精霊界へ2
闇の精霊の領域まで走って移動する。
「ワイズ、このまま真っ直ぐ?」
「そうじゃ」
光の精霊獣ワイズは白いフクロウでお年寄りのような話し方、優雅に飛んでいる。
「レーヴェ、頑張るのよ〜」
闇の精霊獣ノワールは黒猫で女の子らしい、僕の肩に乗って応援だけしてる。
「のう、小娘」
「何よ、おじいちゃん」
「お主も走らんのか?」
「ここは私の特等席なのよ」
「2人とも、喧嘩はしない ノワールも適度な運動をしないと太るよ」
「それは嫌ね」
ノワールは僕の肩から降りた。
「レーヴェよ、精霊は基本自由な存在じゃ」
「ノワールを見てたら分かるよ」
「ここから先、好戦的な精霊や騙してくる精霊もいるじゃろう」
「うん」
「おぬしはどうする?」
「戦うなら戦うよ、騙してくる精霊は無視するよ」
「そうじゃな」
走っていると巨大な竜巻が後ろから迫ってきていた。
「レーヴェ、逃げるのじゃ」
「早く逃げなさい」
ノワールとワイズは僕の肩に飛び乗ってきた。
「ワイズ、重い」
「わし、重いの?」
「レーヴェ、巻き込まれるわよ」
「ノワール、あれって精霊が使う魔法だよね」
「そうよ」
「なら、打ち消せばいいじゃん」
「そ、そうよね、私とレーヴェならいけるわよ」
シルバースフィアを剣の変化させた。
「凄い武器じゃのう」
「ノワール、やるぞ」
剣に闇属性を注ぎ、漆黒の剣になった。
2回目だから初めて使った時よりもスムーズだ。
「『アビスブレイド』」
漆黒の巨大な斬撃が巨大な竜巻と打つかり、竜巻を打ち消した。
「精霊魔法を武技にして放った。中々面白いのう」
打ち消した竜巻から出てきたのは長いヘビ
「ヘビだよねあれ?」
「あれは龍よ、しかも風の精霊王の右腕ね」
「ヘビじゃないんだ」
「レーヴェは怖いもの知らずじゃのう」
龍は空から降りてきた。
「人間が迷い込んだと報告を受けたのだが」
「闇の精霊の領域に行くのよ、いきなり攻撃してきて失礼しちゃうわ」
「光の精霊獣、お前もか」
「わしはこのレーヴェが気に入ったから契約までしたからのう」
「精霊門を通ったら風の精霊の領域に到着しただけよ」
「なるほど、風の精霊王様にはそう伝えておこう」
龍は飛び立った。
「僕、何も話してないけど」
「精霊同士の交渉なら精霊に任せなさい」
「わしも知恵は出すぞ」
闇の精霊の領域に向けて走り出した。
「レーヴェ、着いたわ」
「もう、着いたの?」
「ここは闇の精霊の領域じゃのう」