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まいごは今、異世界  作者: heina
ほぼ家出編
4/120

20歩歩いてクルクル回る

歌は未だ聞こえているので中に居る人は気づいていないのかもしれない。

もしくはコンポ的な何かかな。

あ、電源ねぇかもな。プレイヤーかなぁ。とか思っているうち、なんとなしに聞こえてくる歌を口ずさんでいた。


知らない歌だしループしているわけでもない。口に出す言葉も知らない言葉だし、そもそも言葉じゃないかもしれない。

なんで歌えるのか、もしくは歌っている気分なだけで歌えていないのかそこからすでによく理解できていない。

ただ、どういう気分の歌なのかはわかる。

たすたす歩きつつ歌い、声のもとに近づくが、奥から聞こえてくる歌声は止まなかった。

むしろ聞こえる声はテンションが上がってきたように思う。


遂に洞穴の奥に辿り着いた。

歌声は聞こえ続けてはいるが、そこに思い描いていたような人の姿は目にすることは出来なかった。

ここは洞穴。暗いんだから見えない。

そら目にできんわ。


と、今回はそういうわけではなかった。

目の前にはホワホワのかわいい、うん、可愛い女の子がこっちを向いていた。

そこにいるにはいるが、

ぼんやり光って、ふわふわ浮いていて、

半透明だった。


二人とも歌を止めないまま、お互いを見つめている。

しばらく見つめていたかと思うと、僕と彼女は同じ動きをしだした。

両の手を相手に翳してそろそろと近づいたのだ。

ピターンと手を合わせると不思議と落ち着きが増した。

そこからは二人してグルグルとその場を回った。なにか楽しくなって二人で笑いながら歌い、そらもうグルグルと。目が回って気持ち悪くなるまで。


酔いから回復して、体を起こすと彼女にはじめて声をかけた。

「いぇーい」

片手をあげて、ハイタッチ待ち。

「?、やぁぃ」

よく分からなかったようだがそう声に出し、そっとあげた手に手を合わせて微笑んでくれた。


それから会話をしてみたが、言葉は通じなかった。

身振りと手振りで大体通じそうなのでまあいいや。

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