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Episoudo7

「我が名は孤独の騎士・ナイトルジュだ。いざ尋常に勝負!!」

 

 「フン、返り討ちにしてやる。」

 

 妙な違和感があったが魔王は気にもせず

 

 「でやぁーーー」

 「はぁ!」

 

 ガギィーン、戦いは始まる。

 先陣をきっていたナイトルジュが先頭を指揮し、後ろにいる弱そうな男と気が強うそうな女は構えて待っている。

 「魔法が得意なのだろうか?」と魔王は考えるが、

 

 「よそ見は危ないぞ!」

 「チッ。」

 

 襲い掛かるナイトルジュが邪魔で考える暇がない。

 

 だが、面白くもない。

 

 もっと強いのかと思ったがそれほど強くない。が体力がこんなにも続いているのが気になり、後方二人に回る。

 

 「!、何!?」

 

 「へ?」

 「っ!」

 

 「やはりお前らの魔法か!」

 

 回復と攻撃が素早くなる魔法をこの二人が使っていた。

 

 「小賢しい。」

 

 つまらない  つまらない  つまらない

   

 

 

      つまらない

 

 

 「無駄な魔法を使ったな、これで。」

  

 ブぉ 風が舞い。

 

 「あ!」

 

 コテ。勇者一人がこけ、ブォン 魔法が発動。それにより。

 

 「!、ぎゃあー。」

 「いやー。」

 

 ぱたっ 勇者全滅。


 

 「あわわわわわわわわわわわわわわわわわわ……」

 

 「……馬鹿らしい、村の近くまで帰れ!」

 

 ブォン

 

 「「「きゃーーー!!!」」」

 

 つまらない つまらない つまらない  退屈だ

 何回も何十回も 何百回 何億回も 

 

 何度も何度も何度も何度も

 飛ばして、焦がして   退屈でつまらない。

 

 だからあの勇者を見て、俺と同じだと思った。

 

 「せっかくこっちに落ちてくれると思ったのにー」

 

 真夜中、鍛錬を行うリン。そこへいつの間にかいる魔王。「昔話をしようか」とまるで「明日はどう?」とでも言ってきてるように普通に話していた。

 

 「んで、それを俺に言ってなんだというんだ?」

 「んー、なんでだろうね?わからないや。」

 「……くだらない。」

 

 魔王は何を伝えようとしているのかわからない。真相が見えない。

 リンには結局どうでもいいことだが、

 

 「本当残念。君がこっちに来てくれるならあの二人は見逃してあげたのになー。」

 「!」

 

 魔王が言っていた「こっち」とは<悪魔堕ち>。

 以前にもあった、街の人が醜い悪魔へと変貌した。

 その者はアランの手によって倒された。<悪魔堕ち>した人間は決して戻れない、戻れたとしても人間としての生活は難しい。

 

 「俺が<悪魔堕ち>するとでも?」

 「うん。」

 「……っ。」

 

 ギリィ。木刀を持つ手に力が入る、ミシッ、今にも壊れそうだ。

 

 「だって君の心は病みで染まっている。あともう少しで。」

 「俺は、<悪魔堕ち>はしない。魔王、お前を倒していく勇者だ!」

 

 ゾクン、魔王の体に電撃が走る。ゾクゾク、寒いのだろうか震えが止まらない、止まらない。

 

 「ふぅん、わかった。君たちには特別のいい部屋を用意して待っているね」

 

 「はっ?いい……っ。」

 

 ぶわっ、バサバサっ。突然の強風。翼で羽ばたく音がする。

 ドラゴンだ。

 

 「じゃあ待ってるねー。悪魔堕ちの勇者君。」

 

 

 「……っ、ざ、けんなーーーーー!!」

 

 ブン、リンは持っていた木刀を魔王へと向け、投げた。カコン。

 

 “がっ!”

 「へ?って、うわーーーー!!」

 

 見事に命中。ドラゴンと魔王は落ちた。

 

 

 「ふん。……って、せっかくの殺せるチャンスが!!」

 

 

 「うー、今に見てろ、あの勇者め。絶対に倒してやる!!」

 

 

 “………(本当、どうにかして、この魔王さん。俺も転職探そうかなー。)”

 

 勇者はチャンスを逃したが魔王は不死身だ。

 少しの不安とはやる衝動が抑えきれない。

 

 あともう少しで世界は平和だ。

 平和になった世界。リンは嬉しいようで寂しような気持ちにかられながらも、

 

 魔王の城を目指す。

 

 あともう少しで…… 

  

 

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