朝 2
「パン焼けたわよ、早く食べなさい。」
「ん、ありがと。」
そう言って直樹は、上は制服に下はパジャマとゆう変な格好で席に着いた。その瞬間に横からバカにしたようなあきれているような声がした。
「お兄ちゃんって、ホントにバカよね。昨日の夜ゲームばっかしてるから起きられないんだよ。」
「お前に関係ないだろう、鈴。」声がした方向を向きながらちょっと鬱陶しいような声で直樹は言った。
岩岡鈴は、直樹の妹である。小学校5年生で身長140センチ、スポーツは人並みに出来て勉強は常にトップ。さらに、容姿もなかなか可愛い。黒髪のロングで、目は二重、白い肌。性格も優しくて皆から慕われる存在・・・しかし、それは人前での話である。「関係なくないわよ。お兄ちゃんってさぁ、ゲームやってるとまわりが見えなくなるから大声で『くそー』や、『よし』とか言うからうるさいのよ。こっちまで寝不足になっちゃうじゃない。」
・・・と、言う感じである。しかも、直樹にだけやたらと強気になる。その妹になめられている直樹は、無理に「うっ、で、でもな、友達と競争してるから負けるわけにはいかねーんだよ。それに、これに負けたらジュースおごらないと・・・」と、反論する。しかし、この反論は新たに敵を作ってしまった。
「直樹、どうゆうこと?」
そう、遥である。
「あ、えーとっ、その。」
なんとか誤魔化そう言い訳を考える直樹を遥は、ニコニコと笑顔で待っている。でも、目は笑っていない。直樹は知っている、この状態の遥からは逃げられないことを。
―岩岡家 ルール
賭け事は絶対するな。
破った場合、家族会議(という名の遥ステージ)にて処分を決める。
結局、直樹が学校に着いたのは三時間が始まる直前だった。