書き置き
宿の食堂で夕食を食べている時に思い出した。
「2人とも向こうでは苗字と名前は逆から名乗らないとヤマダさんみたいになっちゃうから」
「レーヴェ殿、ヤマダとは大剣豪のヤマダか?」
「はい」
「なるほど、だから大和国でも苗字だけで本人を知っている人物が少ないという話を聞いたことがある」
「僕とミリーさんは大和国に来た時にヤマダさんの村に行ったから」
伴助さんと凛ちゃんからヤマダさんの話を聞くとほとんどが憶測や人伝いに聞いた話で本人とはほど遠い存在になっている。
「ヤマダらしいわ〜目立ちたがりやじゃないのよ、技は派手なくせに」
「ミリー殿も知っておられるのか?」
「ミリーさんはヤマダさんと昔パーティーを組んでいたんだ、僕のお父さんとお母さんも同じパーティーだった縁が今になってるのかな」
「里を出たのは正解だったな」
珍しくお酒を飲んで潰れてしまったミリーさんをお姫様抱っこして部屋まで運ぶ
「レーヴェ、重くないのかぇ?」
「女性に重いなんて言うのはダメだよ玉藻」
「あれじゃ、オークのようなオナゴがいるじゃろ」
マルタの王都で見たことがある肥った貴族の女性
「あれはふくよかって言うんだよ」
「レーヴェくんは女性の扱いが上手だよね」
「そうかな、雑な態度をするとお姉ちゃんが怒るから」
お姉ちゃんはミラお姉ちゃんのことだ。今思うとミラお姉ちゃんより凛ちゃんの方が大きい
ミリーさんをベッドまで運び終え、自分の部屋へ戻る
「あれ、伴助さんがいない」
机の上には書き置きがあり、「凛を頼む」とだけ
「ワイズ」
「ホッホ〜」
ワイズは部屋の窓から飛び立った。
「普段から酔わないミリーさん、伴助さんの書き置き、追っては僕の強さを知らない、玉藻も警戒されていないようだし」
「にゃあ~」
「ノワール、3人を守って欲しい」
「にゃ」
「嫌だって、なんでだ?」
「にゃにゃ」
「分かったよ」
最近はフィクスがノワールのいた定位置を横取りしたからだろうな
僕は宿を出て、飛んでいるワイズの誘導に従っていると武器と武器がぶつかり合う音が聞こえる
近づいて見ると、伴助さん1人に対して5人、連携して攻撃を仕掛けている。
そしてレーヴェは




