表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

第2話 カルトの謎

朝起きると、アリアがデグレチャフを整備していた。


「おはよう。アリア」

「アンフィスバエナでいいよ〜」


噂通りだ。もう1つの自分。アンフィスバエナ。


「アンフィスバエナ。イリュージョン・ビギニングについてもう少し詳しく教えてほしい」

「…あれは、私が初めてここに来たときだった」


数ヶ月前、ここに派遣された私はイリュージョン・ビギニングの恐ろしさを体験した。

偶然だった。幹部達が会議を開いていた場所だったこの南極基地で会い、ツァーリの能力に襲われた。


「な、何…目眩が…」


目が回ったように感じた。今にも目を閉じたい。足も立てないほど目眩を感じ、頭痛もした。


「私の目には逆らえない。その文字、噂で聞いたニヴルヘイムか。情報通り、私達について何も知らないようだな」


デグレチャフも落とし、拾えない。


「い、痛い…痛い…」

「そうだ。我々の痛みを感じろ。過去は変えられない。過去の痛みも変えられない。貴様にも見させてやろう。過去と未来を見せてやろう。運命に善悪はない。人間が贖罪なのだ」


「このクソ野朗!」


アリアが反応しデグレチャフを拾う。無差別に乱射するが、司祭が全て弾を掴み防いだ。私は意識が飛びその場に倒れた。


(ツァーリ)。ここにはありません」

「探しに行くぞ。ここは見張りに任せる。少女よ。私に興味は持つな。私からの忠告だ」


目が醒めると、私は手足と口を縛られていた。


「目が覚めたか女。これからお前は儀式の生贄として主に捧げる。浄化するんだ。ほら立て」


私は立たされた瞬間、靴に仕込まれた毒が塗ってあるナイフを作動させ敵の脚に刺した。


「いってぇっ!何しやがる!」


私は吹き飛ばされたが、ナイフの毒が回り敵はその場で倒れた。起きることはもう無いだろう。

敵が持っていた短剣を使いロープを切り、手足と口を自由にした。


「はぁ…こんな時にこの靴が使えるなんて」


デグレチャフを持ち歩き出した。



「つまり、イリュージョン・ビギニングは特殊能力を持った人物が集まってるのか。あの武装的にも軍事関係者はいるだろうな」

「あいつら逃げちゃってさ。手がかり探してるんだけど、なかなか見つからなくて…」

「…グリフォン。パソコンの履歴を調べられるか?」

<やってみよう>


奴らがPCを使っていたなら、履歴が絶対に残っているはずだ。何をしたのか、何が目的なのか。


<時間がかかる。少し待ってくれ>


私達そこから1時間ほど待っていた。

なんだか視線を感じる。


「…アンフィスバエナ。俺の顔に何かついてるか?」

「い、いや。別に?」

「そうか」


なんか、見られてる気がする。


<ムスペル。奴らのPCの履歴に何か役立ちそうなものはなかった。というかPCの設定に関するものしかない。唯一PC関連じゃないのが、『南極の絶景スポット!人生に一度は行きたい場所!』。このサイトだけだな>

「わかった。ありがとう」

「何か手がかりは?」

「なかった」

「…そう…」


どうやら、完全に隠れているらしい。一体何をしたい…手がかりも0…どうすれば…?


「無駄だ」

「誰か来るよ!」


扉の奥から誰かが来る。蛍光灯の光りが十字架に反射する。イリュージョン・ビギニングの団員だ!


「…シャシュカに八端十字架のロザリオ。紫のアルバとフード。そして大柄な男。間違いないよ。巫術師だ」

「幹部が直々お尋ねか。舐められたものだ」


左手シャシュカに、右手にオブレズ。モシン・ナガンを切り取ったタイプだ。俺達と戦う気らしい。


「なぜこっちに来た?」

「主のご命令だ。私達を見つける前に必ず始末する。覚悟しろ。私には見える。貴様らが戦死(ヴァルハラ)に導かれると」

「気をつけろムスペル。シャーマンは不死身と言われている。かつて存在した怪僧、グリゴリー・ラスプーチンの血を繋いでいる。能力も繋げているという」


どうやら、只者ではないようだ。


「行くぞ!ニヴルヘイム!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ