綺麗なエルフのお姉さん
ガンダルフ先生が村に来てから1ヶ月が過ぎた。
アーサーお兄ちゃんはお母さんから読み書き、計算を教えてもらっていたため、歴史とマナーのお勉強、僕とミラお姉ちゃんも一緒だ。
ガンダルフ先生は奥さんと一緒に村に移住、2人の息子と3人の娘がいるが宮廷に仕えているか貴族の屋敷で仕事をしているらしくとても優秀な人たち
夜、夕食を食べながらお父さんがガンダルフ先生の話をする。
「ガンダルフは昔、宮廷魔術師だったんだよ 二つ名は『魔術師殺し』」
「冒険者ランクならS級でもおかしくないと思うわ」
優しそうなあのお爺さん、強かったんだ。アーサーお兄ちゃんは杖術を教えてもらっていたっけ
「ガンダルフ先生は凄い人だよ」
「お爺ちゃん、剣の心得もあるみたいだし」
アーサーお兄ちゃんとミラお姉ちゃんからの評価も高い
「お父さん、なんで『魔術師殺し』なの?」
「それはな、ガンダルフは闇魔法に特化しているからなんだが闇魔法はどんな魔法か分かるか?」
「影を操る魔法よ」
「たしか、妨害が得意な属性だったはずだよね」
「ミラの答えは一応あっているけど、アーサーの答えが正解ね」
「闇魔法に『ディスペル』って魔法があるんだがそれは相手が構築している魔法に干渉して不発させる魔法だ、身体強化で接近戦に持ち込んで杖術で倒す。接近されたら魔法使いは無力だろ」
「うん、お父さんの言う通りだね 杖術を覚える理由になるね」
僕も『ディスペル』覚えてみたい
さらに3ヶ月がたち、気温が暖かくなって来た。
お昼ご飯を食べて、今日は訓練が休みの日 村の中を歩いていると
「あら、あなた」
「どうしたの?エルフのお姉さん」
「あなたのママに会える?」
「お母さんの名前を知ってる?」
「マリーナよ」
「じゃあ、案内するね」
エルフのお姉さんをお母さんがいる診療所へ連れて行くのだがなぜか手を繋いで歩いている。お母さんとお姉ちゃん以外だと初めてで触れている手が温かい
腰くらいまでの長い金髪で細身、弓を背負っている。
「ここだよ、今の時間なら患者さんは少ないと思うけど」
診療所の中に入り、お母さんを呼ぶ
「どうしたの?レーヴェ」
「マリーナ、久しぶり」
「久しぶりね、ミリー」
どうやら昔のパーティーメンバーのようだ。前に来たドワーフのガロックさんから話を聞いて遊びに来たらしい
「1週間くらい泊まるから」
「部屋も余ってるし良いわよ」
「じゃあ、レーヴェくん狩りに行こうか」
返事をする前に脇に抱えられて村の奥にある森の方へ
「あ〜行っちゃったわ」
「ミリーさん、止まって〜〜〜」
「舌噛むわよ」
木の上をぴょんぴょん飛んで移動して森の中を移動する。
「この辺りかな」
「ミリーさん、ここ川だよね」
「今日は釣りをします。」
「弓で鹿とか鳥を狙わないの?」
「魚の気分なの」
ミリーさんから釣り竿を受け取り、餌の付け方や釣るタイミングを教えてもらって釣りを始める
「あっ、また逃げられた」
「レーヴェくん、1匹でも釣れたらいいことしてあげるわ」
「いいことって気になるから頑張ってみる」
帰る間際にようやく1匹を釣り上げた。ミリーは9匹釣っていた。
「ミリーさん、いいことって」
「まだ教えない」
釣った魚はマジックバッグ、ポーチみたいな鞄に収納して帰りも脇に抱えられながら村へ
「ミリーさん、家まで案内するよ」
「精霊が教えてくれるから大丈夫よ」
脇に抱えられた状態で家に帰った。
「ただいま〜」
「クライド、1週間くらい世話になるから」
「お、おう」