『ハロウィン』
ハロウィン(ハロウィーン)とは毎年10月31日に行われる、古代ケルト人が起源と考えられている祭りのこととされている。
しかしながら、日本では祭といってしまっていいものかどうか。
千葉にあっては某大型テーマパークの影響で、ハロゥインは9月の行事だと思い込んでいる子供も少なくない。
まかり間違えば、大人でさえも9月の末日がハロウィンだと錯覚してしまう大騒ぎの年中行事になっている。
もともとは秋の収穫祭である。
殆どの農家で稲刈りは八月中に終えている。
日本の場合は9月の収穫祭でも何の問題もないが、ハロウィンは悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事であった。
原点に立てば、やはり決められた日に行うのが本筋というものだろう。
現代では宗教的な意味合いは殆どなくなっている行事である。
カボチャをくりぬいて「ジャック・オー・ランタン」を作り、きたるサバイバル世界で生き抜く手立てを学んだり、子どもたちが変装して『御菓子をくれなきゃ、一家皆殺しだよ~』と近所の家々を脅迫しては金品を強奪する。
このように諸外国では、将来ホームレスになっても食い物だけは何とか確保する方法を学習する為の風習などが残されている。
日本では何をやっているか、キディランド原宿店が1970年代にハロウィン関連商品の店頭販売を開始している。
宗教や習慣、教えや訓練といった為になる事は全く伝承されず、ひたすら商売繁盛に利用され続けてきた。
バレンタインやクリスマスと同様の扱いである。
日本の古き良き風習しきたりを、カビの生えたつまらない行事と隅っこに押しやって、根本に何があるのかなど全く無視して西洋の行事はハイカラでかっこよくて良い物と決めつけ思い込ませて広めていく。
古くから日本に根付いている行事には、既得権をもった業者がしっかりへばり付いていて、新参者は入り込んで商売をするすきがない。
ならば新しい催し行事を習慣にして、毎年稼ぎましょうよと頑張った結果、今や国家国民をあげての一大イベントにまで成り上っている。
1983年10月には、同じくキディランド原宿店が販売促進の一環として日本初とされるハロウィン・パレードを開催した。
もはや宗教色は皆無。
完全に娯楽行事としてハロウィンは行われている。
ハロウィンのパレードとしては、JR川崎駅前の「カワサキ・ハロウィン・パレード」が知られている。
3000人が仮装パレードに参加し、10万人もの人が見物に集まる。
なんと暇人の多い事か、仮装ごときがそんなに面白いか。
仮装が見たければ秋葉原に行けば何時でも見られる。
志向が若干偏り過ぎている観は否めないが……。
東京ディズニーランドでは、1997年10月31日に園内に仮装した入園者が集まるイベント「ディズニー・ハッピーハロウィーン」が開催されたのが騒ぎのはじまり。
話題になると良い調子に勢いづいて2000年10月31日には400名の仮装した入園者とディズニーのキャラクターが園内をパレードする「Happy Halloween Twilight Parade」を開催した。
更にこれはいけるぞ美味しいぞと、2001年からは毎年恒例の園内イベントとしてパレードを始めた。
次第にエスカレートする秋のイベントが、現在では9月初旬から始まっている。
元の祭の趣旨を完全に無視している。
独自の判断と解釈による、まったく別物のイベントとなっているのだ。
普段から全従業員が仮装した状態のディズニーランドでは、この時期だけボロキレを張り付けた着ぐるみがゾンビですと歩けばそれなりに見えてしまう。
業務上で作業が増えるのは衣装係くらいだが、それさえ毎年となると既に衣装を倉庫から引っ張り出すだけとなっている。
完全に元をとって、荒稼ぎの季節は長いほどいい。
したがって、十月の末日だけなんて事は言ってられない。
もはやハロウィンが収穫祭であるのか仮装行列であるのかなどといった議論は愚の骨頂。
6月の株主配当日をピークに、翌日から一気に値を下げるオリエンタルランド株は、ハロウィンが近づくにしたがってジリジリと値を戻していく。
これまた株屋の業界では知られた御決りの株価変動、年中行事『オリエンタルランド・ハロウィンの奇跡』である。
稼げる時に稼ぎまくるのが千葉県民の心意気、ダャ~がや。
キリスト教の行事と誤って理解している人もいるかもしれない。
これがかなり微妙な立場である。
日本のカトリック教会では11月1日の「諸聖人の日」を祭日としているが、プロテスタント・キリスト教会・キリスト教系幼稚園などの行事として、前日のハロウィンが行われることは少ない
ハロウィンが広まっているのは、ケルト分化が伝わったアイルランド・イギリス・アメリカ・カナダ・ニュージーランド、そしてオーストラリアの一部。
アイルランド以外はプロテスタント信者が多い。
翌日にあたる諸聖人の日に何某かの行事が行われるべきところなのだが、宗教改革以降諸聖人の日が徐々に廃れ、ハロウィンにだけ馬鹿騒ぎをするようになった。
アメリカのドラマや映画で頻繁に登場するハロウィンの行事であるが、本来キリスト教の祭ではない為アメリカの一部キリスト教系学校では、ハロウィン禁止令を出している学校もある。
ケルト人へ宣教する為に「諸聖人の祝日」を11月1日に変更し、その前夜祭がハロウィーンとして民衆に残された形になっているのだが、肝心の諸聖人の日がそっちのけではと言いたいのだろう。
現代のキリスト教会では、ハロウィンはキリスト教的ではないとの認識で一致している。
カトリック教会・聖公会では「諸聖人の日」が祭日とされているが「諸聖人の日 前夜」という意味のハロウィンは無視されている。
プロテスタントも含め、キリスト教のハロウィンに対する態度は様々である。
自分達の宗教を広めるために利用するだけ利用しておいて、都合が悪くなると否定する辺りは、何処かの誰かと同じである。
賛否両論ケンケンワンワンのハロウィンであるが、発祥に関わりの深いアイルランドでは、10月最後の月曜が祝日となっている。
ハロウィンを祝う習慣が最も純粋な形で残っている国の一つだ。
この祝日に続く週は、学期の半ばというのに学校が休みになる。
一般に「ハロウィン休み」と呼ばれている。
学期の半ばに連休とは思い切ったものである。
対してカトリック信者の多いラテン系諸国では、ハロウィンはあまり普及していない。
日本ではキリスト教の宗教色が強いと思われがちだが、どちらかというとキリスト教から否定された宗教行事といった祭だ。
ハロウィンを嫌っているのが東方教会の広まる地域。
ロンドンにあるロシア正教会の司祭はハロウィンを「死のカルト」であると批判している。
司祭ともあろう人物が、他宗教の行事を公に批判したりするから世の中ややこしくなる。
この司祭には、本来世の中を平穏にすべき立場にある自分が、うっかり本音を吐いてしまったばかりに世界を危なっかしくしてしまった事に気付いてほしい。
ロシアにおいてはロシア教育省が宗教行事の一環であることを理由に、公立学校に対してハロウィンの関連行事を行わないよう通達を出している。
この様に、日本では簡単な御遊び程度にしかとらえていないハロウィンだが、世界的にはかなり危険な行事と見るむきもある。
ロシア人が千葉に来たらビックリヒャックリひっくりかえるだろう。
千葉はカルトの集団だとばかりに、成田からそのまま帰りの便に乗って帰ってしまうかもしれない。
収穫祭であると同時に、ケルト人にとって10月31日は大事な日である。
ケルト人の1年の終りは10月31日。
日本で言えば秋祭りと大晦日が一緒になっているのだから、大騒ぎもしたくなる。
この夜は死者の霊が家族を訪ねてくると信じられていた。
このあたりは日本と変わらない考え方のようだ。
同時に、魔界から万悪霊が湧き出て来るとされているから話がややこしくなっている。
この悪霊から身を守る為に、仮面を被って魔除けの焚き火をしたのが祭の始まり。
この夜の明り取りに、カブで作ったランタンをつくっていたのだが、アメリカでカボチャに代わった『ジャック・オー・ランタン』
この焚き火を囲んで作物を捧げたその時に、動物を生贄にしていた事から、カルト的なイメージが強く出て来ているものと思われる。
世の中上手くできているもので、只今選挙の真っ最中。
今年のハロウィンは、どの議員を、そしてどの政党を生贄にしようかな……。
ハッピーハロウィン!