さいごの日
お父さん お母さん オオカミちゃん が…
そうか…ついにか…
でも 長生き したわよね
あの川で 拾った日から すぐに 引っ越して
この山で 暮らして
オオカミも 満足して くれたかしら?
あぁ 嫌なら すぐに 逃げてたはずだ
オオカミちゃん
いつも 私のこと 舐めてくれてたよ
小さい頃から 一緒に寝てたし
私達のこと 大好きだったよ きっと
そうよね
私達も 大好き だったものね
俺たちの 家族だったんだ
当たり前だ
お父さん お母さん
どうするの?
この子?
そうね… 土に還すのが いいのかしら?
生まれた山に 連れていきますか?
うーん…
このオオカミは 最後の生き残りだ
今の オオカミの扱い 知ってるか?
私 学校で習ったよ
何年も前に 絶滅して もう安全って
それで先生 オオカミが いたこと
みんな 忘れるんだろうなー って言ってた
失礼だよね
ちゃんと まだ 生きてたのに
ずっと 隠して きてたからな
それで どうするんですか? あなた
その先生の 言うとおり
忘れ去られる かもしれん
みんな 忘れちゃうの?
私は オオカミちゃんと 一緒にいた 日々
ずっと 忘れないよ
人間は 自分勝手な 生き物だ
絶滅させた もういない オオカミに
構ってる 余裕なんて ないと思うさ
だが 俺達は違う
最後の1頭に なったが
この日まで 生きていたことを 知っている
だからな… 相談なんだが…
剥製に しようと 思うんだ
剥製ですって?
あなた いいんですか?
剥製って 何?
今の ままの 姿で
残して おくことだよ
え
オオカミちゃんを この姿で?
そうだ
これも 人間の 自分勝手な 考え だがな
もう この島に オオカミは この子しか いないんだ
この先の未来で オオカミは 本当にいたのか
そんな事を 言うやつが 現れる
オオカミちゃん いたよ! 生きてたよ!
そうだ
俺達は それを 知ってるんだ
だから 残すんだよ
ここにいたと 証明するんだよ
それで 剥製に するのね?
あなた そんなこと できたの?
もしもの ために
少し前から 勉強してたんだ
手伝って くれるか?
もちろん 手伝う わよ
私達の 家族の ためよ
私も 手伝うー!
それにね 日記書くの
オオカミちゃんと 出会った日の ことから
全部 思い出して 残すの
それは いいわね
お母さんも ちゃんと 覚えてるから
一緒に 書きましょう
うん!
よし なら 早めに 始めるぞ
この子を この姿の まま
未来に 連れて 行くんだ




