国王陛下と第3王子
クライド視点
定期報告はマリーナが実家の伝手を使ってやっているのだがどうしてこうなった。
俺はそもそも王になりたくなかったから冒険者になった、騎士団になっても国からの命令に従うだけで本当の意味で自由にはなれない
「数十年振りですかね、国王陛下」
「ヴェルゲート家からの定期報告は聞いてはいる」
「そうですか」
空気が重い、レーヴェと本気で模擬戦した時よりもきついぞ
「次の王にはクライドを指名しようと思っていた。」
「俺には無理だ、堅物が王になったら傾くだけだしな」
「分かっておる、次期国王候補は孫たちを指名しようと考えておる」
「孫?レーヴェなら熟すだろ、アーサーは優しすぎるがいい王になると思う、ミラは無理だ、あれは俺と同じ匂いがする。」
「確かにレーヴェなら王になれる素質はあるが、あの武力を間違えた方向に使うと取り返しがつかない」
「親父の言いたいことは分かる。」
昔からレーヴェは子供には見えないくらい考えていたからな
「あやつ、宮廷魔術師を壊滅させおった。」
「ガンダルフに勝てるからそうなるだろ、どこの馬鹿が喧嘩を売ったんだ?」
「パツキン伯爵家じゃな」
「堅物の派閥の家か」
「派閥に入っているやつらは全員解雇、宮廷魔術師はなくなったが各得意分野の魔法で国に貢献してもらっておる」
俺も昔、考えたことがあるな
「結局、次期国王候補はどうするんだ?」
「クライドの所のアーサーとレーヴェはすでに候補に上げている」
「俺の息子たちは厄介だぞ色々とな」
「4公爵家、デロードの息子たちだ」
「レーヴェの相手にならんだろ」
「ならんな」
久しぶりに親父と話した。老けているが元気そうだ
話し終えた、親父は城へ帰って行った。
「レーヴェ、なんでそんな大金持ってんだよ」
「ワイバーンとかヤマタノオロチ討伐報酬とかだよ」
「ヤマタノオロチって大和国の紙芝居に出てくるあれか?」
「そうそうそのあれだよ」
大和国には絵本はなく、紙芝居屋があり、大和国にある昔話が描かれた物語を聞くことができる。
お父さんたちは冒険者時代に大和国に行ったことがあるようだ。
「今日は泊まるわ」
「何言ってるの?クライド、私の実家に行くわよ」
「え?」
お父さんはお母さんの拘束魔法で拘束され、重力魔法で浮かび上がらせて、僕の家から出て行った。
「いいお父さんとお母さんだね」
「そうだね、伴助さんもいいお父さんだと思うよ」
「うん、ありがとう」