ミスト侯爵と会談
翌朝、川の上流、ミスト侯爵領の果てとも言える場所までやって来た。
「ここは普通ね」
「やっぱり、ウォータードラゴンが原因だったのよ」
ノワールとワイズにも探ってもらったがお姉ちゃんたちと同じ見解になった。
「レーヴェくん、そろそろ戻らないと時間なくなるよ」
「凛ちゃん、早く戻れる手段があるよ」
全員でイカダを作って川の上を進む
「ミュゼお姉ちゃん、もう少し出力を上げて」
「加減が難しい〜の〜よ〜」
「凛ちゃん、交代してあげて」
「うん」
ミュゼお姉ちゃんと凛ちゃんは交代して風魔法でイカダの速度を早めている
「レーヴェ、私もやるわ」
「ミラお姉ちゃんは何もしなくていいから、加減も分からないでしょ」
ミラお姉ちゃんは可愛い、綺麗、脳筋、不器用、力加減が分からない人 ミラお姉ちゃんに任せるとイカダは粉々分解されてしまうことは誰でも予想できる
あっと言う間に牛鬼を倒した場所も通り過ぎて僕たちが来た村を通り越して、領都の近くを流れている場所まで到着した。
それからはミュゼお姉ちゃんがヴェルゲート侯爵家の力を使いミスト侯爵と会談までが数分で決まり、迎えの馬車に乗ってミスト侯爵家へ
「ミュゼ・ヴェルゲートでございます。急な会談をご承諾いただきありがとうございます。」
「セルゲイ・ミストだ、君たちが実地調査をしていることは部下から聞かされている。そちらは」
「こちらは従姉妹のミラとレーヴェ、レーヴェの御学友のリンとイリーナです。」
ミュゼお姉ちゃんは川を見て思ったことや僕や凛ちゃんが言っていたことをそのままミスト侯爵へ話た。
「大和国の主食、米か」
「用意出来ますが試食なさいますか」
「1度、食べてみないと分からないからな」
「ミュゼ様、炊きたての方がよろしいでしょうか?」
「そうね、そうしてちょうだい セルゲイ様、厨房をお借り出来ますか?」
「ぜひ、使ってくれたまえ」
僕と凛ちゃん、イリーナは執事さんに連れられて厨房へ
米を洗って土鍋に水と一緒に入れて炊く
「坊主、何を作っているんだ?」
「これは大和国の米っていう主食、ミスト侯爵家の領地はこの米を作るのに適しているから水害への対策とか色々今話しているんだ。」
米の無限の可能性をコックに話し、アイテムボックス内にある炊きたてのおにぎりを提供した。
「「「 美味い 」」」
「大和国ではこれが主食なんだ」
コックたちは米の素晴らしさに感化されたようだ。
炊きたての土鍋を会談していた場所へ運んだ
「これは美味いな」
米が決め手となり、最後の話をする。
「セルゲイ様、第1王子派から抜けてもらいたいのです。」
「私に殿下を裏切れと」
「すぐに他の派閥に入れとは言いませんわ、第1王子派の泥舟は深刻です。それとレーヴェはナーゲル・パツキンに暗殺者ギルドを差し向けられたようでして」
話が長くて飽きてきた僕は
「宮廷魔術師、全員倒してもいいんだけど 僕の師匠は『魔術師殺し』のガンダルフ先生だよ」
「貴族って話が長いから相手にしたくないのよね、私たちの父親の名はクライド、母親はマリーナ、これだけで分かるでしょ」
凛ちゃんとイリーナはフィクスの世話をしてもらうために席を外してもらった。
「これは情勢が大番狂わせが起きる」
国王の座を狙っているのは第1王子だけではなく、この国にある4家ある公爵家も狙っているらしく
ミスト侯爵は第1王子の手駒とも思えるが北の公爵家のスパイでもある。
第1王子派を抜けることは保留になった。




