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第6話 グループラインは恐ろしい

 突然、太陽から届いたグループラインの招待…。

 グループ名は「林間学校でのウォークラリー班」?一体どう言う事なのだろう。

 あまりに意味不明過ぎて、俺は一旦保留にしている。


 そして招待されているメンバーがこれまた独特で、俺と花梨、それに太陽の彼女である如月苺に俺の偽彼女である有栖川さん、最後に太陽を含めた計5名だ。

 

 ピコン!!


 カリンが参加しました

 

 ピコン!!


 イチゴが参加しました


 まじか!みんな普通に入っちゃうんだ!

 だけどまだ有栖川さんが残っている。有栖川さんが入らなければ俺も入らなくていいって事で…。

 

 ピコン!!


 ミカンが参加しました


 はいアウトーーーー!!

 まさかの有栖川さんが入っちゃったよ…どうしよ。


 ピコン!!


 有栖川さんからの個人ラインだ。


 【一ノ瀬君、なんか分からないけどグループラインに入っちゃった。これって偽彼女として頑張りどころだよね】


 ……有栖川さん。何やってくれてんのー!!

 こんなよく分からんグループに普通入らないでしょ!!


 有栖川さんがここまで天然系だったとは…。


 

 はぁ、俺もそろそろ覚悟を決めるしかなさそうだな。

 何も起こらず、平和に事がすみますように…。


 ポチッと。


 俺は参加のボタンを押し、再度睡眠に入ろうとした。


 ピコン!!


 枕元においてあるスマホが光る。

 

 そーっ。

 俺は恐る恐るスマホの画面を見た。


 タイヨウ

 【みんな、グループに入ってくれてありがとう!】


 イチゴ

 【太陽❤️だいちゅきだよ❤️】


 カリン

 【苺ちゃん!ここでそう言う発言はしないで!】


 ミカン

 【は…はじめまして。有栖川です…】


 な、何じゃこれ…。

 全然話が噛み合ってねー。


 タイヨウ

 【千種!見てるのは分かってるから何か反応よこせー】


 げ!!

 このカオスの空間で、俺に話を振らないでくれ。


 カリン

 【ちぐさー、早く何か言いなよー】


 イチゴ

 【ちぐさ君?苺が待ってるよ〜!ちゅ❤️】


 カリン

 【苺ちゃん!!そう言うのやめなって言ってるでしょ!!】


 ミカン

 【一ノ瀬君、彼女が待ってるよ!!チュチュチュチュ!!】


 もうやめてくれーーーー!!

 見てるこっちがなんかキツいんですけど!!


 それに有栖川さん…偽彼女の方向性だいぶ間違ってるよね??


 ちぐさ

 【みんな一旦落ち着こうよ。このグループのことも色々と聞きたいし】


 タイヨウ

 【そうだな。まずはこのグループが何なのか、そこを説明するか】


 カリン

 【うん!それ気になってた】


 イチゴ

 【苺も気になるぅ〜】


 ミカン

 【すごく知りたい!】


 ちぐさ

 【来週の林間学校関連だって事はグループ名で分かるんだけど、ウォークラリーの班って普通クラス内だけで決めるもんじゃないの?】


 タイヨウ

 【あまいぜ千種、そのクラス内だけと言うルールを俺と溝渕達で変えてやったのさ】


 カリン

 【え?そんな事出来るの?】


 イチゴ

 【やっぱり太陽ってすごーい❤️】


 カリン

 【いちいちハートをつけるな!】


 ミカン

 【どうやってルールを変えたの?】


 タイヨウ

 【担当教員の石渡に「林間学校と言うのは入学したばかりの生徒達の友情を深めるために行われる企画ですよね?ならウォークラリーの班決めがクラス内だけでと言うのは特定の人としか絡む事が出来ないと思うので全クラス合同にした方が良いのではないでしょうか?」と提案したんだ】


 カリン

 【なんか…すごいね】


 イチゴ

 【よく分かんないけど、太陽と同じ班になれたから苺ラッキー】


 ミカン

 【太陽君…すごい】


 ちぐさ

 【本当太陽はそう言うの得意だよな】


 っておい!!何有栖川さん普通に「太陽君」って言っちゃってんの!!

 俺まだ「一ノ瀬君」だよね!!


 イチゴ

 【ちょっと蜜柑ちゃん!!苺の太陽何だから、勝手に下の名前で呼ばないで!!」


 ミカン

 【え、あ…ご…ごめんなさい】


 カリン

 【ちょっと苺ちゃん、そんな言い方しなくてもいいじゃない!彼女だからってあなたがそこまで言う権利はないわ!】


 イチゴ

 【花梨ちゃん?さっきから苺に対して態度悪くない?あれダメこれダメって苺の保護者か何かですかって感じ】


 え…何この雰囲気。まさかの険悪なムード的なやつですか。

 俺が止めた方が良いのか?いやいや、ここはグループを作った太陽が止めるべきだろう。


 さあ太陽、何か良き一言で止めて見せろ!


 カリン

 【何なのアンタ!!アンタがさっきから非常識な発言ばっかりするから私が代表して注意してあげてるのよ!!顔が可愛いだけで男子からチヤホヤされて、勘違いしてんじゃないわよこの性格ブスブス女!!】


 あーあ。ついに花梨がキレちゃったよ。

 俺はもう知らねえぞ。


 タイヨウ

 【あ…あのさ花梨、ちょっと落ち着こうぜ】


 ここでいくか太陽!!お前って奴は、勇者だぜ!!


 カリン

 【はぁ?私が悪いって言うの!!彼女だからって太陽はあんな子の味方するんだ!!幼馴染の私を悪者にするんだ!!】


 タイヨウ

 【違うって!俺はただ、みんなで仲良くしたいだけなんだって】


 太陽…それはもう無理だぞ。

 これまでのラインを見てる限りじゃ、この二人は性格が真逆すぎる。


 イチゴ

 【太陽がそう言うなら、苺は仲良くしてあげてもいいよ。でも、花梨ちゃんが謝ってくれたらだけど】


 カリン

 【ふざけんじゃないわよ!!誰がアンタみたいな中身ブスに謝らなきゃいけないのよ!!謝るのはアンタの方でしょ!!】


 イチゴ

 【苺のどこが中身ブスよ!!苺は中身も外見も可愛くて甘くてみんなから愛されてるんだもん!!】


 カリン

 【意味不明なこと言ってんじゃないわよ!!】


 

 

 この戦いは深夜3時まで続いた。

 俺と有栖川さん、そして太陽の3人はただただ何も言わずにその戦いを傍観していた。


 

 こんな調子で、林間学校は大丈夫なのだろうか。

 そんな不安を抱きながら、俺は眠りについた。


 



 


 

 




 

 

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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