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まいごは今、異世界  作者: heina
ほぼ家出編
3/120

100メートルほど飛び跳ねすすむ

人間不満の方が出るもので、手足が伸ばせて揺れていないことよりも

周りが静かなことよりも

背中が冷たく硬いことが一番に気になって瞼をパッと開けると、今日の天気は快晴だった。

新緑の香りのするわけだわ、すぐに抜け出られそうな場所だけれども森で寝ていたのだから。

さっきのが夢だったことは起きた今わかった。

他のことはよくわからないけれど。


森の端の木々が疎らな草っ原で寝ていた。

荷物は無い、靴も無い、靴下はある。バスで寝ていた時の格好だった。

バスからポイされたのだろうか。

うん、そうかもしんない。

高速って山の中走ってるし。

耳を澄まして、車の音が聞こえた方へ行って高速でヒッチハイクでもせねば。


耳を澄ます。


閑静と言うのはこういう事を言うのだろう。鼻息が一番うるさいとか、心が落ち着くね。


取り敢えず起きると、背中が濡れていた。辺りの草っぱが朝露に濡れているのでしょうがない。

そういえば周りの朝露は落ちてないし

、足跡も踏んだ跡すらない。これはどうやってやるのか知りたい。途中で起きれなかったことが残念だわ。

靴下しか履くものがないので脱いでからトコトコと歩き出した。

靴下を両手に持ち、水泳のバタフライの様に振り回しながら視線を彷徨わせる。

空気も天気も気分もいい。

足下も柔らかい短な草で覆われているので痛くない。むしろサワサワと軽やかな音が鳴り、雫が跳ねて気持ちいい。

もう戻らないだろう荷物や靴は早々に諦めて忘れた。

携帯も仕事で必要でもなかったし知らないうちにどこかへ行くのでいつからか持っていない。

身軽なことはとても良いことだと思うね。


くるくる回りながら跳ねて靴下もブンブン振り回していると、右手の森を抜けたところに茶色い小山が見えてきた。


気になったし他に気になるものも見つけなかったので真っ直ぐに茶色に向かう。

茶色い小山は森を抜けたところにあり、土の塊ではなく洞穴が空いていた。

取り敢えず、高いところから眺めようと駆けあがろうと小山目指して駆け出した。

近づく時に少し気にになって足音を抑える。走り寄る途中から歌が聞こえ出したからだ。

歌声は穴の中から響き渡っている。

靴下は振り回しつつ、そっと近づいて真正面から穴の中を覗いた。


うん、暗くて見えね。

靴下を二つとも手放し、そこいらに投げつつ足を踏み入れた。

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