橘仁志の場合
初めて小説というものを書かせてもらいます。
拙い文章だと思われますが生暖かい目で見ていただけたらと思います。
橘仁志はひどく退屈していた。
「くそ、しけてんな、ここならならもうちょいマシだと思ったんだがなぁ」
そう呟くと、生活費を稼ぐために立ち寄った戦場を後にした。
戦場と言っても彼にとってはもはや遊び。いかにして敵を殺さずに金品を取れば良いかだけを考えていた。故に彼は退屈していた。彼はあらゆる戦場を少年期に自力で駆け抜けてきた。いや、正確には持って行かれたと言う方が正しい。これは、彼の育ての親に関わる話になるのだがここでは割愛させて頂こう。
そして、彼は世界中を周り強さを求め、彼は歴史上最強になった。なんの誇張でもなく、文字通り最強になったのだ。
戦場を駆ける彼の存在を知った各国は共敵だと判断し、あらゆる攻撃を行った。
だが理由は不明だがナイフや銃はもとより、ガスや電気、果てには核でさえも彼には通じていなかった。まるで何かに守られているかの如く。
最強になった以上彼にはすることがなくなった。することが無い人間は次の目的を探す。しかし、彼には強くなる以外の目的が浮かばなかった。
そうすれば、退屈になるのも必然だった。
自分と対等な者はいない。人に話しかけようとするも隠しきれぬオーラによってモーセの如く人の波は避ける。
したがって、友達と言える者はいない。幼少期から戦場にいたので知り合いすら存在しない、完全なボッチである。
よって彼がこう願うのも無理はなかった。
<次の人生では友達のいる世界に生まれよう>と
そう願った瞬間に目の前に人型の白い塊が現れた。その塊は、こちらに向かいこう告げた。
<<あなたの願いは受理されました。転送しますか?>>