ミリーと訓練
その日の夜、子供たちが寝静まった頃
「レーヴェくんは鍛えがいがありそうね」
「ミリー、レーヴェはまだ5歳だぞ」
「クライド、大声を出さない」
「す、すまん」
大声を出したクライドはマリーナに怒られた。
「気に入ったから仕方ないじゃない」
「レーヴェをどうするんだ?」
「旅をしながら鍛えるつもり」
「ミリー、せめてあの子が10歳になってからでいい?旅をするのにもステータスカード必要になると思う」
「それは分かるけど、本音は?」
「つい最近だ、2番目の兄が死んだ。親父は今だに後継者を選んでないしな」
「私の実家の方も不穏な動きをしているし、5年後ならアーサーは学校を卒業する頃でミラは冒険者学校に通っている。レーヴェを1人になるのは危険だと思うわ」
「と言うことだ。5年後、レーヴェを2年間頼む」
「分かったわ」
「マリーナもそれでいい?」
「ええ、レーヴェをお願いね 」
次の日
朝からガンダルフ先生の授業、マナーの方も完璧ではないけど上達したと思う。ミラお姉ちゃんはかなりあやしいけど
それとミラお姉ちゃんが苦手な計算の勉強をするようになった。ミリーさんから計算が出来ないと酷い目に合うと教えられたからで実例も聞かされたらしい
昼食後から外で訓練、今日からガンダルフ先生にミリーさんが加わる。そのおかげでガンダルフ先生の負担が減ったのは大きいかな
アーサーお兄ちゃんはガンダルフ先生にみっちり杖術を教えてもらっている。
僕とミラお姉ちゃんは
「今から魔法と弓で攻撃するから身体強化のみを使って逃げるように」
身体強化を使えば簡単だと思ったら地獄だった。使う矢は先を潰して当たっても痣ができるくらいで魔法は風魔法『エアロボール』のみなんだけど
「楽勝じゃない」
「お姉ちゃん、後ろ」
「え」
ミラお姉ちゃんは背後から『エアロボール』に当たって軽く飛んだ。
「魔法は色々と改良出来るのよ」
ミラさんは『エアロボール』放ち、嫌なタイミングで弓を放ってくる。
「お姉ちゃん、身体強化を足のみにやってみよ」
「レーヴェ、何言ってるの?」
「ミラさんが言ってたでしょ魔法は改良出来るって」
身体強化の場合は身体の中の魔力を全身に纏わせるようにするが全身ではなく両足のみに纏わせようとする。
「たぶん出来た」
「嘘」
「お姉ちゃんも頑張ってね」
普通の身体強化よりも早く動けているが
「うわぁぁぁぁ」
バランスを崩して木に激突して気を失った。
「気がついた」
「レーヴェ、大丈夫?」
「うん、大丈夫」
「レーヴェくんが使った部分強化は正解よ」
「私も出来るようになったのよ」
ミラお姉ちゃんは自慢気に言っている
「2人とも部分強化が使えるようになったから明日は武器を使って魔法を斬る訓練ね」
「望むところよ」
「お手柔らかにお願いします。」
部分強化を使い木に激突しないように訓練してから家に帰った。