対ウォータードラゴン2
ミュゼの『サンダーストーム』はウォータードラゴンにダメージを与えることが出来たようで、ウォータードラゴンの全身から湯気が上がっている。
「『フィジカルブースト』『パワーブースト』『スピードブースト』」
イリーナはミラと凛に補助魔法を掛けた。
補助魔法には10段階があり、初めて掛ける相手なら2〜3段階、まだ身体の成長が終わっていない子供だとそれ以上は身体が補助魔法に追いつけなくなり、身体への悪影響があるが『フィジカルブースト』のおかげで『パワーブースト』『スピードブースト』は4段階にしている。
『フィジカルブースト』は身体能力の強化
『パワーブースト』は攻撃力の強化
『スピードブースト』は素早さの強化
「イリーナちゃん、補助魔法は何段階掛けたの?」
「フィジカルが2、パワーとスピードは4です。」
「フィジカルのおかげでパワーとスピードを1段階上にできるのね」
「フィジカルは使い過ぎるとフィジカル中毒になるから多用はしない方がいいです。」
「昔、流行ったっていう脳筋中毒ね」
ミラとリンの連携攻撃でウォータードラゴンの鱗は剥がれ、少し血も流れている
「2人とも川から離れて『アイスコフィン』」
ミュゼは2人を川から離れさせて、凍りつかせる魔法を放った。
ウォータードラゴンは回避に間に合わず、氷漬けになり動けなくなった。
「どう、レーヴェ」
「ミュゼお姉ちゃん、この魔法だと時間で溶けて暴れだすよ」
「私の精一杯なんですが」
「こうするんだよ『アブソリュートゼロ』」
ウォータードラゴンを拘束していた氷が更に硬くなり、冷気が溢れ出ている。
「これで溶かしても死んでるよ」
「え、嘘」
ミュゼお姉ちゃんは置いといて
「凛ちゃん、全体の評価は?」
「100点満点中50点くらい、『サンダーストーム』後に補助魔法の強化までは良かったんだけど」
「ミラお姉ちゃんが遊んでいたからだね」
「遊んでいないわよ」
「ミラお姉ちゃんは昔から戦っている時間を長引かせて遊ぶ癖はそのままなんだけど」
ミラは黙ってしまった。
「ずぶ濡れのままだと風引くから焚火するから服を乾かして」
「それはいいんだけど、レーヴェくん、テント出して」
「テントいるの?」
「いるわ、女の子を外で裸にするつもり?」
「ごめんなさい」
テントを出して、女の子たちはテントの中で着替えている。
「完全に忘れていたよ」
「にゃ〜」
「ノワールも女の子だったね」
濡れた服は木と木の間にロープを張って吊るしている
「白、白、白、オレンジ?」
「レーヴェくん、どうしたの?」
「凛ちゃん、オレンジ色の下着があるから」
「あれはミュゼさんのよ、大人っぽいよね」
「そうなのかな〜」
服が乾くのを待ってから更に上流へ向かう
「今日はここで野営だね」
夕食を食べたあと、みんな話したいことがあると思うし今日は見張りをするため起きておく
最初に話かけて来たのはミュゼお姉ちゃん
「レーヴェくん、どうするの?」
「ミュゼお姉ちゃんの身分があれば領主に会えると思う、上流でウォータードラゴンを倒したことは話すかな」
「そのあとは?」
「貯水池の話と大和国の米の話だね、田んぼを作ってもらうかな、最後に第1王子派を抜けてもらう話」
「簡単に抜けると思う?」
「そこはあれだよ、パツキン伯爵を生贄にする」
「レーヴェくんの身分は平民で平民が貴族に楯突くのは」
「法律でもあるの?暗黙の了解?僕は守りたい物のためなら斬るよ 相手がガンダルフ先生クラスなら少し厳しいけどそれ以下なら相手にならない」
その後は他愛もない話をしてミュゼお姉ちゃんはテントに戻っていった。
凛ちゃんとイリーナと話たがミラお姉ちゃんは朝まで起きてこなかった。