表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
太陽のカケラ  作者: のえる
16/105

急襲

「ワアアア・・・!!」


そのときハンガイの外遥か遠い草原の彼方から音音が押し寄せてきた。

幾人の者か聞取れぬ程多い人馬の起てる音に

にわかにざわめき起ち一斉に其方に意識が行く群集の中を


「敵襲です。イェニセイ族が攻めて来ました!!」

伝令が長の元に駆けよるのにそれぞれの一族に激しい緊張が走り

その瞬間は誰もが互い互いを気にする余裕も無く不安に震えた。



「静まれ!静まるんだ・・・一族のそして客人の者達よ!!」

一喝して皆を収めながらハンガイの長ウリャスタイは額に冷たい汗を滲ませ

握り締めた拳を冷たくしながら激しく思考を巡らせ一瞬の後素早く決断した。


「・・・・くっ・・・先回りして攻め込まれたか・・・情報が漏らされたか・・・!?」

落ち着く為の一息の後、宣言する。


「・・・婚儀は一時中止し・・・・女子供を中央に集め、男達は全力をもって

反撃せよ!!」

敵の目的は明かにフールンとセレンゲの婚儀を潰す事、

この儀式で同族同盟部族が心を一つにして攻めてくる前に

攻めるのが目的

分かっていても今は儀式を中止し反撃に出るしか無い。

長は、細かい指示を集める為に一族の戦士達の元へと歩みを進めた。



だがすでにその時には

奮い立つ男達と、集められた女子供の何処にもケルレンの姿は無かった。






「ケル・・・・レン・・・」

瞳を揺らし唇を噛み締めるフールンは、それでも静かに見つめていた

不安に震える子供らとそれを抱き締め励ます女達・・・・

それぞれの一族を守る為に馬を駆りかけ行く戦士達と、

そしてケルレンを追いかける為に

一族の者を振り払って飛び出して行くチーフォンの姿を


フールンは何故かとても寒くてこの戦いの熱気の中身体中がとても寒くて

両手で自分の身体を抱いた

(とても寒い・・・・力が入らなくて・・・・何故・・!?)

しかし長の後継として身体を引きずる様にして長とともに戦いを迎える

戦士達の元へと歩を進めた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ