夜襲されるゴブリン
早めの夕食を摂り、少しの仮眠をして夜まで待った。
「レーヴェくん、準備はいい?」
「大丈夫」
寝る前は月が出ていたけど今は雲に隠れてしまってとても暗い
「行きましょうか」
ゴブリンの集落は森の奥にあり、暗くて足元も見えない森の中を歩くのだが、ミリーさんは慣れているようで僕は闇魔法『ナイトビジョン』を使っている。
「レーヴェくん、今回は私も少しだけ手助けするけど」
「少しだけって」
「弓で援護するくらい」
「にゃ」
「ノワールもいるから大丈夫だよね」
作戦という作戦はなく、夜襲を開始する。
僕はノワールの精霊魔法で姿を消してゴブリンの集落のど真ん中に行き、シルバースフィアテンタクルモードで次々とゴブリンを一撃で葬っていくがテンタクルモードで倒せないゴブリンがいた。
「『ゴブリンナイト』『ゴブリンキング』か」
ゴブリンより大きく剣と盾、鎧を纏ったゴブリンナイトが5体と頭に王冠を乗せたゴブリンナイトよりも体格が大きいゴブリンキングが現れた。
「にゃあ」
「アビスブレイドなら瞬殺出来るって、まだ使わないよ」
「にゃ〜」
僕はゴブリンナイトに『ウインドカッター』を放つが別のゴブリンナイトが盾で防いだ。
「にゃにゃあ〜」
「闇魔法なら盾も鎧も貫けるって土魔法でも出来るだろ」
「にゃは〜」
攻撃魔法で牽制しながらノワールの助言を聞いていた。
「闇魔法だろ『シャドウスパイク』」
ゴブリンナイトたちとゴブリンキングの足元から闇属性の槍が飛び出し、2体のゴブリンナイトの足を貫き、機動力を奪った。
「にゃあ」
「ノワールの助言通りだったよ、アビスブレイドは威力が強いから素材が駄目になりそうなんだよ」
「にゃにゃ」
「分かった、やってみる」
シルバースフィアを大鎌に変化させ、闇の精霊魔法を纏わせる。
「にゃあ〜」
「『デススラッシュ』」
大鎌から放たれた斬撃はゴブリンナイトとゴブリンキングの首を刈り取り、倒した。
「にゃ」
「勝てばいいって勝ったからいいけど」
ミリーさんが走って来た。
「レーヴェくん、お疲れ様」
「ミリーさん、援護してくれた?」
「する前に終わっちゃった」
上位のゴブリンの死体だけアイテムボックスに保管して残りは土魔法で穴を掘り、死体を入れて燃やした。
村に戻って仮眠してから王都へ帰ることに