表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暗算で異世界を救う : ~戦わずして魔王討伐、自由奔放チート冒険譚~  作者: マサキ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/6

第1話 転生の朝

朝の光がカーテンの隙間から差し込み、部屋の壁を柔らかく照らしていた。

「……うーん、まだ眠いな」

目をこすりながらベッドの上で体を伸ばす。いつもの部屋、いつもの机、そして窓の外の景色。……そう思った瞬間、違和感に気づいた。

窓の外、普段なら住宅街や道路が見えるはずなのに、目に映ったのは深い森だった。木々は高く、枝が朝日を受けてキラキラと輝く。鳥のさえずりが響き、微かに湿った土の匂いが鼻をくすぐった。

「……え?」

思わず声が出る。頭を振っても状況は変わらない。机の上の教科書やノート、スマホは消え、床は冷たい木材の板。部屋の壁もいつもと違う色と質感で、天井からは太い梁が見える。確実に、自分が知っている世界とは違う。

立ち上がり、周囲を見渡す。足元の木の床はしっかりしており、踏みしめるたびにわずかに軋む音がする。窓を開けると、森の中の新鮮な空気が顔に当たり、肺いっぱいに吸い込む。鳥の鳴き声、小川のせせらぎ、風で揺れる葉の音――すべてが現実として伝わってくる。

手を伸ばして床を触る。感触は硬く、木の冷たさと年季のある温もりを感じた。思わず息を飲む。

「……転生……?」

声に出してつぶやく。自分でも半信半疑だったが、頭の中で考えれば考えるほど、答えは一つしかなかった。

朝の光が差し込む部屋の隅には、小さな木製の机と椅子。窓の外には森の木々が静かに揺れ、葉の間から差す光が床に細かく模様を描く。鳥のさえずりはリズムを刻み、微風が木々を揺らすたびに葉のざわめきが耳に届く。

自分の体を確かめる。腕も足も正常だ。呼吸も整っている。寝起きのだるさもなく、頭は驚くほど鮮明だった。

「夢じゃない……確かに、目覚めている……」

布団の感触、床の硬さ、空気の匂い、光の角度。すべて現実の感覚として存在していた。

少し歩いて窓から森を眺める。地面には落ち葉が積もり、小動物が音もなく走り去る。風向きを計算するまでもなく、木々の揺れ方で風の強さと方向が自然とわかる。

頭の中で無意識に分析してしまう自分に気づき、軽く苦笑する。まだこの世界で何ができるかは分からない。ただ、目の前に広がる景色は、間違いなく自分が知っている世界とは違う。

ベッドに戻り、しばらく座ったまま深呼吸をする。考えるほど、心はざわつく。学校に行く時間、宿題、スマホの通知……それらがすべて遠くなる。代わりに、ここにある森の静けさ、木々の匂い、朝の光の柔らかさが、現実として存在している。

「……異世界に、来てしまったのか」

つぶやく声は、驚きと不安、そして少しの覚悟が混ざっていた。何もかもが未知で、説明のつかない現象だらけ。だが、確かにここは現実で、自分は生きている。

そのまま座って周囲を観察する。窓の外には小川が流れ、太陽の光が水面でキラキラと反射している。鳥が枝にとまり、葉の影が揺れる。森の奥では小さな動物の気配がする。すべてが静かで、そして確かに生きている世界。

主人公は静かに息を吐いた。覚悟はまだない。ただ、今目の前に広がる世界を、確かに自分の目で確認した。それだけで、心は微かに震えていた――。

「最後までお読みいただきありがとうございます!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ