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01

私は王宮の大広間で開かれていた王家主催の舞踏会に出席していました。


そこで婚約者の彼から呼び止めれると突然こう宣言されたのでした。


「メリッサ!!テメエとの婚約を破棄する。分かったな!!」


私はメリッサ・ティルスタールという名前で今年で17になります。


ティルスタール侯爵家の令嬢で今日は王家主催の舞踏会への参加とブリュード様への挨拶の為に来ていたのですが、突然の婚約破棄すると言われてしまったのです。


私は婚約者のブリュード様にすぐに聞き返しました。


「えっ??婚約破棄というのはどういう事ですか??」


ブリュード様はルグランド王国の第一王太子であり、私は数か月前にこのブリュード様から婚約を申し込まれたのでした。


私はつい数日前に婚約を受けますと返事をしていたのです。


ですのでこの婚約破棄をするという宣言にはとても驚きました。


ブリュード様が私に大声で言いました。


「テメエみたいなつまんねえ女とこの先一緒にいたくねえって事だよ!!」


つまらない女??何の事を言っているのでしょうか?


私は何の事か分からずにブリュード様に聞き返しました。


「つまらない女というのは?何か怒らせるような事を私がしましたでしょうか??」


ブリュードは不機嫌そうに私に言いました。


「何か怒らせるような事をしましたかだと??俺様が怒ってる理由すら分からないのか?今日の朝の事だ。俺が王宮のエントランスの所で出迎えてやっただろう??その時の事だ。」


私は朝の出来事を思い返しました。


あれは私こそが怒って当然だと思うのですが?なぜあんな事をした本人であるブリュード様が怒っているのかが分かりませんでした。


実はブリュード様が朝出仕をした時にエントランスで私を出迎えてくれたのですが、ブリュード様からひどい嫌がらせをされたのです。


ブリュード様はなぜか黒いインクが入った大きな容器を抱えていらっしゃので、何をされているんだろうと思いながら私はブリュード様に、この度はお招きありがとうございます。と挨拶をしました。


するとブリュード様にその容器に入っていた黒いインクをかけられたんです。


私は着てきた深紅のドレスは黒いインクで真っ黒になってしまいました。


さらにブリュード様はこれは私への嫌がらせとしてわざとやったんだと言われました。


私は怒りで震えていましたが、こういう事は貴族の世界ではよくある事と自分を言い聞かせてなんとか怒りを押し殺して何食わぬ顔で客室へと移動したんです。


ブリュード様はずっとその様子を見ていました。


幸い体にはかからなかったので、予備のドレスに着替えてそのまま舞踏会に出席したのです。


するとブリュード様が私に言いました。


「ああ、あの時のお前が気に食わなかったんだよ。メリッサちゃんとテメエに言ったよな、俺様はお前のドレスを嫌がらせとしてわざとインクで汚したやったと。」


私がブリュード様に言いました。


「はい、ちゃんと聞きました。」


わざわざ嫌がらせだと言わなくてもいいでしょとあの時思いましたよ。


私は思っている事は言わずに黙って、礼節を忘れないように言葉を選んでブリュード様に答えていました。


ブリュード様が私に尋ねました。


「いいか王太妃というのは、夫である王太子を支えるもんだろう。違うか??」


私がブリュード様に言いました。


「はいそういうものだと思います。」


私はブリュード様の言いたい事が分かりませんでした。


「でもそれとブリュード様が怒った事と何の関係があるんですか??」


「いいかこのブリュード様が怒っている理由はメリッサお前が泣かなかったからだ。」


「はい??」


「なんであの時泣かなかったんだ??ワンワン大声で情けなく泣けよ!!!みじめで情けない姿を俺にさらせよ!!せっかくテメエのドレスを汚してやったのに、テメエは顔色一つ変えねえからつまんねえだろうが!!!お前が苦しむ姿が見れなきゃ嫌がらせをした意味ないだろうが!!」


ブリュード様から信じられない言葉が出てきて私は唖然としました。


大声で情けなく泣けよってどういう意味ですか?


「ブリュード様??あなたは王太妃を何だと考えているんですか?」


ブリュード様は悪びれる様子もなくこう言い放ちました。


「王太妃っていうのは王太子である俺様にイジメられて大声で泣きわめくのが役目だろうが??自分が苦しむ姿を王太子に見せてこその王太妃だろうが!!!いいか、夫が妻をイジメて苦しめる、妻は夫に自分が苦しむ姿を見せて夫を喜ばせる!!これが夫婦のあるべき姿だろうが!!!」


私がブリュードに言いました。


「そんなわけないでしょう。妻を愛していたわり、愛し合った二人が共に支えあって生きていくそれが夫婦というもののはずです。」


ブリュードが大きく言い放ちました。


「馬鹿か?お前は??王太妃は王太子の所有物でしかないんだよ!!そこらの壺と一緒なんだ。壊そうが傷つけようが所有者である王太子の自由なんだよ!!そんな事も分かんないのか??」


ブリュードは婚約者を物としてしか考えてないというの。


ブリュードの発言に私はとても驚きました。


そして私はこの男に本当にイラついていました。


私もブリュードに言います。


「王太子ともあろうお人がまさかそんな考えを持っているなんて驚きました。そんな事を言って王太子としてのかっこ悪いと思わないのですか?」


ブリュードが私に言いました。


「かっこ悪いだと??むしろかっこいいだろうが!!女という価値のない存在に価値のある俺様が自分の立場を分からせてやってるんだからな。」


私は呆れてブリュードに言いました。


「それのどこがカッコいいんですか?そんなの全然かっこよくないです。最低の男ですよ。」


ブリュードが私を睨みつけながら私に言いました。


「俺のかっこよさが分からないとは、テメエの感性は破滅してやがるな。」


私はブリュードに言い放ちました。


「ご自身の感性が破滅しているとは考えないんですか?本当に自分勝手な考えですね。」


ブリュードはすごく不機嫌そうに私に言いました。


「もういい、口を閉じろ!!テメエと話してると本当に不愉快だ。王太子の俺様に意見するんじゃねえ!!婚約破棄したんだから、テメエとはもう関係ねえんだからな!!」


すると大広間に国王様がやってきました。



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