初めてのゴブリン
ミリーさんが旅立ってから数ヶ月、季節は秋になり、緑一色だった森にも茶色や赤色、黄色と色とりどりになって来た。
「レーヴェ、収穫に行くよ」
「準備してくるよ、ミラお姉ちゃん」
弓と矢、腰にはナイフを閉まって、背負い籠を背負って準備はよし、いっぱい採れても身体強化を使って帰れば大丈夫
「今日はお母さんとアーサーお兄ちゃんもいる」
「秋にしか採れない薬草があるからそれにアーサーも覚えないといけないからね」
「2人共、はしゃぎ過ぎて迷子にならないように」
4人で森の中へお父さんは収穫の作業中だよ、お父さんには大物を仕留めてこいとも言われてる
お母さんとアーサーお兄ちゃんは薬草を探すためゆっくりと進み、僕とミラお姉ちゃんは部分強化を使っていつもの狩場に向かう
「ミラお姉ちゃんも『探知』とか『鑑定』くらい覚えようよ」
「レーヴェがいるからいいのよ」
「でもパーティー組めなかったらどうするの?」
「その時はその時で考える」
ミラお姉ちゃんはお母さん似で将来は綺麗になると思うけど性格はお父さん似なんだよね、お母さんが言うには昔のお父さんそっくりらしい
「お姉ちゃん」
「どうしたのよ」
「ゴブリンが3体近づいてる」
「人型の魔物ね、腕が鳴るわ」
「分かったよ、僕は援護射撃すればいいよね」
「何言ってんの、私が2体、レーヴェも1体倒すのよ」
ゴブリンが近づいて来るまでまだ距離があるため、木から木へ飛び移りながら静かに距離を詰めていく
射程内に入ったゴブリン1体の頭を狙い射る。
人型の魔物は頭や心臓が弱点で人間と同じ、他にはオークやオーガ、ミリーさんが言うには二足歩行で歩く魔物は大体弱点が同じらしい
部分強化を矢に施して射る。矢は吸い込まれるようにゴブリンの眉間に突き刺さり、絶命した。
残りの2体は仲間が殺られたため警戒をしだした。そこにミラお姉ちゃんが颯爽と片方のゴブリンを一刀で斬り倒した。
「あんたで最後よ、来なさい」
なんで煽ってんのミラお姉ちゃん、木から木へ飛び移り、狙えるポジションを探す
激昂するゴブリンとミラお姉ちゃんはとてもいい勝負をしている。ここで援護に入るべきか悩む
「いい加減に斬られなさいよ」
「ギャギャギャギャ」
「煩いわね」
ミラお姉ちゃんは片足に部分強化を施してゴブリンの腹を蹴り、吹き飛ばすがゴブリンの爪がお姉ちゃんの足を引っ掻いた。
ミラお姉ちゃんは引っ掻かれた足が痛くて立てないみたいだ、ゴブリンの方はすでに立ち上がり、ミラお姉ちゃんに接近しているため、弓で狙いを定めて射った。
矢がゴブリンに突き刺さるのと同時にゴブリンの身体が斬り刻まれた。
「2人ともそこに座りなさい」
お母さんが風魔法でゴブリンを斬り刻んだみたいだ、ミラお姉ちゃんはアーサーお兄ちゃんの治癒魔法の練習代で治癒されながら僕は正座でお説教
「レーヴェの手際とミラは1体目は一撃で倒せているのは評価するけど2体もさっさと倒さなかったの」
「えっと〜いい勝負だったのよ」
「場所を変えたけど射線軸にミラお姉ちゃんがいて射れなかった。」
こってり怒られて、ミラお姉ちゃんは1週間森の中にいくのは禁止になった。
「レーヴェも連帯責任にしてよ」
「飛び火なんですけど」
「レーヴェは3日間だけね」
大きめの猪を狩って家に帰った。帰ったら帰ったでお父さんからも説教だよ
「ミラは油断しない慢心しない調子に乗らない、明日からみっちり扱いてやるからな」
「え〜」
「レーヴェ、お前もだ」
「そんな〜」
「つべこべ言わない」
「「 は〜い 」」