明できる
本当は 日記も 置いときたいが
また 探し出すやつが いるかもしれん
オオカミは 実在した
だが もう いない
これで 分かるはずだ
でも
剥製にしたと 書いて ありますよ?
そこは 切り取って 置いていくか
それに 剥製にして 残してあるなんて
誰も 思わないだろ
確かに そうですね
このオオカミさん も
ここに いるのが いいですよね
ここが この子の お家ですからね
あぁ
だが さすがに ボロすぎるからな
このままだと 崩れちまう
今度また 直しに来るかー
はいはい! 私も来ます!
またオオカミさんに 会いに来ます!
駄目だと言っても 着いてくるんだろ
…まあ
荷物持ちが 増えたと 思えば いいか
ふふ~ん
オオカミちゃ~ん
教授 何か言いました?
何も 言ってないぞ
よし とりあえず 今日は 帰るぞ
この日記 見せて オオカミが いた と
みんなに 教えてやろうぜ
はーい
じゃあ またね オオカミちゃん
すぐに 来るからね~
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オオカミは 絶滅した
もう 生きている姿を 見ることは できない
でも もしかしたら
山奥で ひっそりと
愛する家族と 暮らした家で
待っているかも しれない




