Episoudo6
『アラン―!』
『?、どうした?リン。』
『うん、これね。傷口に塗るとね怪我が治るんだ。』
『へぇー。』
まだ、あの頃はよかった。村のみんなの怪我や病気を治すことができたから……嬉しかった。
“きゃー!”
“ま、魔物だ!魔物がー!!”
『リン!おい!リーン!』
『?、アランどうしたの?』
「リン!こっちはあぶねぇ!早くって……それ何?」
「うん?これ?りゅうさんってのかけたら溶けちゃった。」
「…………(なんで、お前硫酸持ってんの?)」
‘魔物を倒した’という噂が広まり、リンはヒーローになったが……
「?、何やってんだ?リン。」
「ん~?捕まえてきた魔物で実験してんの。」
「……………」
その日からリンの心は病んでしまった。病んだというよりもどこかが、いかれてしまったような感じだ。俺は何もできなかった。
確かにそれからだったな。
やっていた実験がいつの間にか……
「よし、次は あれ、ま、まず」
ボン。忘れていた実験が爆発した。その蒸気がある草にかかり、
「……あれ?」
不思議な薬ができた。リンはそれが失敗だとしたら危ないと思い別な場所に埋めていた。
そしたらその土が異様に変わり、その土で薬草ができた。
「すげぇ。」
いい薬草ができた事は嬉しかった。けど、その反面……
「だれか、殺したい。」
そう思えた、そのあと五体のモンスターが村を襲いリンはその悪魔を倒した。
「あぁ、楽しい……」
身体をバラバラにして、内臓をだし箱に詰めて血の海を歩いてきた……
『リーン!」
「!」
マナとアランが走って、自分の所へと向かっている。
どうしてだ?どうして俺を……
「全くどうして一人で行くんだ?」
「私達仲間ですよ!!」
「………俺は」
「悩むなリン!悩むくらいなら俺達を頼れよ!」
「………俺は」
「わかってるよ!嫌なんだろう?人と関わり合うのが嫌いで拒絶を恐れて。」
「わかってるよ!!だから」
悩む悩む リンは何も伝えられない。伝えることが
「悩まないでください!私たちがいます!だから!!」
「……ありがとう。ありがとう」
「リン」
「リンさん」
「そう、君はそっちを選ぶんだ。一人病んでこっちに来るかと思ったよ。あの孤独の騎士みたいに。」
そう、俺は魔王。 「ブラック・A・レディツ」
魔界で生まれ、弟ができ楽しい日々。
「兄貴ー。」
「ん?」
「実験台になってくんねぇ?」
「はいはい」
ドS弟・ドM兄魔界時代 SM健在。
「でさ、俺魔界でていくわ。」
「……」
「お前も嫌になったら出ても構わないからな。クロロイル」
「……」
「じゃあな。」
そして俺は魔界を出た。
後の事は弟に任せた、俺は一人人間界で支配しようとしてたが、人間界はつまらなかった、面白くもないようで面白い。
俺がひと暴れするだけで人は慌てて泣き叫び命乞いをした。
そのたびに「強者」「勇者」「救世主」が現れた。
“来てやったぞ!魔王よ!今日でおしまいだ!!”
「ふん。小賢しい!お前など吹き飛ばしてやる!」
ブオッ
“ぎゃあー!”
「フン、つまらない」
“覚悟!悪しき魔王よ!!”
「フン。」
“でやあー!”
ゴォー
“あち、あちちちちちち!!”
「フン、つまらん、焼いてしまえばよかった。」
「まて!」
「ん?」
「今度は我らが相手だ!!」
「なんだ、貴様らは。」
「我が名は孤独の騎士・ナイトルジュだ。」
「アハはは、何やってんだろうな……」
「む?、ほんとにそなた等は戦えるのか?」
「無論。試してみるか?」
「ホホゥ」
少しは楽しめそうだな。
何百年ぶりに強者が来た。