ミラ、王都へ1
私の大好きな弟のレーヴェがステータスカードをもらって帰って来てから数日、私の荷造りもレーヴェに手伝ってもらった。
「ミラ、王都に行くわよ」
「お母さん、荷造りも終わったけど」
「なら行きましょう」
お母さんは冒険者の格好をしており、荷物はない、私は大きなリュックに荷物を入れてパンパンに膨らんでいて腰には『ワイルドウインド』を帯剣している。
「お母さんは荷物無いのね」
「アイテムボックスに入れてるわよ」
「レーヴェに会ってもいい?」
「それはダメ」
「なんで」
「次に会う時の楽しみにしておきなさい」
理由は教えてくれなかったけど渋々言う事を聞いた
お母さんと村の外に出てから街道を離れて森の中へ
「お母さん、王都に行くのよね」
「ええ、すぐに着くわよ」
意味が分からないため、黙って付いて行くと祠を発見した。
「壊れていないわね、ミラ 今からやる事は絶対に秘密よ 知っているのはお父さんくらいよ」
「分かったわ」
お母さんは祠に魔力を流すと魔法陣が足元に現れて浮遊感がほんの一瞬だけあり、似たような祠がある知らない場所にいた。
「お母さん、ここは?」
「王都のはずれにある場所よ、人避けと魔除けの結界も機能しているわね」
お母さんの話によると王都の祠と村の祠は2つで1つの古代の魔道具、アーティファクトと言うらしい、使い方はお母さんだけが知っている。
「今から話す事だけどお母さんの実家は侯爵家なの」
「侯爵って貴族なの?」
「そうよ、嫌な相手と結婚したくないから冒険者になって似たような理由で冒険者になったお父さんと出会ったのよ」
ここからはお母さんとお父さんの馴れ初めを初めて聞かされた。私にはレーヴェがいるから
「王都の学校には舞踏会もあるからダンスの練習も必要になるし、あとドレスもね」
「うわぁ、めんどくさい」
「2年後」
「2年後?」
「綺麗になった姿をレーヴェに見せてやりなさい」
「お母さん、頑張る」
王都に入るには2カ所あり、1つは平民や商人が入る門。もう1つは王族や貴族専用の門があり、今回は貴族専用の門、通称貴族門から入る事にお母さんの実家は貴族街と呼ばれる王都の中にある貴族が住んでいる場所にあるらしい
「待ってここは貴族専用の門だ」
「はい、これ この家紋で分かるでしょ」
お母さんはアイテムボックスからナイフを取り出して門番に見せた。ナイフの鞘には豪華な模様が付いている。
「失礼しました。」
「ミラ、行くわよ」
「うん」
貴族門から貴族街へ行き、お母さんの実家へ
「ここ?」
「そうよ、ここがお母さんの実家、ヴェルゲート侯爵家よ」
貴族の屋敷なのに門番がいない、来る途中で見た屋敷には門番がいたのに
お母さんと私は門をくぐるとスラッと背の高いおじいさんが出迎えてくれた。
「おかえりなさいませ、マリーナお嬢様」
「ただいま、ジョン」
「マリーナお嬢様、そちらの麗しいレディは?」
「私の娘のミラよ」
「これはこれは、ヴェルゲート侯爵家執事長、ジョンと申します。ジョンとお呼びくださいミラお嬢様」
「ミラです。よろしくお願いします。」
ジョンに案内されて屋敷の中へこれからお祖父さんとお祖母さんに会うことになっている。
どんな人だろう?