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02

大広間にやってきた国王様は私に尋ねました。


「メリッサ殿?なにがあったのだ。」


私はすぐにこれまでの経緯を国王様に伝えました。


国王様は激怒しておられるようでした。


国王様がブリュードに大声で言います。


「ブリュード!!貴様!!どういうつもりだ??メリッサ殿との婚約破棄をしおって!!お前の方からメリッサ殿に婚約を申し込んだんだろうが!!!」


ブリュードは悪びれる様子もなく国王様に言いました。


「だってこいつ俺の期待したような女じゃなかったんだ!!俺様がドレスを汚してやったのに全然泣きやがらない。だから婚約破棄したんだよ!!別に問題ないだろう??」


国王様が大声でブリュードに言いました。


「あるに決まってるだろうが!!ブリュード??お前自分が無茶苦茶な事を言っておるのが分からんのか??」


ブリュードが国王様に言いました。


「俺様は価値ある人間なんだから無茶を言っていいだろう。それにこいつは女なんだ!!どれだけ無礼な事をしたって構わないんだよ!!それよりも親父??ちゃんと抗議はしてくれたんだろうな?」


国王様がブリュードに尋ねました。


「抗議だと??ブリュード??何の話だ??」


ブリュードが国王様に言いました。


「フロイヤ帝国に対する抗議に決まってるだろうが??留学した俺様を帝国の連中は事もあろうに監禁しやがったんだぞ。」


ブリュードは隣国であるフロイヤ帝国に2年間の留学をしていて、この舞踏会の直前までルグランド王国にはいなかったのです。


国王様は思い出したようにブリュードに言いました。


「ああそうだった。その話もせねばならんな。ブリュード??リーゼルカ殿の事を覚えておるな??」


ブリュードが国王様に言いました。


「リーゼルカ??ああ、帝国の皇女のリーゼルカの事か。リーゼルカあの女はなかなか良かったな。皇帝主催の舞踏会で俺の足でリーゼルカのドレスひっかけてやったらもうリーゼルカの奴、きれいに転びやがったからな。その後で水やらワインやらを盛大にリーゼルカにかけてびしょ濡れにしてやったんだよ。そしたらリーゼルカのやつ立ち上がれずに何度も転びやがってな。それでリーゼルカの奴、大泣きしてたからな。いやもうリーゼルカのマヌケな姿は本当に最高だったよ。で面白くて俺は大声でリーゼルカを笑ってやったんだ。無様だな!!!マヌケ女!!バカ女!!って大声で言ってやったんだ。いや本当に楽しかった。そしたら帝国の連中が俺を監禁しやがったんだ??留学生だった俺にそんな扱いはひどいだろう。」


国王様は怒りに満ちた様子でブリュードに言いました。


「第一皇女のリーゼルカ殿にそんな事をすれば、フロイヤ帝国の方々が怒るのは当然だろうが!!しかもリーゼルカ殿はブリュードお前に挨拶をするためにわざわざ来てくれたらしいではないか。リーゼルカ殿の善意にお前は泥を塗ったのだぞ!!」


ブリュードが国王様に言いました。


「分かってないな親父??だからだろう。善人を気どってたリーゼルカを泣かせるから楽しいんだよ。実際にリーゼルカのマヌケな姿は最高に楽しかったぜ。リーゼルカが無様な姿をさらすから最高のエンターテイメントになったんだよ。」


そのリーゼルカって人とはとんでもない災難だったなと思いました。


しかしこのブリュードは留学先のフロイヤ帝国で何をしてたんでしょうか?


すると国王様がブリュードに言いました。


「ブリュード!!今回わしはメリッサ殿との婚約破棄した事とリーゼルカ殿の事を重大に受けとめておる。お前の返答次第でわしは決断をするつもりだ。」


ブリュードが嬉しそうに国王様に言いました。


「なるほど父上は大きな決断をなさるのですね。」


国王様がブリュードに尋ねました。


「ブリュードに尋ねる。メリッサ殿とリーゼルカ殿に言わなければならない事があるだろう?それを今ここで言うのだ。良いな?」


ブリュードが国王様に言った。


「はっ!!」


するとブリュードが私の方に向き直って大声でこう言いました。


「メリッサなめてんじゃねえぞ!!このブリュード様がイジメたらちゃんと苦しみやがれ!!!」


さらに続けてこう言いました。


「リーゼルカ!!!お前の大泣きする姿はマヌケで最高だったぜ、また見せてくれよ、はっはっはっ!!」


怒りに震えた様子の国王様はブリュードに言いました。


「ブリュード!!決めたぞ!!」


ブリュードは嬉しそうに国王様に言いました。


「おおメリッサを処断するのですね。それとフロイヤ帝国への抗議もしてくれるのでしょう。」


ですがブリュードが期待したこととは真逆の事を国王様は言われました。


「ブリュード、お前の王位継承権をはく奪する。そのうえで罪人としてお前を扱う。よいな??」


ブリュードは驚いた様子で国王様に聞き返した。


「親父??なんでだ??」


国王様はブリュードに冷たく言い放ちました。


「当然の判断であろうが、お前のようなふざけた考えを持っておる者を王位につければこのルグランド王国が滅亡してしまうわ!!!」


焦ったブリュードが国王様に言いました。


「親父??考え直してくれ??」


「不要だ。」


そして国王様がブリュードに言いました。


「ブリュード??お前への処罰はフロイヤ帝国の方々やメリッサ殿と協議して決める。地下牢の中で沙汰を待っておれ。」


国王様が衛兵達に言いました。


「ブリュードを地下牢に連れていけ。」


「はっ。」


ブリュードは衛兵達によって地下牢へとひきづられていきました。


国王様が私に言いました。


「メリッサ殿、うちのバカ息子がとんだご無礼をした。この通りだ申し訳なかった。」


国王様はそう言うと深々と頭を下げました。


私は国王様に言いました。


「国王様ちゃんと対応して頂いたので大丈夫です。」


そして私は今後の事を国王様から伺ってから王宮を後にしました。


国王様のお話では帝国の方々を呼んでブリュードの処罰を協議する事との事です。


事態はかなり切迫していたようで、ルグランド王国とフロイヤ帝国の関係があのブリュードのせいでかなり悪化していたようです。


フロイヤ帝国の留学中にいろいろ問題を起こしていたのかもしれません。


王太子としての自覚が無かったんでしょうかあの男には。



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