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まいごは今、異世界  作者: heina
ほぼ家出編
5/120

白薔薇と話す

あれから数時間話してわかったことがあった。

会話じゃないよ。一方的に話しただけ。

お腹がちょっと空いたなぁと話すと、木の実と白い硬いのと美味しい干からびた何かをくれたので、ご飯はとりあえず今はどうにかなりそう。

そして、今のでわかると思うけれどチョットづつ彼女が僕の言っている事を理解しだした。

あとはここにいてもいいってことがわかった。

わかったこと、そんだけ。

あ、もう一つあった。彼女、なんか会ったことある感じがする。

勿論はじめましてだし、顔にも見覚えはないけど。

うん、なんもわかってない。わかったこと一つ減り、と。


そんな彼女は今、僕の頭の上にいる。

べつに頭頂部に乗っかられているんじゃない。後ろから抱きすくめられて、つむじにあごをグリグリされているところ。

抱っこしながら話しまくっていたら懐かれた。

なんで抱っこしていたかと言われれば、なんというか、

フワフワしてたから。

話しかけている時に目の前でふわふわ〜ふらふら〜ってされると気になってきて落ち着かなかったのだ。


「るぅぁあいえうぁ〜?」

肩上から顔を出して、そうお腹は空いてないか聞いてくる。可愛い。

「ううん、今いいや。後で貰うね」

「ひゃんにぁ〜く!ゆぅぃにゃ」

そうやって話したら思いきり頭を撫でてあげる。

とても嬉しそう。満面の笑顔だ。


半透明の彼女は全体的に白い。

白く長い髪で、白く長い睫毛。

当然の如く白い肌で、白いフリルで出来た柔らかなドレスを着ている。

だいたい白いバラみたいなイメージで合ってる。

ドレスはよく見ると少し透けていて、とても神秘的な印象。エロスはほぼ感じ無いけど。

ふわふわ浮いていて半透明の人なんてはじめて見るけれど、居るんだなぁ。

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