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太陽のカケラ  作者: のえる
20/105

長の子供1

「ねえ~ケルレン!」

グイグイと胸元の服を引っ張って

レンヤンがケルレンの気を引こうとしている。


「・・・え?・・・・何?」

「えっとね~ボク、ケルレンのこと好きになったから

ボクのお嫁さんになって~」

ますます途方にくれた。


「・・・どうして・・・・?」

「まあ!レンヤン様ったら私にもお嫁さんになって

って言ってたくせに!」

思わず理由を聞くケルレンに

拗ねたフリをする異国の少女=ティル


「ケルレンはとってもびじんだから~!」

レンヤンは小さいくせにそう言って

カラカラ笑って答えてくれる。


「んとね~ケルレンがね~第一のお嫁さんで

ティルを第二のお嫁さんにしてあげる~」

確かにモルドルは重婚を認められているけれど

とケルレンは思って頭を抑える。

(きっと深い意味もなければ、悪気も無いんだ)


どうして・・・何がどうなってこんな小さな

子供に気に入られることになったのか・・・


調子が狂ってしょうがない

調子が狂うと言えば、名前をごく普通に呼ばれることも

ハンガイ族長と、末子にして後継のフールンと

長子チーフォン以外にはあまり無かった。


見る見るうちに遅まきながらケルレンの顔が真っ赤になっていく

幼子のたわごとと思いながらも

レンヤンのお嫁さん発言と美人発言のせいだ。


「でも確かに・・・・・ケルレン様って

母君似ってお聞きしたけど・・・・凛々しいのだけど

お綺麗ね」


それを聞いて

(こんなのは、私じゃない・・・)と

思いながらもますます赤くなって何も話せなくなってしまう。


「なぜ!・・・・・私の母のことを知っている!?」

「え?・・・レイヤン様のお母様でいらっしゃる総領に

・・・ケルレン様のお姉様に、お聞きしました。」


あの人に?

ケルレンは、まだたくさん疑う余地が有ると思いつつも

じゃあもしかして本当に姉なのかも知れない・・と

ふと思った。





「ねえ~ねえ~ケルレン~」

「・・・え?・・・はい?」

今度は何を言うつもりなのだろうか?

そう思って視線を落とす。


「思い出したの~ボクね~サフラの子達と

友達なのよう~」

「・・・・・!?・・・・どういう?」

「母上達といっちゃのよ~」

レンヤンの説明は要領を得ない

幼児に要領も無いかもしれないけれど、


「母上達とサフラに行って友達になりに

いったのよ~エーティルも行ったのよ~

でもね~ボクと同じ位の子達だったからサフリャん子たち

友だちなのよ~」

一生懸命話してくれる。

それを思わず微笑ましく思いながら

頭の中で整理する。


そうか・・・・・つまりは

もちろんモルドルの他の民族も回ったのだろうが


援助を得る為にサフラ、エーティルといった


他の国ににも行ったのだろう




・・・・この子は・・・・・・

オタル族とハンガイ族の長の直系の血を引く男子


後継の資格を持つのだから・・・




いまさらながらに幼子のその身の危うさに


気が付いて口の中が渇いてくる自分に気がついた。


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