Episoudo8
「ついに来たな。」
「おう。」
「はい。」
ついに来た魔王城。
「………」
「大丈夫か?リン。」
「リンさん。」
「大丈夫だ。」
リンは昨夜合った事を話した。魔王に誘われた事、自分がもしかしたら<悪魔堕ち>になってしまうかもしれないことを
拒絶されるかもしれないリンは、そう思ったが、
「……元に戻る方法はあるんだろう?」
「私たちが手伝います。」
「………アラン、マナ。」
助けてくれる仲間がいる。リンはそれだけで強くなれた気がした。
「……行くぞ。」
「おう」
「はい。」
ギィィィ、扉を開けるとそこには、
“う?”
魔物がいた。
「リン、俺左ね。」
「あぁ、右は任せろ。」
“うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!”
左にアラン、右にリン。モンスターを一掃していく。
「回復始めます!」
その後方ではマナが回復を始める。
“くっそ。あの餓鬼を!!”
「させねぇよ。おれの女に手ぇ出すんじゃねぇー!!」
“ガっ!”
アラン・五十体 リン・五十体 モンスターを倒した。
「マナ、大丈夫か?」
「はい、大丈夫です。」
魔王城は全部で六階、今いるのは一階。次に階段を上がって二階 三階 四階
「はぁ、さすがにここまで来るのはきっついなー。」
「そうですね。」
「……次の階。」
「「?」」
四階と五階につながる階段で休憩をとる三人。リンは少し考え込む、スクッと立ち上がる。
「俺、一人で行く。」
「「え!!」」
「リ……リン。」
「ダメですよ!一人で行くなんて!」
「次の階は俺一人で大丈夫だ。というよりも俺じゃなきゃダメなんだ。」
「……………」
「あの魔王は特別な部屋を用意してくれてるんだから。」
「……わかった。」
「!?、アランさん。」
「けど、後ろに俺らがいるのを忘れんな。」
「……あぁ。」
リンは自覚していた<悪魔堕ち>。今のところは何も異常はないが……
「……よし。」
五階、そこには
“うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉ!”
「っ!」
「くっ、なんて奴だ。」
「と、飛ばされ……る。」
“ガハハハッ!やっと来たか。勇者よ!!”
「あぁ。」
“フン、まぁよい。そこの階段を上がれば魔王様のいる階につながる。”
「そうか。なら、お前を倒せばあいつを。」
“?”
「同等だな。」
“何を言って”
「今の俺は ++A だ。」
“!”
「お前を倒せばランクが上がり、最高ランクだ。」
「それはどうかな~?」
三メートルはあるモンスターと話をしている中、上から声が聞こえる。
「「「!」」」
“ま、魔王様!”
「てめー。」
「やっぱり暇だから来ちゃった。勇者君。」
「……」
「それでね。考えたんだ 君の友達いらないよね。」
「?!」
その言葉が何を意味してるのかリンには分ったが、
「なんかやばい気が……。」
「チッ!」
「君に必要でも僕にとっては邪魔なんだ。」
魔王の一本の指から、太陽似た炎の玉が、投げるようにその玉をアランとマナへと向けた。
「「!!」」
「ざけんなーーーーーーーーーーーー!!」
ドォン、とっさにリンは身を挺してアランとマナをかばった。
「リン!」
「リンさん!」
「ぐっ。」
「いつまでもつかなぁー。」
指一本から二本 三本と増えていく、リンは剣一本と己の体。もつわけがない。
アランとマナは何もできない、何かを言わなくては、アランはどうすればいいのか考える。だが、
「大丈夫だ。俺がお前らを守る!」
「……リン………」
リンの言葉にアランは何も言えなかった。
ぐっと剣に力を入れるリン。
「うぉぉおぉぉぉおぉぉおぉぉ!!」
炎がリンを包み込む。
「リン!!」
果たして……。