表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/96

第14話:みんなも修行してるから俺も頑張らなきゃ

「二人とも、こんなんではいつまで経ってもディアボロに追いつけんぞ。ディアボロみたいになりたいんじゃろ」

「たしかに……アルコル様のおっしゃる通りでした。ディアボロに追いつくには、これくらいで根を上げてはダメでしたね」

「そうです! この程度で諦めてはいけなかったんです! ディアボロ様に私はなる!」


 シエルに謝ってから、すでに二週間が過ぎた。

 マロンとシエルも、俺の修行に同伴するようになった。

 どうやら、俺が二人の目標になったらしい。

 彼女らは毎日修行を積んでいる。

 嬉しいやら何やらだ。


「ほれ、マロン。もう一度《地獄炎滅(ヘル・フレイム)》の特訓じゃ」

「はい! アルコル様! ……《地獄炎滅》!」


 マロンが魔法を唱えると、庭の片隅で赤黒い炎の柱が出現した。

 空高くそびえるほどのどデカイやつ。

 15mくらい離れているのに、顔がジリジリと焼けるように熱い。

 まさしく地獄の業火。

 原作通りだと、ディアボロはあの炎に焼かれるというわけだ。


「あびゃぁー! 燃えるの見るの楽しい楽しい楽しいぃー! 何か焼き殺したいぃー! ディアボロ様ぁー!」


 ちなみに、マロンは魔法を使うと性格が変わる。

 バーサーカーみたく。

 自慢の炎で敵を焼き殺すのが大好きなのだ。

 繰り返すが、原作だと嬉々として俺を殺す。

 断罪フラグを思い出し背筋が凍る。

 マロンもまた、“エイレーネ聖騎士学園”への入学を目指している。

 ずっと俺の傍にいたい、と言ってくれた。

 一応貴族には付き人枠があるのだが、実力で認められたいとのこと。

 素晴らしい心がけで頭が下がる。


「シエル。お主は《重力殺グラビティ・プレス》の特訓じゃ」

「承知しました、アルコル様」


 さらに少し離れたところでは、シエルが修行をしている。

 彼女は超絶珍しい無属性魔法の使い手。

 属性の付与はできないものの、特別な効果の魔法が扱える。

 特に重力魔法が得意だった。


「《重力殺》」


 庭の片隅にあるドデカイ岩に、ミシミシとひびが入る。

 重力の圧力で敵を破壊する魔法だ。

 岩は十秒ほど耐えていたが、やがて木っ端微塵に弾け飛んでしまった。


「これが私の愛の重さ……」


 ちなみに、シエルは魔法を使っても性格は変わらない。

 性格は変わらないが、なぜか決まって謎のセリフを言う。

 巨岩が壊れるほどの愛を受けられる人は幸せだ。

 愛の対象はご両親かな。


 二人とも“超成長の洞窟”に籠もりつつの修行なんだよな。

 素のステータスが高い上に、過剰なまでの努力。

 彼女らがどんな風に化けるのか今から楽しみだ。

 俺のステータスはというと、大体こんな感じだ。



【ディアボロ・キングストン】

 性別:男

 年齢:14歳

 Lv:60

 体力値:4000

 魔力値:10000

 魔力属性:闇(解放度:★10)

 称号:超真面目な令息、給料上げてくれる方、ディアボロ、スパンキングボーイ、有望株、すごい努力家、重い想い人、堕執事、今夜も想う婚約者



 ……なんか色々とすごいことになっていた。

 レベル60……て、どうなんだ?

 入学前に強くなりすぎだろうが。

 体力値も魔力値もヤバいことになっている。

 称号も色々と気になるな。

 有望株はアルコル師匠だろう。

 評価してくれているってことかな。

 となると、今夜も想う婚約者はシエルか。

 ……まさか、愛の対象は……!


「うふふ……粉々になっちゃった……」


 シエルは岩の破片を見ながら意味深に笑っている。

 また別の断罪フラグが立ちそうで怖いのだが。

 そして気になるのは堕執事という称号。

 ……どういう意味だ?

 ラウームが関わっているのは間違いないだろうが……。


「お~い、何やっとるんじゃ、ディアボロ。サボっていると二人に追いつかれるぞ~」

「サ、サボってないですって! 今行きますから!」


 アルコル師匠の声が聞こえる。

 尻を叩かれる前に、慌てて彼女らの元へ向かう。


「ディアボロ様っ。また一つ新しい魔法を習得できましたっ。見ててくださいましたかっ?」

「ああ、もちろん見てたよ。素晴らしい成長じゃないか」

「ありがとうございますっ。ディアボロ様が目標だと身が引き締まるんですっ」


 マロンがきゃっきゃっと嬉しそうに報告してくれる。

 彼女の成長ぶりを称えていたら、氷河のように冷たい声が聞こえてきた。


「……ディアボロは私より、マロンさんと話している方が楽しそうですね」

「え! ち、違うって! 誤解だよ!」

「……私とお話しするのは嫌いということでしょうか……ディアボロ様……」

「そうじゃなくて! そ、そんなことより、二人とも怪我とかしたらすぐに言ってくれよ」

「「……?」」


 シエルもマロンもポカンとしている。

 ので、力強く告げた。


「俺が死んでも治すからさ(断罪フラグを潰すために)!」

「「ディアボロ(様)……」」


 二人とも顔を赤らめるのだが、体調不良じゃないよな?

 やっぱり俺は心配だ。

 何はともあれ、彼女たちは毎日必死に努力を重ねている。

 俺ももっと修行しなきゃならんな。

 今以上に努力することを決心し、修行を再開する。

 父上も剣術の稽古を見てくれたりして、“エイレーネ聖騎士学園”入学までの1年はあっという間に過ぎていった。

お忙しい中読んでいただき本当にありがとうございます


【読者の皆様へ、青空あかなからのお願いでございます】


少しでも面白いと思っていただけたら、ぜひ評価とブックマークをお願いします!

評価は下にある【☆☆☆☆☆】をタップorクリックするだけでできます。

★は最大で5つまで、10ポイントまで応援いただけます!

ブックマークもポチッと押せば超簡単にできます。


どうぞ応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] やべえのしかいねぇw
[一言] 堕執事は、執事堕としのほうね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ