ミラ、王都へ4
夕方まで剣を振ってから本邸の方へ戻るとメイドに捕まりまたお風呂へ、また服と下着を脱がされて洗われる。
身体を拭かれた後に別の新しい下着とドレスを着せられて別の部屋へ連れて行かれる。
この家、部屋が多いし広いから全然馴れない
部屋を開けるとお祖父ちゃんとお祖母ちゃん、お母さんにミュゼと紅髪のお父さんくらいの男の人がいた。
「ミラ、こっちよ」
お母さんに呼ばれて席に座る
「マリーナ、紹介してくれるかな?」
「娘のミラよ」
「ミラです。職は『剣聖』です。」
「私はリッター・ヴェルゲート、ミュゼの父親で宮廷魔術師をしているよ」
ミュゼはたぶんお母さん似なんだろう
「えっと、お母さん?」
「リッターお兄様、食後にミラと模擬戦をしましょう」
「いいよ『魔術師殺し』の対策はしているからね」
ミュゼが教えたのか?魔法使い相手に取る戦法は2つ、どちらかで攻めればいいだけ
夕食で出てきた食事もガンダルフ先生の授業のおかげで乗り切れた。学校の寮に入るまでこれが続くと思うとぞっとする。
食後、動きやすい服に着替えて訓練場へ行くとすでに揃っていた、執事のジョンとメイドの人たちも
「ミラちゃん、私の方はいつでもいいよ」
「よろしくお願いします。」
相手の職が分からないで模擬戦、武器や杖は手に持っていない
ワイルドウインドを構えて、部分強化と風属性を足に纏わせて高速で接近して斬るが見えない壁に阻まれ、剣が弾かれた。
「私の職は『結界師』、物理攻撃や魔法攻撃は受付けないよ」
「じゃあ、これなら」
気と魔法は反発しあうけど、ワイルドウインドには2つの能力がある。
1つ目は風属性を纏わせる能力、もう1つは使わないけどこれに武技を組み合わせる。
レーヴェみたいに器用なことは出来ないけどこれが今の私が考えられる最大限
「武技『断空裂波』」
剣を上から下へ振り下ろした一閃は結界を1枚、2枚と破壊していくが
「危ない危ない、8重に張った結界をあと1枚まで破壊されちゃったよ」
私は全力を出し尽くして意識を失った。
「マリーナ、気と魔法を同時に使っていたけど」
「あれはガロックが作った魔剣の力よ、弟のレーヴェの方がもっとヤバいわ、気と魔法を左右で使い熟すから」
「常識が壊れていく気がするよ」
「私とクライド殿下の子供たちですから」
倒れたミラはジョンとメイドたちが部屋へ運んでいった。
「ミラを学校が始まるまで預けるつもりだったんだけど、ミュゼちゃんあの子と一緒にいれば強くなれるわよ」
「マリーナ、ミュゼの説得は私がやっておくよ」
翌朝、目覚めると知らない天井だった。全力を出して倒れたんだったけ 起きて、鞄の中にある服を取り出して着替えて訓練場に行くと
「ごきげんようミラ」
「おはよう、ミュゼ」
訓練場でミュゼに会った。
「ミラ、私に接近戦を教えてくださいまし」
「いいけど、なんで?」
「ヴェルゲート侯爵家は魔法使いの家系です。接近戦なんて皆無ですわ」
「退屈しなさそうね」
レーヴェが入学する頃には剣聖ミラと賢者ミュゼは超有名人なっていた。




