第39話:変化(Side:ソフィー①)
ディアボロ・キングストンは私の敵だ。
憎むべき敵だ。
そう思っていたのにどうだ。
九年ぶりにあったあいつは、まるで別人のように変わっていた。
「ソフィー、謝らせてくれ。本当に悪かった。人の気持ちも事情もわからない馬鹿なクソガキだったんだ。そして……君の病気を俺に治させてほしい。俺に責任を取らせてほしいんだ。この通りだ……頼む」
頭を下げ、私に謝罪した。
過去、とてもひどいことをしてしまったと。
この男は何を言っているんだと、初めは思っていた。
ディアボロは、謝罪や懺悔から最も遠い位置にいる男だ。
私をからかっているのだと思うほどだった。
どちらにせよ、私がディアボロを許すことなどない。
口先だけならいくらでも言えるのだ。
そう思っていたら、とある声が私とディアボロの間に響いた。
「でも……ディアボロは変わったわ!」
「そうです! ディアボロ様は変わられたんです! 今では誰よりも優しくしてくださいます!」
ディアボロの婚約者を名乗る女と、メイドを名乗る女。
いずれも、あいつから虐げられていたらしい。
だが、今では心から慕っているようだ。
……とても信じられない。
あの暴虐令息を慕う人間がいるなんて。
さらには、ディアボロは闇属性で回復魔法を習得したとまで聞いた。
それこそあり得ないことだ。
私は決して信じられなかったが、後にそれは真実だと認めることになる。
「俺だって負けるつもりはない。死んでもソフィーの病気は治す! ディアボロの舞!」
ディアボロは私の病気を治すため、真正面から立ち向かってきた。
あいつの勇気は素晴らしく、実力も飛び抜けていた。
私の攻撃にひるまず、私の身体を地面につけさせた。
憎き敵を倒すために、私は必死に修行を積んできた。
だが、ディアボロはそのさらに上を行っていたようだ。
実力の差は認めなければならない。
そして……私はディアボロの回復魔法を受けた。
こんな奴に治せるものか。
どんな魔法でも薬でも、症状を抑えるので精いっぱいなんだぞ。
心の中は疑念でいっぱいだったが、黒い淡い光が胸を包んだ瞬間、全身に心地よい電流が走った。
同時に、胸が楽になっていった。
不気味な鼓動は鳴りを潜め、自由に深呼吸できる。
――本当に……治したのか?
学校の医術師たちにも見てもらったが、心臓は完治していた。
ディアボロは想像以上の人物だった。
謝罪を受け、心臓を癒され……私の胸にこびりついていたわだかまりが消えていくのを感じる。
今思えば、心のどこかで決着をつけることを願っていたのだろう。
――ディアボロ……お前は永遠に私に仕えろ、永遠にな。
大事なことだから二回言わせてもらう。
たしかに、ディアボロが過去に行った事実は消せない。
だが、お前は自分の努力と真摯な思いで、帳消しどころか釣りが返るほどの事実をもたらした。
はっきり言って見直したぞ。
そして、また新たな思いが生まれた。
――私の手元に置いておきたい。
手元に置いて、言いなりにさせたい。
過去は水に流してやるが、もうお前は私に仕える未来しかないのだ。
彼は“エイレーネ聖騎士学園”へと帰る。
今回は見逃してやる。
次、ディアボロに会うのが今から楽しみだ。
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